世界的に強くなった日本の女子プロ選手達 2010年7月26日月曜日 17:20

 フランスで開催されていた米国・ヨーロッパ共同ツアーのエビアンマスターズで、日本選手が何と15人も入賞しました。これは過去男女合わせても、これだけの人数の日本選手が海外のビッグトーナメントに入賞したのは初めてのことではないでしょうか?しかもベスト10に3人、ベスト30に4人と予選通過者全79人の中でも上位半分に7人も入るというのは快挙だと言っても過言ではないでしょう。さらに韓国系の選手が、17名も入りました。両方合わせると32人。全選手のうち約半数近い選手たちが、日本と韓国の選手ということになります。これもすごいことですね。どこの国の大会かわからなくなってしまいました。とにかく欧米の選手を凌ぎ、著しくレベルアップしていることがわかります。
 あとは、日本、韓国はゴルフでは歴史的に新しい国ですので、全英女子オープンが開催されるロイヤルバークデールのようなリンクスコース、つまり風との戦いや自然の中で出来上がったポットバンカーなどの攻略方法などに苦手意識があります。つまりこれは日本のコースのように内陸的なコースでしかプレーしていないということで経験不足ということになります。
 ですので日本のコースももっと自然との戦いを強いるコース設計、あるいはグリーン、バンカーなどをもっと難しい設計にするとすぐにでも世界のメジャーで優勝する選手が出てくるのではないでしょうか?やはり日本の多くのコースが、接待コース、つまり割といいスコアが出るような設計にしていることが世界で通用する選手の出現を遅らせているような気がします。現状では、海外で通用する選手になるには、海外のコースをいかに多く経験するか、ということにかかっている、と言っても過言ではないでしょう。
 そうなると世界のゴルフ界も大きく変わるような気がします。ゴルフ界の近未来をボギー三平も予想し、日本のゴルフ界を一日でも早くグローバルスタンダードに押し上げてみたいというのが長年の夢でした。すいません、まるで坂本龍馬にでもなったようなコメントでしたね。失礼しました。ちょっと昨晩の夢を語ってしまいました。お許しを。

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偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナー その11 2010年7月23日金曜日 14:38

 「ボールはあるがままに打つ!」(Play the ball as it lies.)
作者不詳
 プレー中ボールには触っちゃだめよ、とはボギー三平もゴルフを始めたころはよく言われたものです。しかしいつの間にか6インチリプレース、というルールがはびこりボールを動かす人が多く見られるようになりました。この言葉ははゴルフの大原則で、触れることができるのはティーアップの時とグリーンでボールをマークするときのみなのです。6インチリプレースというのは、何らかの事情で芝を保護したい時や大雨などのあとの地盤がグジャグジャになっている時など、いずれもメンテナンス上ローカルルールで決められている時だけなんです。
 100万㎡もあるゴルフ場ですから、ボールを打ったら運不運が付きもの。ディボット跡に入っていたり、5cmOB側にあったり、逆に木に当たってカップインなどというのも日常茶飯事。しかし基本は、自然のなすがままに、というのがゴルフの精神ですし、あるがままから打つことを楽しみにしたいものです。
 接待ゴルフで「どうぞどうぞ動かしてください」などと手もみされながら言われてしまうとついその気になってしまうのも人間です。でもここでキリっと気持ちを引き締め、ボールに触らず、あるがままに打つことを
お勧めします。そのほうが上達するのは間違いありませんし、これがゴルフ発祥のころからの大原則なのです。
 この言葉は実は読み人知らずなのですが、それほど古くから言われていることなのです。世界最古のルールブックの第1条2条に規定されているぐらいですから。そもそもスコットランドではプレー中に触るということはあり得なかったので、スコットランドから他の国にゴルフが渡ったあたりから、言われ始めたのではないかと思われます。三平の勝手な推測ですが。

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偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナー その10  14:03

