偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナー その6 2010年5月31日月曜日 14:53


 「なぜパットの練習はおろそかにされるのだろうか?」
    ジャック・バーク(1923~)

 ゴルフはボールをカップに入れるゲームです。あなたの14本のクラブの中でボールをカップに入れるのはパターだけなのに、なぜパットの練習をおろそかにされるのでしょうか?
「ドラーバー・イズ・ショー パット・イズ・マネー」ということわざがあります。それだけパットは、スコアメイクの上で、大切な要素だということです。そのことを、マスターズや全米プロなどメジャーにも優勝している名プレーヤーのジャック・バークが多くの人の練習を見ていてある意味苦言を呈しているのです。
 どれぐらいパターが重要か、それはスコアそのものを分析すると良く理解できます。
 たまたま18ホールでパー72のコースでパープレーするとしたら、パー4ならショットは2でパットも2、パー5ならショットが3でパットが2で、ショットが1つ多くなります。パー3では、ショットが1にパットが2とパットが1つ多くなります。つまりパー72ならば、ショットが36、パットも36と半々になるわけです。またドラーバーショットは、パー3の4ホールを除く14ホールでしか振らないことになります。それに対してパットは36回も打つことになるのです。練習場に行くとドライバーばかり練習している人がいますが、スコアメイクするのは、36回も打たなければいけないパットのほうです。
 これだけパットが重要なのになぜパットの練習は一番後回しにされるのでしょうか?とジャック・バークが皆さんに疑問を投げかけているのです。
 家の絨毯でもいいですから、毎日5分でもボールを転がしましょう。スコアメイクにはきっと役立つと思いますよ。

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韓国勢強し。お待ちどう様、全美貞が優勝  13:19

 先週のツアーは男女とも韓国勢が優勝。韓国勢強し、を大いにアピールしました。女子の全美貞は、貫禄の優勝でヨネックスレディース2連覇。アーニー・エルスばりのゆったりした大きなスイングで、スケールの大きなゴルフが彼女の特徴。人間的にも魅力あふれる人物と誰もが言います。序盤戦もっと早く優勝するものと期待したファンもいると思いますが、そうあわてなさんな、とでも言いたそうな、余裕のスタートを切ったという感じですね。彼女のプレーぶり見てもいつでも優勝できるんだという自信のようなものを感じさせるプレーぶりでした。賞金女王を狙う横峯さくらや古閑美保、不動裕理らにとっては最大のライバルのような存在でしょう。
 一方男子の金庚泰は、日本ツアー初優勝ながら、なんと日本アマに2回も優勝している強豪なんです。この優勝は遅い、と言われるほどのゴルファーなんですね。こちらも石川遼、池田勇太両プロの最大のライバルとなるに違いない存在なのです。
 しかしそれにしても韓国勢は強いですね。最近いろんな人達からよく聞かれるのは「どうして韓国のプロはこんなに強いんですか」という質問です。同じ質問を直接韓国のプロに質問をするのですが、「いつも真剣勝負なんです、心意気が全然違うと思いますよ。」という答えばかり帰ってきます。いや日本のプロだって同じ
ように真剣勝負しているはずですよね。
 確かに負けたくない、という気質は韓国の人のほうが強いかもしれません。負けたくないという思いは、練習をする気持ちも違うでしょうし、練習量も違ってくる、なんとかして勝ってやろうという気構えがあるとないとでは、トーナメントでプレー中もずいぶん違ってくるでしょう。
 青木功選手も日本人ながら、「俺も負けず嫌いだと思う。アメリカからちょっとやってきてガバーっと賞金を持っていくアメリカ人を見ていて、今に見てろよ、と思って自分もアメリカに行ったんだよ。目的は、持って行かれた賞金を取り返そうと思ったのがきっかけだよ。それでアメリカに渡ろうと決心した。」と言っています。
 目的がはっきりすれば誰だってその目的に向かって何とかしようとする。この心意気が韓国の選手のほうがややまさっていることがあるようですね。
 日本人も17歳の遼君の後輩浅地君が9位に入りました。日本人で遼君に続く新人も出現しました。遼君を始め、若い力に期待しようではありませんか?

