偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その43 2012年4月17日火曜日 10:12

『自分自身の心をコントロールすること。それは激情を抑えることではない。激情を自分に起こさせないよう、日頃から心の鍛錬をしておくことだ。』
                              ジャック・ニクラウス(1940~)
 あらゆるスポーツを含め、20世紀最高のアスリートと謳われた帝王・ジャック・ニクラウス。現役時代の集中力はそりゃすごいものがありました。パットラインを読んでる間に帽子が飛んでいったのを、そのプレーが終わったあと気づいたというエピソードもあったほどです。そして自己を客体化し、自己を第三者的にみつめる心が冷静さをつくったのでしょう。ニクラウスの持つメジャー勝利数18に、あと4と迫るタイガーにこの冷静さがあれば、追いつき追い越すことも可能だと思うのは、三平だけではないと思うのですが。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その42 2012年4月2日月曜日 10:02

『扇風機は心棒が不動やから、いつも同じ首振りができんるんや』
                            戸田藤一郎(1914~198)
 当時、最年長記録の57歳で、レギュラーツアー・公式戦(関西オープン)を制した戸田は鬼才と呼ばれた。その長寿の秘訣は165センチの小兵ながら長打、そして比類なきショットの正確さにあった。そしてゴルフを語るとき、可能な限り英語は使わず、身近にあるもので比喩した。表題の「言葉」もその類で、「スイング軸が不動やからこそいつも同じ振りができ、同じ風がくるんや。ゴルフスイングも同じや」と、そばにあった扇風機を指しながら語ったものだ。今に残るスイングの連続写真は軸である背骨は微動だにず、ダウンで腰のあたりまで、シャフトは鋭角“に溜まって”おりてくる。飛んで曲がらないわけだ。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その41 2012年3月21日水曜日 14:24

『ボールをカップにジャストタッチで打てば、入り口は4つもある。
 すなわち、カップの正面、後方、左右・・・。』
                           ボビー・ジョーンズ(1902~1971)
球聖と謳われるジョーンズは、数々の至言を遺していますが、パットでの秘訣を表題のように述べています。「届かなければ100年たっても入らない」といわれて、強めのパットがベターという人もいます。日本ではパット名手・青木功がそうでした。ホールの向こう側にぶつかるほどの強さで打てば、曲がるラインでも直線に近く狙えるからだというのが主な理由です。しかし、ジョーンズは強く打つことで返しのパットをミスし、怒りをコントロールできずに、表題の「言葉」に至ったということです。昨年末、亡くなりましたが往年「グリーンの魔術師」と呼ばれた杉原輝雄も球聖の意見に与していました。杉原と青木のグリーンの闘いは、お互いの特徴がぶつかって、そりゃ試合を沸かせたものでした。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その40 2012年3月9日金曜日 15:53

『不安と緊張こそ、ゴルフゲームでの最高の調味料である。』
ベン・ホーガン(1912~97年)
稀代のショットメーカー、ホーガンはアイスマンともホーク・アイ(鷹の目)とも異名をとり、冷静沈着、寡黙の人でありました。不安と緊張、プレッシャーなどおくびにも出さず、メジャーを8回ももぎとりましたが、実は心の中ではプレッシャーを克服するために、それを“愉しんで”いたのですね。つまりプレッシャーがあればあるほど、プレーがスリリングになり、克服したときの悦びは何にとも代えがたいということです。これはアベレージゴルファーにもいえることで、100の壁、シングル入りへの壁など、プレッシャーを克服しなければ乗り越えることはできません。この克服法は愉しむこと。プレッシャーのないゴルフはただの散歩か、棒振り・・・ではないでしょうか。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その39 2012年2月21日火曜日 13:53