 悩む時間はもったいない。1球でも多く打てばそこから答えがみつかるもんさ!
   中村寅吉(1915~2008)
 中村寅吉と言えば、1957年、当時ゴルフのオリンピックと言われた「カナダカップ」(現在のワールドカップの前身・霞ヶ関GCで開催)に団体、個人で優勝し、戦後の第一次ゴルフブームに火をつけたプロです。ベランメー口調で誰とでも開けっぴろげに話し、トラさんと呼ばれ人気者でした。弟子に樋口久子プロ(現日本女子プロ協会会長・全米女子プロ選手権優勝者)がいます。
 トラさんは小学校卒業後、家が貧しかったため、すぐキャディーの仕事についたようです。その時に見よう見まねの独学でプロになったのです。だから理屈はさておき、身体で覚えるということを実践し独特のスイングで一世を風靡したプロゴルファーでした。
 ゴルフ場では、お客さんが帰りクラブハウスの灯が消えたあとも、暗闇の中で黙々と練習グりーンでパットの練習に励んだそうです。カップインしたかどうかは、左耳で聞く。「だから俺はヘッドアップなんか絶対にしたことねえんだ。」と笑っていました。また「目で盗め、身体で覚えろ」というのが持論で、弟子の樋口久子達にも手取り足とりなどという教え方はしませんでした。そういえば樋口さんがよく「ドライバー1本で1日打っていたこともありましたよ」と言っていたのを思い出します。
 幸い現在は、レッスン本あり、ティーチングプロはいっぱいいますし、上達の方法はいくらでもありますが、この「1球でも多く打って身体で覚える」というのは、永遠の上達の極意だと三平も思います。
 トラさんの言葉をかみしめてさあ練習場に行きましょう!

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着実に能力を高めている石川遼、18歳 2010年7月20日火曜日 13:08

 全英オープンでの石川遼は、順位こそ27位でしたが確実に成長していることがわかるゴルフをしていました。今年のマスターズ、全米オープンでは、窮地に立つとネガティブシンキングのなるのか、スイングが変わり、パットもぎこちなくショートパットなどをはずしていました。もちろん18歳の彼が、世界の大舞台でプレーするのですから緊張しないほうがおかしいかもしれません。しかしドライバーの飛距離やアイアンの技術的なところは他の海外の選手と比較しても遜色がありません。問題は体力と精神的な弱さにありました。これは誰が見てもわかりましたし、本人もそうコメントしていました。青木功さんが解説でも言っていましたが、
疲れがピークになる3日目が最も大事なラウンドになる、ということです。やはり3日目は石川遼も最後はスコアを崩していましたが、それを最終日どうリメイクするか、がキーポイントだったのです。風との戦い、112もあるスコティッシュバンカーとの戦いは半端じゃなかったと思います。しかし一旦は40位以下に落ちた順位を27位まで引き上げていました。風との戦いに慣れたのか、ゴルフ発祥の地ということで素直な神聖な気持ちでゴルフに取り組むことができるようになったのか、いずれにしてもしっかりと全米オープンのころのゴルフからさらに体力的にも精神的にも成長させたゴルフを見ることができました。
 体力と言えば、青木功さんの面白いコメントがあります。通常「心技体」という格言がありますが、ある日アメリカでのシニアトーナメントに応援に行った際、突然、「あのさ、『心技体』、という言葉があるよな、俺さ、逆じゃねえかと思うんだけど、『体技心』だと意味がよくわかるんだよな。」と言ったのです。つまり体力に不安を持ったままじゃ、技術的にも中途半端になるし、精神的にも不安になって、落ち着かない。逆にしっかりとした体力に自信があると、それに裏付けされた技術が発揮されるし、精神的にも非常に安定した中プレーできる。だから青木さんの場合、体技心、というのがしっくりくる、ということなんですね。
 これは青木功の実感としてのことなので、非常に説得力があります。石川遼に必要なのはこの『体技心』なのです。これをきちんと身につけていれば、今後の海外のトーナメントも十分上位を狙えるだけのものを体得したような感じですね。
 残念だったのは、やはり全英オープンの前週の過ごし方です。内陸部のロッホローモンドではなく、風の強いカヌースティーやセントアンドリュース、ロイヤルトゥルーンのような荒々しいスコットランドの風を体験してゴルフ発祥の地、セントアンドリュースの戦いに臨んでほしかったですね。でも来年以降まだまだチャンスはいっぱいあります。そのためのゴルフの蓄積をしていけば、必ず花開きます。青木功さんも米国ツアーで優勝したのは77試合目です。石川遼がメジャーを制するその時を三平も楽しみにしています。