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不動裕理が2年ぶりに優勝。ゴルフはスコアじゃないんですよ。 2010年5月24日月曜日 15:29

 33歳の不動裕理が一昨年10月の富士通レディース以来の優勝を飾りました。47勝目です。46勝目から33試合目の優勝でした。いつ優勝してもおかしくなショットをしていましたし、精神的にも強い彼女ですから、こんなに優勝の間が離れていたのか、と改めて感じました。最近は20台前半の選手が台頭し、優勝争いを始めてました。こんなこともプレッシャーを感じたのでしょうか?でも今回いいコメントを残してくれました。「ゴルフはスコアじゃないんですよ。調子が悪くても一生懸命やればいいんです。」さすがに、過去6回賞金女王に輝いている不動の珠玉のコメントだと思います。まるでボギー三平の偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナーその5を読んだかのようなコメントでした。
 彼女も練習の虫です。以前優勝した際に、お祝いのお花を贈りたいけど、どこに送ればいいかな、と本人に聞いたことがあります。そうすると彼女は、即座に「すいません、できれば家の近くの練習場にお願いできますか?そこに1日中いますから。」という答えでした。なにげに了解、と言ってすぐ電話を切ってしまったのですが、よくよく考えたら、優勝した翌日も1日中練習しているんだ、と気が付きびっくりしたことがありました。
 ミスしても崩れず、精神的にもへこたれない、強い不動裕理が帰ってきました。また女子のトーナメントが面白くなりますね。

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誤解されているゴルフのイメージ 2010年5月21日金曜日 12:59


 宮崎県の牛の口蹄疫で大騒ぎのさなか、農水省大臣が海外出張中にゴルフをしていた、とテレビで批判され、それがまた誤った情報だったと訂正、謝罪が各テレビ局で流れました。しかしどうしてこんなお粗末な話が世の中で展開されるのでしょうね。こんな時、必ずやり玉に挙げられるのがゴルフです。その昔、ハワイで高知県の高校の練習船が潜水艦と衝突して沈没した事故が発生した時に、時の森総理がゴルフの最中で、ニュースを聞いてもプレー終了後に官邸に戻ったと非難の嵐になった事件も記憶に残っているかと思います。
 やはりこの時もゴルフが問題になりました。どうしてゴルフをしている時に特に問題になるのか、ボギー三平も不思議に思いますし、こんな非難を浴びてしまうことに対し非常に憤りを感じます。
 米国の代々の大統領はゴルフが好きな方が多く、ゴルフ場で記者会見したり、声明を出したりするということもあるようです。公的にもゴルフをしながら会談ということもあるでしょう。また英国に行けば、「ロイヤル」という冠のついたゴルフ場がいくつかあります。これらは、英国王室認定のゴルフコースで、いわば日本で言えば宮内庁御用達というような存在でもあります。
 しかし我が日本では、ゴルフは特別の存在と見られる時があります。先般の農水大臣の時も、森総理の時も、まるで犯罪を犯したように各マスコミから非難されるのでしょうか?ここに大きな誤解があるように思います。税金面でも各自治体に大きく貢献し、地域雇用にも貢献、銀行でさえ、このゴルフ場で大きな収益を上げているのが実態なのです。米国では、ゴルフ場のオーナーやホテルのオーナーは社会的地位も高く見られますが、日本ではお金持ちの趣味の延長で所有している、というような見方ぐらいしかされていないようです。この差は一体何なのでしょうか?不思議です。
 さらに米国では、プレジデントカップというような米国と海外の選手との対抗戦を主催していたりもします。すべて大統領の招待のトーナメントです。ゴルフは欧米ではこれほど社会的にも認知されているんです。
 以前ボギー三平は、スペインのバルデラマで開催されたライダーカップ(米国とヨーロッパの対抗戦)の取材に行った際、タイガー・ウッズの組のプレーを見ていたのですが、三平の横で芝の上に座っていたのが何と、米国元大統領(父親のほう)のG.ブッシュさんでした。三平は、どこかで見たことあるなと思いながら、ブッシュさんとは気がつかず、タイガーは、いくつでしたか?などと平気で会話をしていたことがあります。やたら米国の国旗を振って応援しているなと思ってはいましたが…。こんな姿を見ていてもこれほどまでにゴルフは人気があるんだなあと感じます。後でブッシュさんと気がついてびっくりしましたが、この時のブッシュさんの表情を思い出すと日本と欧米のゴルフに対する認識が大きく違うな、と感じざるを得ません。どうしたらこの日本のゴルフに対するイメージを変えられるのか、それがボギー三平のこれからの課題だな、と思う今日この頃です。閑話休題。