『一生懸命にならな損や。あきらめたら自分が損するだけやないか。』
                              杉原輝雄(1973~2011)
昨年12月末、74歳でなくなった「ゴルフ界のドン」、勝負強さのゆえ「マムシ」とも異名のあった杉原輝雄プロ。様々な名言を残していますが、この「言葉」は持論でもありました。「みんな小さい体で、飛ばないゴルフでようがんばるな、というてくれますが、そんなん当たり前や。努力せな自分が損しますがな」と杉原さん。220ヤードしかドライバーで飛ばなかった不利をカバーする努力は決して他人のためでなく、自分のため。たとえ林にはいってもゴルフはそこからです。そこから一生懸命にならなければ自分が損するという考えでした。関西人らしく、テレもあったのでしょうが、“損”という言葉から学べるものはダッファーにもあると思います。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その38 2012年1月31日火曜日 11:16

『スタンスはグリップの握りと同じくらい重要なものだ』
                          ウォルター・ヘーゲン(1892~1969)
ヘーゲンの時代には「グリップはスイングの基本」というのが常識でしたが、スタンスの重要性をいう人は、まず、いませんでした。今ではグリップを基本という人は少なくなりました。その理由は、古今東西の名手・名人たちは誰1人として同じグリップをしていないからです。それならば基本とはいえず、球筋の個人の好みによって握ればいいというふうになってきたからです。対してスタンスの広さはドライバーで「肩幅」、というのが現在の基本といえるでしょう。ヘーゲンはワイドな広さにしていました。上半身の捻りに負けないくらいの広さで、下半身を安定させるといういう意味があってのことです。ヘーゲンが飛ばし屋だった原因がここにありました。スタンスなど下半身に関心を持った魁(さきがけ)といえるでしょう。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その37 2011年12月13日火曜日 10:19

『風はゴルフゲームの最も大事な財産。風が様々に変化することでそのホールはいくつもの顔を持つことになるからだ。』
                       チャールズ・マグドナルド(1855~1939)
 当然ながら、風はみえません。だからこそ草木のなびきなどを見て推理するしかありません。その風も時間、季節によって変化しますから、そのホールも一定の攻めかたでは攻略できないことになります。まさにそのホールはいくつもの顔を持つことになるのです。スコットランドのリンクスはまさにそうで、風のないラウンドはただの散歩だといわれる所以です。マグドナルドは「アメリカンゴルフの始祖」といわれるゴルフ場設計家で、第1回全米アマの勝者、USGA(米国ゴルフ協会)の創始者でもあります。「風を嫌ってはいけない。風が自分のゴルフのスキルを育てる教師と思え」との言葉も遺しています。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その36 2011年12月2日金曜日 14:33

『私がアプローチでいちばん多用したのは6~7番。生涯の平均ストロークは2以下。』
                                ポール・ラニアン(1908~2002)
ラニアンは小柄ながら類まれなる小技の持ち主で、全米プロ選手権を2度も獲っています。そこでついたネックネームがリトル・ポイズン(小さな毒虫)。飛ばし屋たちを小さな毒で葬り去っているのです。アプローチでの十八番(おはこ)が6、7番アイアンでの転がしでした。ボールを上げてキュッとスピンをかけて止めるピッチショットは、バンカー越えなど特殊な状況以外は決して使いませんでした。ピンまで30フィートあるなら3、4番。ランがキャリーの2倍なら8番、4倍なら6、7番というように数値化もしてました。グリップも自ら考案して、両手の平が正面を向くように握り、手首の動きを抑えて振り子のように振っています。ランニング(転がし)がアプローチでの最大の武器ということを、ラニアンは教えてくれたのです。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その35 2011年11月25日金曜日 15:32

『ミスショットの弁解は、あなたの友を苦しめるだけでなく、自分をも不幸にする。』
                              ベン・ホーガン(1912~1997)
ナイスショット!と同伴競技者が声をかけると、必ず「いやヒールだ!」とか、「こすった!」とか必ず、弁解じみた言辞を返す人がいます。これって一種の自慢なんですね。もっと自分は上手いはずだなんて・・・。ナイスショットと声かけても、弁解じみた言葉がいつも返ってくれば、だんだんみんなが不愉快になってくるものです。大体、本人が思ってるほど上手くはないことが多いものです。言い訳や弁解は心の負、必ず自分に返ってきます。そこそこの当たりでも、お褒めの言葉かけられたら、「ありがとう」と返せば、みんなが明るくなってゴルフのリズムもよくなってくること請け合いですよ。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その34 2011年11月8日火曜日 17:23