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最も印象的だったトム・ワトソンのキス 2010年7月19日月曜日 13:13


 今年の全英オープンで、世界中のゴルフファンが期待していたのがトム・ワトソン活躍でしょう。過去5度の全英オープンの優勝、昨年は最終ホールでボギーを叩き、プレーオフに持ち込まれ、負けてしまった59歳の天才ゴルファーへの期待は半端じゃありませんでした。しかし猛烈に体力を奪うスコットランド特有の風に天才も負けてしまったかのようにバーディーを奪えませんでした。
 予選落ちが決定的となった2日目、18番ホール。ティーショットの後全員が渡るスウィルカンブリッジに何とワトソンがいきなりキスをしたのです。長い間お世話になりました、とばかりに渡る手前に右側に石造りの欄干にチュっとしたのです。4、5mの川幅にかかる橋ですが、この橋は、世界中のゴルファーが必ず記念写真を撮る橋なのです。ジャック・ニクラウスが引退を決め、最後の全英オープンになった際も涙を流して、この橋を渡りました。橋の上で暫く涙も拭かず帽子を観客に振っていました。三平が目の前で見たのはアーノルド・パーマーが最後の全英オープンとなった時のこの橋での記念撮影でした。また全英オープンの優勝者やダンヒルカップの優勝者は必ずこの橋の上でカップを持って記念写真を撮ります。もちろん三平も行った時は必ずこの上で写真を撮ります。いつもカメラマンにむりやり頼んで撮影してもらいます。それぐらい世界中注目の橋なのです。
 実はこのスウィルカンバーンは、ゴルフの歴史にとって重要な小川なのです。リプレースというルールができたきっかけとなったのがここでした。ゴルフ史上初めてボールに触ることができた事件です。300年前のことだと思いますが、地元の人達は、この小川で洗濯をしていたのです。そして風が強いので、芝の上に洗濯物を干していたのですが、そこへゴルフをしていた下手なゴルファーの亭主達がボールを曲げ、洗濯物の上にボールが転がっていくわけです。ところが当時はボールに触ることは絶対禁止、しかしこのまま打っては怖いカミサンに怒られる、はたと困ったしまい、みんなで協議し、リプレースというルールが生まれたのです。その現場となったのがこの小川なのです。またウォーターハザードなどのルールができたのもこの小川です。
 そういう意味も含め、この小川には数々の歴史が刻み込まれているのです。それに対しお世話になりました、と言っているかのようなワトソンのキスでした。三平も何度も渡ったことがあるこの橋でのシーンに胸が熱くなるのを感じました。