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偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナー その5 2010年5月17日月曜日 12:44


『基本を身につける前にスコアをつけようとするのは、歩き方を覚える前に走ろうとするのと同じで、全く馬鹿げた行為だ』   ジーン・サラゼン(1902年~1999年)

 日本でも、その名前が冠トーナメントになったこともある、おなじみのジーン・サラゼンさんは、ゴルフに対しては厳しい方でした。第2回マスターズで奇跡のショットと言われるパー5でのダブルイーグルで優勝、世界初のグランドスラマーとなったゴルファーです。またサンドウエッジの発明者としても有名です。不肖ボギー・三平もサラゼンさんのフロリダのご自宅まで行ったことがあります。その時は3日間フロリダに滞在し、サラゼンさんの設計したコースでゴルフを楽しませていただいたり、お孫さんと釣りに出かけたり、と楽しいひと時をすごさせていただきました。
 そのサラゼンさんの厳しいゴルフの教えです。
 日本人ゴルファーはスコア至上主義とよく言われます。練習場にもろくに行かず、ぶっつけ本番でプレーに行き、すぐスコアカードに記入しようとします。その点、アメリカやゴルフ発祥のイギリスのゴルファーは、スコアカードに記入するのは競技の時だけで、プライベートでのプレーの時は、和気あいあいとスコアよりショットを楽しむゴルフをする傾向にあります。日本は、プレー代も高いというイメージがあるのか、スコアをつけないと損だというイメージがあるようです。しかしサラゼンさんは、このことが上達を妨げることになると警鐘を鳴らしているのです。
 スコアを付けるということは、自分の体と心を縛ることになるからだそうです。ボールを打つ技術が上達し始めてからは、その上達を計る意味と今度は競技を楽しむ意味でスコアを付けることをお勧めする、ということになるわけです。しかしサラゼンさん曰く、スコアを付けるのは、体と心の開放感を感じながらのびもびプレーできるようになってからでいいのです、ということです。
 「上達したかったらコースで、ペンシルを捨てろ」というスコットランドのことわざもあります。練習場でみっちり基本を身につけ、コースに出た後も、しばらくはスコアをつけず、実戦で技術を磨く、これが正統派のゴルフ上達法ですよ、とサラゼンさんは主張しているのです。三平も反省しなくてはいけませんね。ゴルフを始めて30年、スコアを付けないと言ったら、もう三平の悪ゴルフ仲間達はは許してくれません。
これからの上達はないかもしれませんね。(さびしい…)
 

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練習の賜物、横峯さくら今期初優勝!  10:16

 昨年の賞金女王の横峯さくらが今季初優勝しました。前週のワールドレディースでも好調なプレーをしていたので、優勝も時間の問題だなと思っていましたが、簡単に優勝しました。なんか日本の第一人者というような貫禄もついてきましたね。この優勝は、彼女にとっては当然の結果だと思えるかもしれません。と言いますのも、彼女の練習の量が半端じゃないのです。彼女のスウィングを見るとはっきり言って、それほど華麗な流れるようなスウィングではないですよね。でもプロから見れば、あれは大変な練習をした結果のスウィングだよ、とわかるのです。ゴルフ理論というより何発もボールを打ち、数多くのスウィングを経た結果作り上げた彼女独特のスウィングなのです。数十m先に1本の竹を立て、ドライバーで打ったボールをその竹に当てるように、何回も何回も練習したといいます。ドライバーは飛距離を伸ばす練習だけするのは一般的ですが、正確性まで鍛えていたんですね。
 フンドーキンレディースで優勝を決めたのも、16番パー5での2オンのバーディーです。正確で飛距離が出るドライバーとスプーンで2オンを決めた結果のバーディーです。今やドライバーは彼女の最も得意な武器となりました。
 これで思いだされるのが、現日本女子プロ協会会長の樋口久子さんです。彼女の得意クラブもドライバーでした。彼女のスウィングも独特のフラミンゴ打法。世界中のプロ達からも、あのスウィングは真似できないと言われたスウィングです。彼女も半端じゃない練習で作り上げたスウィングです。1日中ドライバー1本を朝から晩まで打っていたという話をよく聞きました。
 また青木功さんのガムテープ練習も思いだされます。この話はまた別の機会に書きますが、フックボールの癖をフェードボールに直すのに、グリップをフェードボールの形にし、それを動かないようにガムテープでグルグル巻きにして、1日中打つという練習を何日もしたとよく食事の席で何度も聞かされました。
 その結果二人とも世界のゴルフ界でも活躍できたんですね。横峯さくらもだんだんこの二人の領域に入ってきたような気がします。優勝のコメントも「自分でも成長したと思います。」言っていましたが、これは練習の結果の自信の表れなのでしょう。
 私的にも、賞金を宮崎の牛の口蹄疫対策にも1200万円という寄付金を行っています。これも純粋に評価していいのではないでしょうか。彼女の人間性が出ているような気がします。
 この大会も2位以下が米国ツアーから引き揚げてきた韓国、台湾の選手ばかりです。これらの強豪と今年は
熾烈な戦いを強いられることになります。横峯さくらが日本のけん引者となって頑張ってほしいと思います。

