強い池田勇太が戻ってきた、そして次はセントアンドリュース 2010年7月5日月曜日 15:03
今年は春先から海外遠征でプレーしてきた池田勇太が、やっと国内で優勝しました。もちろん時間の問題だと思っていましたので、そうあせることもなかったでしょう。それよりマスターズ前からアメリカでの転戦は彼にとって、肉となり血になって、さらにスケールの大きなゴルフをするようになりました。池田だけでなく、石川遼の全米オープンのプレーを見てもわかるように、大胆かつ細心のゴルフができるようになりました。これははっきり言ってトーナメントコースの違いです。ティーショットからグリーン上のピンポジションを意識しなければいけないコースセッティング、そしてある方向からしかピンに近づかないようなピンポジションのセッティング。バンカーに入れば、必ず1打は覚悟しないといけないハザード。やはり世界のトッププロの技をいかに引き出すか、ということを必死で考えてトーナメントの設営を行っているかどうか、の違いです。日本のあるトーナメントでは、飛んで曲がる石川遼のために、彼が打つと予想されるラフを刈り込んだなどという話は有名ですが、米国ではこんなことは絶対にあり得ません。プロ達がトーナメントディレクターが設定する難関に遭遇した際に、いかに脱出するか、どんな技で乗り越えるか、この戦いが面白いのです。うまく難関から脱出した時のショットは、スーパーショットになることが多いのです。これを見ることができるから米国のトーナメントには大勢のギャラリーが駆けつけるのです。感動の嵐になることが多いからです。しかしイージーショットでいいスコアが出るコースでは、スーパーショットなど生まれるわけがありません。マスターズでは毎年タイガーのスーパーショットに対処すべく、改造が行われます。タイガーに逆に試練を与えているのです。石川遼の中日クラウンズでの58は、確かにスコアはスーパーショットです。しかし彼のサンドウエッジ以外のショットでスーパーショットはあったでしょうか?彼の技量ははるかに日本のコースよりも上を行っているのです。
そんな米国での今年の修行を終えた池田勇太が優勝しました。圧倒的強さでした。一時全米オープンでのダスティン・ジョンソンになってしまうのではないか、と思われる時もありましたが、しかしすぐ立ち直り、前週優勝の薗田につけ入れるすきを与えませんでした。これも米国での修行の成果でしょう。
次は全英オープンです。米国のコースとはまた全く違う自然との戦いを強いられるセントアンドリュースオールドコースの罠とどう戦うか、見ものです。石川遼とともに旋風を巻き起こしてほしいものです。
ラベル: 雑記録