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一つの時代の転換期を迎えた全英オープン  12:44


 今回の全英オープンの結果を誰が予想できたでしょうか?タイガーが不発でなかなか浮上せず、ミケルソンもエルスも全く上位に来ませんでした。ジョン・デーリーやカルキャベッキャなどの往年の名選手が途中までスコアボードをにぎわせましたが、活躍した頃とは程遠い身体を見るまでもなく、終盤消え去りました。後半2日間急激のバーディーラッシュに入ったのが、南アフリカのウエストへーゼン、と地元スコットランドのポール・ケーシーでした。しかしウエストへーゼンは、最終日2位に途中8打差も付けてしまっては、勝負あったも同然。最終日前半でウエストへーゼンの優勝が決まった勝負展開でした。後半はTV解説者の皆さんもウエストへーゼンのトラブルショットが出ないか、ポール・ケーシーのスーパーサプライズショットが出ないか、というような、言わば異常事態を期待するようなコメントになりました。青木功さんに至っては、昔はこんな感じじゃなかった、というような昔話に入っていました。過去こんな展開になった全英オープンは初めてじゃないでしょうか?開催コースがゴルフ発祥の地セントアンドリュースじゃなかったら、話題にも事欠いたような気がします。
 でもこれはウエストへーゼンの素晴らしさを褒め称えるべきではないでしょうか?また今回教訓だったのは、優勝したウエストへーゼンは、南アフリカのスーパースターE・エルスのジュニア基金で育った選手だということです。後継者を育てるということがいかに大事か。米国もタイガーの基金はすごいものがありますし、欧米の各国も次代を担う若手を育てることに関して、非常に積極的です。そういう意味でも時代の転換期を感じざるを得ません。日本ではこのようなジュニア基金など聞いたことがありません。もちろん青木功ジュニアスクールなどがありますが、石川遼などの例を見るまでもなく、自分達で頑張って這い上がっていくジュニアしか出てこないのが現実でしょう。タイガーも熱心な父親が、子供の教育のために取り入れたゴルフが花開き、タイガーの才能を引き出しています、。石川遼も全く同じでしょう。しかしこれは稀有な例です。
 今回の全英オープンで得たこの後継者教育という教訓を、日本のゴルフ関係者はどれだけ意識を持つことができるでしょうか?そういう意味では意義深い大会でしたね。

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いよいよ全英オープンが始まります 2010年7月15日木曜日 11:17



 今年で150年目を迎えた記念大会となった全英オープンが今日から始まります。また寝不足の日々になりますね。日本からはなんと9人が出場しているんです。石川遼、池田勇太を始め賞金ランキング上位の実力者が参加しています。新人の薗田もどんなゴルフを見せてくれるか楽しみです。
 1860年第1回大会がグラスゴー近郊のプレストウィックGCで開催されてから150年。日本はちょうど幕末で坂本龍馬が活躍していた時代です。龍馬が刀を差して京都の町を闊歩していたころ、スコットランドでは、クラブを振り回してボールを打ち、カップを狙っていたということになります。当時スコットランドでは、プロゴルファーという職種が生まれたばかりのころです。プロというのは、ゴルフがうまいのは当たり前なのですが、ボールを作れたり、クラブを作ったり、芝の管理ができたり、もちろんゴルフそのものを教えるに長けた人達のことをプロゴルファーと言いました。つまりゴルフのあらゆることに知識を持ち、教えることを業ができるエキスパートのことだったのです。それでそういうエキスパートの人達の中で誰が一番強いか、競い合う大会をやろうじゃないか、ということで始まったのが、今や全英オープンというメジャーの大会にまでなったこのトーナメントだったのです。それがアメリカに渡り、ゴルフというスポーツの栄華がはじまることになるわけですが、当時の龍馬は、こんなスポーツがあるなどという存在すらわからなかったでしょうから、時代の変遷というのはめまぐるしく変わるものだということがこのゴルフを見るだけでもわかります。
 日本選手出場者の中でうれしかったのは、宮本プロの出場です。彼は、「1998年のダンヒルカップ以来のセントアンドリュースです。」とコメントしていましたが、このダンヒルカップには三平もスタッフとして参加していました。そしてプロアマで宮本プロとこのセントアンドリュースオールドコースを一緒にラウンドしたのです。初めての会話でしたが、なかなかのナイスガイでした。飛距離も素晴らしく、その後の活躍は皆さんのほうが詳しいと思います。その際彼が心配していたのは、彼のショットが高く飛ぶことでした。やはり風の影響を受けやすいのでこれをどう克服するか、というのが課題だと言ってました。石川遼も同じ悩みがあると思います。またグリーンがダブルグリーンなので、2000平米ぐらいの面積があります。米国のグリーンほどアンジュレーションがない分、慣れれば何とか克服できると思いますが、硬さにどれだけ早くなれるか、ですね。
 各選手念入りに練習ラウンドを終え、どのような対策を練って挑むのか、今日からの本戦が楽しみです。