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ゴルファーの心を和ませるゴルフ場の花々 2010年5月11日火曜日 17:44


 荒れていた今年の春先の天気がやっと落ち着いてきましたね。各ゴルフコースの花々もやっとほころび、芝草や木々の葉っぱも輝く緑になってきました。こうなると少しスコアが悪くても心は和みますね?(え?そんなことはない、ボギー三平は下手だからそんな悠長なことを言っているんだ、と叱られそうですが。)
 そんな声は無視して、見事なゴルフコースの花々を楽しんでいただきたいと思います。
 ゴルフコースは、まず冬から春に移る時期に真っ白なコブシや雪柳が咲きます。三平もこの時期はもうすぐ春だね、と感じながらティーに立ちます。そのあと数週間で、華やかなモクレンが私の出番だとばかりに咲き始めます。有名なのは、マスターズ開催のオーガスタナショナル5番ホール。マグノリアレーンの愛称で呼ばれるモクレンの並木は見事なものです。
 そしてこの後、日本のコースには桜が続きます。千葉県の鷹ノ台GCや東京の桜ケ丘GCなどの桜はそれこそ見事の一言です。花見ゴルフにゴルファーが殺到する時期でもあります。次が、ツツジやサツキですね。濃い緑の葉っぱで衝立のようなツツジの木々から一斉に咲き乱れ、一気にコースの主役になってしまいます。ゴールデンバレーGCの池際やクリークの横にあるサツキは難度の高いコースの中にあってもゴルファーを一瞬にして癒します。紫香楽国際CCの林間に謙虚に咲く紫のヤマツツジはまた艶やかです。京都の舞妓さんの着物の柄に見立ててシャッターを押す人が後をたちません。
 さらに三平が大好きなハナミズキの花が優雅に咲き始めるとそろそろ初夏になり、男性は半袖、女性のウエアも薄くなり世の中が華やかになる季節になります。(ちょっと三平さん、どこを見てるんですか)
 いや相変わらずスコアが悪くて、その心をゴルフコースの花々に癒してもらっているんですね。散歩だけでもゴルフコースを歩く価値はあります。
 この後は、夏のサルスベリやキョウチクトウに続き、秋の紅葉に続いて行くんですね。
 是非ゴルフだけでなく、各ゴルフコースの緑と花々も楽しんで、スコアですさんだ心を癒していただきたいと思います。

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ついに出てしまった「遼君がつぶされる」の声  17:01