『私の憧れとする“美しいゴルフ”には7つの条件があります。』
                      小坂旦子(こさか・あさこ 1902~)

小坂旦子は三井財閥の出で、女子の伝説的アマであった三井栄子を母にもち、自らも数々に女子アマ選手権を手にしています。クラブを握って70何年の末に悟ったという“美しいゴルフ”の7つの条件を披露してもらいましょう。美しいゴルフとは単にスイングがそうというだけでなく、マナーや立ち居振る舞いまで包括していますので、ぜひ、これからゴルフを始める人に見てもらいたいものです。
①技術が上手いだけではいけない。下手でもいけない。
②競争意識があり過ぎても、なくてもいけない。
③しゃべり過ぎても、黙っていてもいけない。
④ほめ過ぎても、ほめなくてもいけない。
⑤ユーモアや冗談が分からなくても、ふざけ過ぎてもいけない。
⑥遠慮があり過ぎても、なくてもいけない。
⑦プレーが遅過ぎても、早過ぎてもいけない。
中庸の美というか、抑制とバランスの精神に富んだゴルフが、美しいゴルフなのです。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その33 2011年10月21日金曜日 16:15

『日本人のアイアンが下手な原因は練習マット、高麗芝、そして飛距離重視主義にある。』
                      デビッド・レッドベター(1952~)
 レッドベターといえば、“プロを教えるプロ”として、初めてそのインストラクターを職業にした人です。つまり一流ツアープロを教えて、その対価として契約によりお金をとったわけです。そのレッドベターが日本に来て、ツアープロや一般アマを見ての感想が表題にかかげた「言葉」。練習場のマットはヘッドソールを滑らせてくれますので、たとえダフっても打てますし、高麗芝はボールを浮かせてくれるので、打ちこまずとも楽にボールは上がってくれます。そして飛距離重視のことでは、「日本人はドライバー偏重主義でドライバーばかり練習している。しかしパー5は18ホールで4つしかなく、残りの14ホールはアイアンでグリーンに乗せるのが勝負。遠くに飛ばすより正確なショットを磨くほうが、スコアアップに役立つことは歴然としている」という見解でした。さて、みなさんはどういう練習をしてますか?

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その32 2011年9月30日金曜日 13:05

『あるがまま”とはボールのライのみならず、体調、天候、時間環境などすべて含まれる』
                             ボビー・ロック(1917~)

「Play the ball as it lies」、あるがままのライでボールを打つ、というのは、ゴルフの大原則です。つまり、プレー中、グリーンでボールをマークする以外は原則として触るなということです。ボービー・ロックは南ア生まれで、全英オープンを4回優勝、比類なきパットの名手と謳われました。そんな名手が残した「言葉」です。自分の体調も人間である以上、好不調の波があるのはもちろん、天候など自然はその時々、変幻自在です。スタート時間やラウンドでの組み合わせなども、自分で決められるはずもありません。なので、それらは“あるがまま”として受け入れ、自分のゴルフを表現していきなさいと説いたわけです。ただ、ロックは“あるがまま”を受け入れ吟味しすぎて、超スロープレーヤーといわれたものです。それだけは真似しないようにしてください(笑)。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その31番外編 2011年9月9日金曜日 13:47

『ゴルフバナシは、人前、特に列車の中では絶対にしないことを申し合わせている』

                    大岡昇平(1909~1988)

 今回はちょっと毛色の変った話をしましょう。腕前上達のことではなく、ゴルファーとしての“つつしみ”の話です。マナーといってもいいでしょう。マナーは『ルールブック』の冒頭に書かれていて、ゴルファーがいちばん守らなければならないことです。むろん大岡昇平はプロゴルファーではなく、純文学の作家ながらゴルフも大好きで『ゴルフ、酒、旅』などの著書もあるほど。そんな大岡が、自分達の趣味を声高に開陳することで、周りを辟易させる迷惑を自戒した「言葉」です。夏の軽井沢から帰る途中、ある評論家から眉をひそめられたことから気づいたといいます。当人達は愉しみでもゴルフをやらない人には騒音でしかありません。ゴルフをこれからやられる方は心していただきたいですね。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その30 2011年8月26日金曜日 16:24