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やはりハワイのゴルフが楽しい 2010年7月14日水曜日 16:46


 今週はセントアンドリュースにて全英オープンが開催されます。荘厳な雰囲気の中、テレビを見ているゴルファーも歴史の重みと自然との戦いを強いられるプロ達の熱い戦いを楽しむことになります。
 一方、楽園ゴルフと言われるハワイでのゴルフも忘れられません。短パンにポロシャツでカートに乗り、ヤシの木の木陰に行ったボールを簡単にグリーンに乗せたり、とセントアンドリュースでの厳しい自然との戦いを強いるゴルフとはまた趣が全く違うゴルフとなります。
 不肖ボギー三平は、どちらも20回近く行っていますので、どちらのゴルフも好きです。セントアンドリュースのゴルフは、ゴルフ発祥のコースから打ちのめされることに快感を感じますし、ハワイのリゾートゴルフはガンガンクラブを振り回す快感を得られます。こういうと比較すること自体間違えているかとも思いますが、意外とそうでもないのです。数年前にハワイ・オアフ島のタートルベイというコースで米国シニアツアーが開催され、そのプロアマに招待された時のこと。ノースショアののんびりしたところにあるコースなのですが、意外と手ごわく、風がかなり強く吹くのです。最も厳しいホールが、17番パー4。海に向かって打つのですが、グリーンの手前がバンカーだらけ。20個近い数のバンカーがあります。風を正面から受けながら、このバンカーをかわすのに一苦労します。ここだけで10なんてスコアを叩くのも不思議ではありません。
まるでセントアンドリュースの地獄のバンカーがある14番ホールを思い出します。その時にご一緒したのが、林征男さん。地元ハワイで、ゴルフ場への送迎サービスを行う会社を経営しています。
お話を伺うとこんなビジネスによく気がついたな、と思うような観光客の強い味方のビジネスです。元旅行代理店にお勤めで、それからこのビジネスを行うべく会社を買収し、KATO GOLF TOURSという会社で現在に至っています。つまりハワイでゴルフを楽しみたい観光客のために、ハワイの全ゴルフ場の予約から送迎、案内を行う非常に便利な会社なのですね。しかも安い。私も何人かご紹介させていただきましたが、ご紹介した人達からは一様に感謝されています。クレームも一切なく、ほとんどがリピーターになっています。それも林さんの人柄ににじみ出ている会社だからなのです。
 プロアマでご一緒した際も、18ホールずうーっとゴルフ談議でした。さらに夜になっても続きました。冒頭のセントアンドリュースとハワイのゴルフ場の違いなども当然のごとく林さんから質問が来ました。どちらがいいですか?と。三平はできることなら、どちらにも毎年1か月づつゴルフをすることができたら、この上なく幸せですね、と答えたのですが、でもやっぱり林さんのようなゴルフの友がいるところも無性に行きたくなるのがゴルファーたるゆえんかもしれません。ゴルフは友を作りますから。

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ポーラ・クリーマーと不動裕理は同じ思いで戦っていた  14:22