 今週発売の週刊ポストに、「日本ゴルフ界に集(たか)られて石川遼が潰される」という記事が出ました。ボギー三平は、いつかは出るだろうなあ、と思っていた記事です。トーナメント界、用品界などゴルフ界がこぞって石川遼君におんぶにだっこで、彼を山車にして人気を得ているのが実態となっています。もし何かの拍子に遼君が倒れたり、全くショットがだめになったりしたらどうするんでしょうか?この記事の心配はもっともな話なのです。いつこのような記事が出るのかと心配になっていました。この記事にあるように、遼君のスウィングは、まだまだ発展途上なのです。これから身体も伸びていきますし、変化もする。それに合わせてスウィングもアジャストしていかないといけない。コースマネジメントももっと勉強しないといけない。また他のプレーヤーとの駆け引きも覚えないといけない、などと彼にはいろいろやることがまだまだいっぱいあるのです。これを克服していくにはしっかりとした練習をしていかないとだめなんです。
 それなのに、芸能人のキムタクを超えるCM契約をしているとも言われます。今や何と21社もCM契約をしているんですね。このCM撮りをする時間だけでも大変な労力です。
 驚いたのは、プロゴルファーの選手会の副会長に遼君を選出したことです。これも遼君人気にあやかろうとしている選手会の意図が見え見えですね。彼はまだ18歳ですよ。こんなことでいいのでしょうか?
 青木功プロが、ある米国のシニアトーナメントに出場していた時に、いきなりこう言ったのです。「おい、最近いろいろ考えるんだけど、『心技体』という言葉があるよね?でも俺は実感として、『体技心』じゃないかと思うんだよ。きちんとケアされた身体じゃないと技は身につかないし、心理的にも落ち着かない。心が先じゃないと思うんだよね」としみじみ言っていたんですね。三平はまさにこれは青木プロのこれまでの40年以上もの間トッププロとして第1戦で戦ってきた経験から出た真実ではないかと思いましたね。
 このことは遼君もしっかりと認識すべきですし、むしろ彼の関係者のほうが認識する必要があることだと思います。今や彼は日本が生んだ宝です。この宝をもっと大事にすべきですね。このポストの記事は、いい意味での警鐘だと思います。

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三塚優子プロ事件で改めて考えたいプロゴルファーという職業 2010年5月8日土曜日 11:14

 ワールドレディース選手権での三塚優子プロ事件は、プロゴルファーの役割、職業というものを改めて再確認させられる事件でしたね。ある女子プロからまた連絡があり、「今回の件は、一般の皆さんはどう感じたのでしょうか?」と質問してきました。ざっくばらんに言って、子供にさえ、「三塚お姉ちゃん、こんなことしたらだめじゃないの?」と叱られてしまうような恥ずかしい行動ですよね。賞金を出しているスポンサーや入場料を払って見に来ている人たちにどういう言い訳をするのでしょうか?「すいません、切れてしまいました」と言ってしまうのでしょうか?
 三塚プロは女子プロ界でも将来を嘱望されたプロです。その豪快なショット見るとわかるように、いわゆる『華』があるプロです。彼女を目当てに楽しみに来ているギャラリーもたくさんいたと思います。そんな期待のプロなのに、自分の取った行動に不本意なペナルティーを科せられただけでプレーを投げ出してしまう、という行動は、さすがに恥ずかしい行動です。
 プロゴルファーという職業の役割、プロゴルファーという職業が誕生した歴史をここでもう一度勉強する必要がありますね。
 簡単に言えば、プロゴルファーというのは、ゴルフのプロです。つまりゴルフのあらゆることに関するプロということですから、プレーの技術的なことはもちろん、ルールマナー、クラブやボールなどのグッヅ、ゴルフ場のこと、芝に関すること、ゴルフの歴史、ゴルフが育てる人間的な気質、自分自身が審判というゴルフの競技に対する公平性を持った人間性など、ゴルフに関するあらゆることをマスターした人たちに対する称号なのです。だから尊敬され、一目置いた存在として見られるわけです。
 米国の辛口コメンテーターなどは、不祥事を起こすプロたちに対して、あの人たちは、プロゴルファーではなく、トーナメントプロだ、という表現をすることがあります。つまりプレーの技術だけマスターした人たち、という一種の蔑んだ言い方です。よく自動車の運転にたとえる事もあります。運転技術をマスターしていても、交通ルールやマナーをマスターしていなかったら、世の中交通事故だらけになってしまいます。
今回の事件は、まさにこのことなんですね。
 ここはやはり女子プロ協会も、女子プロの資質に対する教育もきちんとすべきだと思います。三塚プロの豪快なスウィングを見たいという人も大勢いるわけですから、きちんと反省し、本来のゴルフマインドを身につけ、早く戻って活躍することを期待したいですね。

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偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナー その4 2010年5月6日木曜日 15:21


 『ゴルフは左手のゲームである』
 ボビー・ジョーンズ(1902~1971)
 