『基本を習うのはさほど難しくはない。しかし持続力がないものだから、たいていの人は自分の潜在能力より低いレベルで妥協してしまう。』

                    ジャック・ニクラウス(1940~)

ニクラウスは米国の全スポーツ選手の中、ある通信社のアンケートで20世紀で最高のアスリートに選出されたこともあります。日本では帝王の冠詞がついて、メジャー勝利数18はまだ破られていません。タイガー・ウッズが14と、あと4個に迫っていますが、さあどうでしょうか? ニクラウスはアマチュア時代から神童と呼ばれ、大人になっても天才であり続けたが、それを支えたのは持続する努力でもありました。「継続は力なり」ということを実証する「言葉」であるといえます。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その29 2011年8月9日火曜日 10:37

『格好なんて気にするない。格好気にしてたらそればっかり気になって上達などそこで止まっちまうよ』

                       中村寅吉(1915~2008)

158cmの小柄、太鼓腹を突き出した体型ながら、飛ばし屋だったトラさん(中村の愛称)。それは独自につくりだした「2段モーションスイング」に負うところが大でした。練習方法も独自。アイアンでクラブハウスの屋根を越す練習で度胸をつける話。当時、ハウスのガラスは給料の倍したそうです。それを割っては・・・、度胸をつけるにはもってこいの生きた練習だったとトラさんは述懐していました。
また真っ暗闇のなかで練習具グリーンでのパット。「どうせ見えないんだから左耳でカップインの音を聞きやいい。本番でもへッドアップなんかしねぇよ」と言ってました。
自信なき正当は自信ある我流に負ける」との格言を地でいき、戦後のゴルフブームに火をつけました。弟子の樋口久子も独特の「スェー打法」で“世界一”になりました。要は格好より魂のこもったスイングをつくれるかどうかではないでしょうか。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その28 2011年8月4日木曜日 10:01

『3オン1パットのパーでも、スコアカードには4としか書かない』

               中部銀次郎(1942~2001)

中部は日本アマを6回勝ち、プロ・トーナメントでもアマの身で勝利していますが、「バーディはプロのもの。アマはいかにパーをセーブするかが命」というのが口ぐせでした。だからプロはパーオンが必定になりますが、アマは3オンで十分。こう考えるとトラブルになったら必ず安全なところへ出すなどする“余裕”が出てきます。うまくして次打で寄せればアマの理想であるパーがとれるかもしれない・・・。中部はこういう考えかたでした。こうしてとった見栄え悪いパーも、パーオンしてとった綺麗なパーも、結局同じパー。3.5とも4.5のパーともスコアカードには書きません。スコアカードに書く「4」を知ること。これがコースマネージメントという概念を知ることにもなるわけです。

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ティーチングプロの役割とは 2011年7月14日木曜日 11:22

 今週の週刊文春に中嶋常幸プロが、ティーチングプロの役割についてコメントしています。三平も、いつか誰かがこういうコメントをするんだろうなあ?待ちに待っていたコメントでした。日本人というとシャイな性格もあってか、人にゴルフを教わる、ということをあまりしたがらない傾向があります。それで世の中自己流で覚えました、というオジサンゴルファーがなんと多いことか。
 米国のレッスン事情はちょっと違います。ゴルフ誌には、年間ティーチングプロランキングが出るほど、ティーチングプロの存在が認められています。
 あのジャック・二クラウスもジャック・グラウトというティーチングプロが密着していましたし、トム・ワトソンもバイロン・ネルソンという名伯楽がついていました。近年ではタイガー・ウッズもブッチ・ハーモン、ハンク・ヘイニーと米国を代表するティーチングプロが見ていました。フィル・ミケルソンもジュニアのころは、ディーン・ラインマスから徹底してアプローチ、パットを教え込まれています。彼の天下一品のロブショットは、このラインマス仕込みです。
 三平が最初に、ティーチングプロの存在を目の当たりにしたのは、かれこれ17,8年前のことでしょうか?ジャマイカで開催された世界ゴルフ選手権に行った時のことです。あの日本でも有名になったデヴィット・レッドベターが、J・V・シンとニック・ファルドの間を言ったり来たりして、ずうーと教えていた姿を見た時です。身体の調子、精神的にも日々違うスイングになる、だからいつも見てもらって修整している、とコメントしていました。こんな世界のトッププロでもこうして絶えず見てもらうんだな、と衝撃を受けたことを覚えています。
 先日日本のシニアの大御所と言われている人も、石川遼に米国のいいティーチングプロがついたら、その時はかなり期待できるよ、とも言っていました。
 ましてやアマチュアの我々は、さらにきちんとティーチングプロに見てもらわないとだめだということに気が付くべきです。日々違うゴルフをしているんですから。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その25 2011年7月11日月曜日 17:02