 今年3つ目のメジャートーナメントの全米女子オープンは、米国の美人プロ、ポーラ・クリーマーが、手の指の怪我から復活優勝。一方日本の明治チョコレート杯では、不動裕理が逆転に次ぐ逆転の戦いを制して、今季2勝目を飾りました。
 過去韓国勢の優勝が続いていた全米女子オープンですが、今年は絶対に米国人の手で優勝を奪回したいという強い意気込みのポーラの優勝でした。しかもメジャー初優勝、喜びもひとしおでしょう。また不動裕理ほうも、今期の日本のトーナメントの半分が韓国勢が優勝しており、この大会も韓国勢が優勝すると、前半戦は何と日本勢の負け越しが決まるという大会だったのでしたから、意地でも勝とうという意気込みだったようです。
 それでも全米女子オープンは、ベスト10のうち5人が韓国勢。日本のほうも不動を最後の最後まで苦しめたのが、韓国のイ・ジウでした。
 ポーラ・クリーマーと不動裕理とも、姿、形は違えど思いは同じ。期せずして韓国勢との戦いとなったが、ポーラ・クリーマーは、「絶対に優勝する!」と言い聞かせていた、と言います。一方の不動も、「絶対に負けない」と思ってプレーしていたということでした。期しくも、二人には、負けない、勝つぞ、という思いがぶれずに最後まで戦っていた、という共通点があったのです。
 この二人の思いでわかるように、ゴルフというスポーツは、精神的なマインドコントロールが左右するスポーツなのです。コースには常にチャレンジする、という精神を忘れてはいけないし、戦いは絶対に勝つ、という前向きの心を持ってプレーすると結果がおのずと見えてくる。ちょっとでも弱気になるとそれが結果にすぐ現れる。これもゴルフの魅力の一つですね。

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偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナーその9 2010年7月12日月曜日 13:15


『スコアをお金で買えるのは、ただ一つクラブだけである』
 トミー・アーマー(1895~1968)
トミー・アーマーは、スコットランドのエジンバラ生まれ。アマチュア時代はイギリスに敵なしでウォーカーカップの代表選手として活躍、その後米国に移住しプロに転向、そしてオークモントCCでの全米オープンに優勝、その後全英オープン、全米プロに優勝した名選手です。ボビー・ジョーンズに教えたことでも有名で、レッスン書の名解説やクラブの開発でも目覚ましい活躍をしたことでも語り草になっているプロです。
 今回はそんなアーマーの言葉なので説得があります。元々お金でスコアは買えません、というのが古今東西等しく定説なのですが、用具だけは別で、スコアをお金で買える、と宣言したのがトミー・アーマーなのです。それが、スコアをお金で買える、つまりいいクラブを買えば、スコアを買えるのと同じだと力説していたわけです。クラブの技術的な開発が急速に進歩する1900年代後半に彼が生きていれば、また違ったゴルフ界になっていたものと思われます。相当な理論を持っていましたから。
 ゴルフを始めるにあたって、それなりの金額で品質の良いクラブを買えば、それに見合う腕前になりますよ、ということも言いたかったのではないかと三平は思うのであります。
 
 

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14本のクラブが試された全米女子オープン  12:29

 今年の全米女子オープンは、モンスターと呼ばれる全米屈指の難コース・オークモントCCで開催されました。過去8度の男子の全米オープンが開催され、その都度優勝者から”過去最も難しいコース”と優勝スピーチでコメントされた名コースです。特に女子には厳しいコースです。特に距離が長い。1903年オープンのコースですが、いまだにそのヤーデージを伸ばすことなくメジャートーナメントを開催できるほです。とにかく14本のクラブでも足りないぐらいの様々なショットが要求されます。元々地元ピッツバーグの実業家がとにかく徹底して難しいコースを造りたいということで自ら設計。バンカーの数は何と200を超える。マスターズのオーガスタナショナルが約50。世界的にみても、平均のバンカーの数は、60~80と言われています。それが3倍もの数。セカンドショットからグリーンを目指すとほとんどバンカーで塞がれているといった景観になります。中でも3番ホールと4番ホールの間にある「チャーチストピュー」つまり教会の椅子のように横長に8つの「椅子」のように並んだ形状のバンカーが有名で、わざわざこのバンカーに入れ、そこで祈っている人がいると、というぐらい話題になっています。しかもグリーンがまたうねりまくっているのです。グリーンにダイレクトに落ちてもその場所にとどまることはほとんどありません。必ずどの方向か、数mは動きます。それほど傾斜があるグリーンになっているのです。
 この屈指の難コースを制したのは、美人プロとして人気のポーラ・クリーマー。最年少記録を次々と塗り替えたブロンドが美しい23歳です。しかもアンダーは彼女一人。全米女子オープンだけは、米国人以外のプロには優勝させたくない、と怪我をおしての優勝となりました。過去男子の全米オープンでも優勝者は実力者ばかり。彼女も今回の優勝で、実力ナンバーワンのお墨付きをいただいたと思います。日本期待の宮里藍は、31位。パッティングが不調だったことが惜しまれます。ことごとくカップをはずしていましたね。一方ドライバーの飛距離と正確さに自信のある横峯さくらが10位と大健闘。この順位は自信を持っていいと思います。
次の全英女子オープンを優勝を目指してほしいと思います。