 ボビー・ジョーンズは、アマチュアながら当時の世界4大メジャートーナメントに優勝し、そのアマチュアのまま引退した伝説のゴルファーです。引退後故郷のジョージア州オーガスタに帰り、オーガスタナショナルを建設し、世界の祭典マスターズを創設したのです。世界でただ一人、球聖と称される偉大なゴルファーなのです。
 そのボビー・ジョーンズの究極の言葉がこれです。ゴルフスウィングは一体左右どちらの手を主体にするのか?この議論はかなり古くからあったのですが、球聖のこの言葉によって一応議論の結論になった言葉です。
 ジョーンズが、左手に重要性を実感したのは、英国のサニングデールにおいての練習ラウンドにて、66のスコアを出した時だそうです。方向を決めるのは左手の役目、右手を使って飛ばしたとしても、曲がっては何もならない、と喝破した、ということです。つまり右打ちの人にとって、船に例えるなら左手が方向舵、右手がエンジンだということですね。左手のスウィングをきちんと覚えた人が上達が早い、ということになるわけです。
 その後異論も出ました。スペインの名手セべ・バレステロスやジャンボ尾崎の師匠として名高く、鬼才と呼ばれた戸田藤一郎などは右手重要論者でした。しかし現在では、やはり左手優先主義となっています。今や人気解説者となった羽川豊プロなどは、「右手のリードでスウィングするように!などというレッスンプロがいたら、すぐそこのスクールは辞めなさい」とまで言っています。
 重要なことは、器用でパワーを出せれる右手以上に、左手を強靭にすることが皆さんのゴルフの上達を早めることになるということですね。このことは頭の隅に絶えず置いておいてください。

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タイガー・ウッズの予選落ちをどうみるか? 2010年5月5日水曜日 18:23


 遼君が世界最小打数を記録した2日前、あの世界ランキング1位のタイガーが予選落ちしました。遼君の記録がものすごい記録なので、タイガーの予選落ちが影が薄くなってしまいましたね。しかし世界のゴルフ界にとっては、やはり衝撃的なニュースなんです。ボギー三平もショックでした。
 前回も話ましたが、ゴルフはメンタルスポーツですから、私生活での混乱があったりするといい結果が出るわけがありません。皆さんもそうでしょう。家庭や私生活で何かゴタゴタがあったら、仕事に影響するのは経験済みでしょう?え?そんなこと三平に言われる筋合いはない?そうですね、失礼しました。余計なことでした。
 話は戻しますが、さらにタイガーには、長いブランク期間もありましたよね。いくらいいティーチングプロのハンク・ヘイニーが付いているとは言え、スウイングも万全ではないと思います。あの、三平が時々やるようなショートパットのはずし方は、尋常じゃありません。しかしタイガーはタイガーですよ!と主張なさる方もいるでしょう。やはりさらにもう一つ理由があるのです。
 それは、米国のトーナメントコースは、そんなに甘くないのです。最高に充実した精神と強靭な肉体をもったゴルファーが何人も参加し、しかも皆さん得意の結果オーライなどということはありえないのが米国のコースなのです。例を言えば、毎日変わるピンポジションには、バーディーが取れるラインというのは1本しかないように設計がされているんです。そのラインに付くようにセカンドショットやサードショットを打たないといけない。さらにそのショットを打つために、ティーショットもそこに行くように計算しないといけない。
こんなコースばかりなんですね、米国のトーナメントコースというのは。でもこれが本来のゴルフコースなのです。こんなコースと戦わないといけない訳ですから、冷静かつ緻密な計算が必要なんですね。それが今のタイガーには最も必要なことなんです。
 このコースの設計については、また改めてボギー三平流の解説をさせていただきますが、いずれにしてもタイガーには、早く精神的に立ち直り、自信をもってパッティングができるようになった時点で、チャレンジすることを願いたいですね。

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宮里藍ちゃんにもう1回期待したい。 2010年5月3日月曜日 14:58


