着実に能力を高めている石川遼、18歳 2010年7月20日火曜日 13:08

 全英オープンでの石川遼は、順位こそ27位でしたが確実に成長していることがわかるゴルフをしていました。今年のマスターズ、全米オープンでは、窮地に立つとネガティブシンキングのなるのか、スイングが変わり、パットもぎこちなくショートパットなどをはずしていました。もちろん18歳の彼が、世界の大舞台でプレーするのですから緊張しないほうがおかしいかもしれません。しかしドライバーの飛距離やアイアンの技術的なところは他の海外の選手と比較しても遜色がありません。問題は体力と精神的な弱さにありました。これは誰が見てもわかりましたし、本人もそうコメントしていました。青木功さんが解説でも言っていましたが、
疲れがピークになる3日目が最も大事なラウンドになる、ということです。やはり3日目は石川遼も最後はスコアを崩していましたが、それを最終日どうリメイクするか、がキーポイントだったのです。風との戦い、112もあるスコティッシュバンカーとの戦いは半端じゃなかったと思います。しかし一旦は40位以下に落ちた順位を27位まで引き上げていました。風との戦いに慣れたのか、ゴルフ発祥の地ということで素直な神聖な気持ちでゴルフに取り組むことができるようになったのか、いずれにしてもしっかりと全米オープンのころのゴルフからさらに体力的にも精神的にも成長させたゴルフを見ることができました。
 体力と言えば、青木功さんの面白いコメントがあります。通常「心技体」という格言がありますが、ある日アメリカでのシニアトーナメントに応援に行った際、突然、「あのさ、『心技体』、という言葉があるよな、俺さ、逆じゃねえかと思うんだけど、『体技心』だと意味がよくわかるんだよな。」と言ったのです。つまり体力に不安を持ったままじゃ、技術的にも中途半端になるし、精神的にも不安になって、落ち着かない。逆にしっかりとした体力に自信があると、それに裏付けされた技術が発揮されるし、精神的にも非常に安定した中プレーできる。だから青木さんの場合、体技心、というのがしっくりくる、ということなんですね。
 これは青木功の実感としてのことなので、非常に説得力があります。石川遼に必要なのはこの『体技心』なのです。これをきちんと身につけていれば、今後の海外のトーナメントも十分上位を狙えるだけのものを体得したような感じですね。
 残念だったのは、やはり全英オープンの前週の過ごし方です。内陸部のロッホローモンドではなく、風の強いカヌースティーやセントアンドリュース、ロイヤルトゥルーンのような荒々しいスコットランドの風を体験してゴルフ発祥の地、セントアンドリュースの戦いに臨んでほしかったですね。でも来年以降まだまだチャンスはいっぱいあります。そのためのゴルフの蓄積をしていけば、必ず花開きます。青木功さんも米国ツアーで優勝したのは77試合目です。石川遼がメジャーを制するその時を三平も楽しみにしています。

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