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いろいろ話題を提供してくれますね、プロゴルファーは。 2010年7月9日金曜日 15:28

 今週は宮里藍が、悲願のメジャー初優勝を目指す全米女子オープンがはじまりました。今年は米国本土での優勝に続き、世界ランキング1位にもなりました。飛躍的に世界のトップゴルファーに登りつめようとしている藍ちゃんにとって、それこそメジャー初優勝を目指す絶好のチャンスです。初日を終わってトップと4打差の22位。いいポジションではないでしょうか?今週また眠れない日が続きますが、ワールドカップに負けずに応援したいものです。
 一方藍ちゃんと同じ東北高校出身の有村智恵は、あわや出場キャンセルの事態になるところでした。日本人の悪い癖で英語で話しかけられると、なんでもかんでも”YES”と答えてしまうのですね。彼女も練習ラウンドをキャンセルしに行ったところ、本戦もですか?と英語で聞かれ、そんままの勢いでYESと答えてしまったようです。「英語ができない、というのはこんなところで問題になるのですね」とコメントしていましたが、三平に言わせれば「当たり前だろう、どこの国のトーナメントに出ているんだ」と怒りまくりでしょう。
三平をマネージャーにしなくてよかったですね、有村さん。でも英語の準備はしっかりやっておいてください。その点、石川遼君、藍ちゃんの英語はしっかりしてきましたね。こうでなくちゃあ。
 そういえば青木功さんの英語は面白かったです。たまたまパーティーで一緒になった、シニアの米国賞金王のへール・アーウィンに聞いたことがあります。「青木さんの英語は大丈夫ですか?」と。そうしたら彼は、「イサオの英語はもちろんわからないよ、でも何を言おうとしているかは全部わかるよ」というものでした。青木さんも見事なものです。相手が青木さんに合わせてしまうのです。有村さんもここまで来るには、20年以上かかるでしょう。でもゴルフも英語も頑張ってください。
 しかし一方日本の男子プロは情けないですね。、片山が失格しました。しかも提出スコアカードに名前を書くのを忘れたそうです。先日丸山茂樹もやっていました。これは本当に情けない話です。三平がマネージャーなら、「バケツ持って外で1時間立ってろ!」と言ってしまうでしょう。本当に三平はマネージャーをやっていなくてよかったと思います。それにしても情けないです。
 今週もいろんな意味で話題を提供してくれるプロゴルファー達です。明日からはいい話題を提供してほしいですね。

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いよいよセントアンドリュース攻略に向け石川遼が始動 2010年7月6日火曜日 16:14