 遼君の世界最小記録で日本のゴルフ界が話題沸騰している中、メキシコから藍ちゃん優勝、というまたすごいニュースが入ってきましたね。うれしいですね。実は、ボギー三平が、あるクラブの会報に「藍ちゃんは、3年後から勝ち始める」予言したことがあるんです。その理由は、日本のコースと海外のコースは、グリーンがかなり違うんです。セカンドショット、いやティーショットからグリーンのピンポジションの位置を意識してショットしないとバーディーが取れないんですね。プロは、バーディーと取っていかないと話になならい。
そういう意味で、欧米のコースのグリーンに慣れるのは、3年ほどかかるのではないかな、という予想だったのです。昨年1勝、そして今年はもう3勝です。
 まさにその通りになったのです。藍ちゃんが米国に行ったばかりの頃は、お酒の席でなぜかゴルフ仲間の悪友達にずいぶん絡まれました。「優勝しないじゃないかよ」と。全くこんな絡まれかたは、意味不明なんですが、みんな藍ちゃんの優勝を期待していたんですね。でも三平は「3年待ってよ、必ず勝つから」と言い続けてきたんです。
 その通りになって本当にうれしいですね。
 しかしこれで満足していてはだめです。やはり米国本土のコースで勝たないとまだまだ評価されないんです。それだけ米国本土のトーナメントコースは、すごいんです。何がすごいって?やはりコースマネジメント、体力と攻略法を頭で考えて攻めないとなかなかバーディーが取れない。距離もあり、ちょっと曲げるとラフがきつい、グリーンをはずせば、簡単にリカバリーができない。そんな設計になっているんですね。
 ボギー三平のブログの最初のほうに、小平尚典カメラマンの米国のコースの写真が載っていますが、みんなこんなコースなんですね。自然との闘いを強いられ、グリーン周辺のハザードに苦しめられ、グリーンのアンジュレーションの曲がり方に苦しめられるんです。
 この米国のコースで開催されるトーナメントに優勝してこそ、藍ちゃんの評価が上がるんですね。頑張れ藍ちゃん。

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タイガーも真っ青、遼君の大逆転劇!  14:26


 世の中のゴルファーは、きっと遼君の最小スコア記録更新の話題で持ちきりでしょうね。それにしてもすごい記録を作ったものです。倉本プロの59の時も破られないのではないか、と思いましたが、それをいとも簡単に破りましたね。解説の川田太三さんも「私の予測をはるかに超えたゴルフをしていますね。」というコメントが印象的でしたね。ジャック・ニクラウスが出現した時に、アーノルド・パーマーが、「私とは次元が違うゴルフをしている」とコメント。タイガー・ウッズが出現した時、そのジャックが、「我々とは全く違うゴルフをしている」とコメントしたんですね。この遼君のプレーを見て、丸山プロも同じようなことを言っていました。
 このトーナメントを見ていて、1998年のヨーロピアンツアーのジョニーウォーカークラシックでのタイガーの大逆転劇を思い出しました。タイ・プーケットのブルーキャ二オンという非常に難しいコースで開催されたのですが、最終日ライバルのアーニー・エルスに7打差をつけられたタイガーが、何とインに入ってから、この7打差を逆転してしまったのですね。横で見ていたボギー三平もさすがに足が震えるほど興奮したのを覚えています。とにかくセカンドショットがピタピタとピンに近くにより、長いパットはいとも簡単に入っていました。三平と一緒ににタイガーの母親のクルチダさんが横を歩いていたのですが、三平と目が合うと、「アンビリーバブル」とつぶやいていました。
 あの時の興奮がそのまま再現したような感じでしたね。しかしそのタイガーが、この週、何と予選落ち。遼君と対象的な姿が見られました。
 タイガーの場合は、アーニー・エルスという当時ランキング2位の選手を大逆転。遼君も丸山茂樹プロという米国でも優勝経験のある選手を大逆転。両者とも相手にとって不足はない、というプロですね。これもすごいことです。
 ただひとつ気になるのが、遼君が使用したセカンドショット、サードショット、いずれもグリーンを狙うショットが、一番大きいクラブが8番アイアンなんですね。大半がサンドウエッジ。ティーショットが異常に飛んだということも言えますが、あまりにも遼君にとっては、短いコースだったかもしれません。ある番組で小山武明プロが、「遼君にとって日本のコースは、簡単に思えてくるのではないでしょうか?」と意味ありげなコメントをしていました。つまりもう遼君にとっては海外のコースで鍛錬をしたほうがいいのかもしれませんね。このことはまた別途書きますが、日本でも、北海道の小樽CCや兵庫県のゴールデンバレーGC、東条の森CCなどのように、コースレート75以上の難度の高いコースじゃないとつまらないのではないでしょうか?コースがプレーヤーを育てる、と言います。

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