『バンカーショットは、もっともやさしいショット。なぜならボールを打たなくていいからさ。』

                      ジャック・バーク

普通のショットでは、クラブフェースにきっちりと当たらなければ飛んでいってくれません。アプローチのような小技でも、フェースがボールと芝の間に寸分の狂いもなく入っていかなければナイスショットにはなりません。何センチでも手前から入ればダフリだし、行き過ぎてボールの腹を叩けばトップボールになります。
ところが、バンカーショット(エクスプロージョン=爆打)だけは、このフェースとボールの間の“きっちり感”はかなりルーズで、1~3センチ手前から入っても――寄せることはできなくても――脱出することだけはできるでしょう。つまり、かなりアバウトにダフればいいというショットなのです。
ただし、短い距離をフルショットに近いスイングで振るのには勇気がいります。コースへいったら練習場にバンカーがあれば、必ず練習すること。やればやっただけ、自信がついたらついただけ上手くなるといわれてますので、挑戦してみてください。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その24 2011年7月1日金曜日 12:28

『ゴルフに急速の上達はないが、しかしいつ始めても遅すぎることはない』

                ダグ・サンダース(1933~)


 ゴルフは1日1歩、または1歩下がって2歩進む。そんな性質を持つゲームなのです。たとえ美しいスイングをもっているからといって、それが必ずスコアアップにつながると限らない。美しいスイングは“手段”ではあっても全てではありません。
 だからといって、いつ何歳から始めても遅すぎることはないという不可思議な面も持っているのです。2年前、60歳にならんとするトム・ワトソンが世界のメジャー、全英オープンに勝ちそうになる、そんなことは野球や他の球技では絶対起こりえないことです。
 サンダースはファッショナブルなスタイルで人気を博しましたが、「テレホンボックススイング」という小さな速いスイングを、貧乏な子供の頃から独自の努力でつくりあげた人でもあるのです。苦労人だからこその「言葉」、年齢遅くして始める人の希望になる「言葉」でもあります。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その23 2011年6月24日金曜日 13:35

『ショートホールで、カップ(ピン)は狙わない』

        中部銀次郎(1942~2001年)

 中部銀次郎はアマチュアリズムを生涯貫いた人で、日本アマチュアゴルフ選手権に6度優勝して、若い頃は「アマチュア界の貴公子」と呼ばれました。中部は寡黙な人でラウンド中は、求められれば一言二言助言するのみでした。しかし酒がはいると談論風発、含蓄のある「言葉」を遺しています。
 それはおいおい紹介していくとして、今回はそのアマに徹した「言葉」の一端を。
“技術”を駆使するのはプロの世界。アマは確実な技術を繰り返すのが結局はスコアアップにつながるという考えなのです。
 ショートホールはカップ(ピン)を狙うほど難しくなるものです。狭いところにいいラインがあってそこへいくとバーディもあるが、外れた時には難しいラインが残ってしまいボギーもありうる。ならばグリーンの真ん中を狙っていきます。真ん中ならばどんなピンの位置でも5メートルくらいのものです。アマは確実なパーを重ねることが大事、中部はそんな考えの人でした。
 だから、中部には日本アマ6勝ながら、ホールインワンは1度として達成していません。ここに中部のアマチュアリズム、急がばまわれ、の精神がみられると思います。

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