 石川遼が、全英オープンの前週に開催されるスコットランドオープンに出場しています。開催コースはロッホローモンドGC。(新聞報道ではロックローモンドになっていますが間違いです。ロッホはスコットランド語で湖の意味です)今回は0番アイアンなるものを使い、リンクスコースの風対策に対処しようということのようです。低い弾道で転がるクラブということで考えたのでしょう。面白いかもしれませんね。でもどうしてこのコースを練習に選んだのでしょうか?厳しいリンクスの海風に対処しようとしているのならこの選択は間違いです。セントアンドリュースの厳しい風を攻略したいなら、トム・ワトソンやタイガーのようにアイルランドのコースや他の海沿いのリンクスコースを選ぶべきだったと思います。このロッホローモンドは、グラスゴーから約1時間ほど北に行ったところの林間コースです。美しい湖があり、国立公園にもなっている風光明媚なところですが、風はそれほどでもないところです。三平もこのコースには3度ほど行っていますが、設計がトム・ワイスコフで英国に造られたアメリカンスタイルのコースです。アメリカンスタイルのコースですから、スコットランドのリンクスコースとは、全く違います。風はもちろんのことグリーンのスピード、そして何が一番違うかというやはりフェアウエイの広さとバンカーです。ロッホローモンドのバンカーは、入ってもグリーンを狙えます。しかしセントアンドリュースのバンカーからグリーンを狙うというのは至難の技です。間違いなく1打多くなります。ですからバンカーをいかに避けるかが勝負になるのです。そういう意味でも、できればセントアンドリュースより風が強いカヌースティーやアイルランドのバリーバニオンあたりで練習に集中したかったですね。でも期待しましょう。

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強い池田勇太が戻ってきた、そして次はセントアンドリュース 2010年7月5日月曜日 15:03

 今年は春先から海外遠征でプレーしてきた池田勇太が、やっと国内で優勝しました。もちろん時間の問題だと思っていましたので、そうあせることもなかったでしょう。それよりマスターズ前からアメリカでの転戦は彼にとって、肉となり血になって、さらにスケールの大きなゴルフをするようになりました。池田だけでなく、石川遼の全米オープンのプレーを見てもわかるように、大胆かつ細心のゴルフができるようになりました。これははっきり言ってトーナメントコースの違いです。ティーショットからグリーン上のピンポジションを意識しなければいけないコースセッティング、そしてある方向からしかピンに近づかないようなピンポジションのセッティング。バンカーに入れば、必ず1打は覚悟しないといけないハザード。やはり世界のトッププロの技をいかに引き出すか、ということを必死で考えてトーナメントの設営を行っているかどうか、の違いです。日本のあるトーナメントでは、飛んで曲がる石川遼のために、彼が打つと予想されるラフを刈り込んだなどという話は有名ですが、米国ではこんなことは絶対にあり得ません。プロ達がトーナメントディレクターが設定する難関に遭遇した際に、いかに脱出するか、どんな技で乗り越えるか、この戦いが面白いのです。うまく難関から脱出した時のショットは、スーパーショットになることが多いのです。これを見ることができるから米国のトーナメントには大勢のギャラリーが駆けつけるのです。感動の嵐になることが多いからです。しかしイージーショットでいいスコアが出るコースでは、スーパーショットなど生まれるわけがありません。マスターズでは毎年タイガーのスーパーショットに対処すべく、改造が行われます。タイガーに逆に試練を与えているのです。石川遼の中日クラウンズでの58は、確かにスコアはスーパーショットです。しかし彼のサンドウエッジ以外のショットでスーパーショットはあったでしょうか?彼の技量ははるかに日本のコースよりも上を行っているのです。
 そんな米国での今年の修行を終えた池田勇太が優勝しました。圧倒的強さでした。一時全米オープンでのダスティン・ジョンソンになってしまうのではないか、と思われる時もありましたが、しかしすぐ立ち直り、前週優勝の薗田につけ入れるすきを与えませんでした。これも米国での修行の成果でしょう。
 次は全英オープンです。米国のコースとはまた全く違う自然との戦いを強いられるセントアンドリュースオールドコースの罠とどう戦うか、見ものです。石川遼とともに旋風を巻き起こしてほしいものです。

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