一つの時代の転換期を迎えた全英オープン 2010年7月19日月曜日 12:44


 今回の全英オープンの結果を誰が予想できたでしょうか?タイガーが不発でなかなか浮上せず、ミケルソンもエルスも全く上位に来ませんでした。ジョン・デーリーやカルキャベッキャなどの往年の名選手が途中までスコアボードをにぎわせましたが、活躍した頃とは程遠い身体を見るまでもなく、終盤消え去りました。後半2日間急激のバーディーラッシュに入ったのが、南アフリカのウエストへーゼン、と地元スコットランドのポール・ケーシーでした。しかしウエストへーゼンは、最終日2位に途中8打差も付けてしまっては、勝負あったも同然。最終日前半でウエストへーゼンの優勝が決まった勝負展開でした。後半はTV解説者の皆さんもウエストへーゼンのトラブルショットが出ないか、ポール・ケーシーのスーパーサプライズショットが出ないか、というような、言わば異常事態を期待するようなコメントになりました。青木功さんに至っては、昔はこんな感じじゃなかった、というような昔話に入っていました。過去こんな展開になった全英オープンは初めてじゃないでしょうか?開催コースがゴルフ発祥の地セントアンドリュースじゃなかったら、話題にも事欠いたような気がします。
 でもこれはウエストへーゼンの素晴らしさを褒め称えるべきではないでしょうか?また今回教訓だったのは、優勝したウエストへーゼンは、南アフリカのスーパースターE・エルスのジュニア基金で育った選手だということです。後継者を育てるということがいかに大事か。米国もタイガーの基金はすごいものがありますし、欧米の各国も次代を担う若手を育てることに関して、非常に積極的です。そういう意味でも時代の転換期を感じざるを得ません。日本ではこのようなジュニア基金など聞いたことがありません。もちろん青木功ジュニアスクールなどがありますが、石川遼などの例を見るまでもなく、自分達で頑張って這い上がっていくジュニアしか出てこないのが現実でしょう。タイガーも熱心な父親が、子供の教育のために取り入れたゴルフが花開き、タイガーの才能を引き出しています、。石川遼も全く同じでしょう。しかしこれは稀有な例です。
 今回の全英オープンで得たこの後継者教育という教訓を、日本のゴルフ関係者はどれだけ意識を持つことができるでしょうか?そういう意味では意義深い大会でしたね。

ラベル: