偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナーその8 2010年6月30日水曜日 10:18


 『教え魔に会わなければ、誰だってシングルになれる』
  ヘンリー・コットン(1907~1987)
 その昔、ダンロップ65という世界中でベストセラーになったボールがありました。日本でも林由郎プロや青木功プロなどトーナメント草創期や人気上昇期に活躍したプロは皆さん使っていた名ボールでした。この名前の由来は、全英オープンに3勝し、英国が誇る偉大なプレーヤーと言われたヘンリー・コットンが、全英オープンで初優勝の際、65という当時のコースレコードでラウンドし、その後43年間破られなかった、という大記録にちなんだものでした。またコットンをさらに有名にしたのは、アイアンのクラブのヘッドのところの根元がストレートではなく、グースネックと言われるように曲がっていますが、これもコットンの発案からのものです。こうすることによってシャンクするボールがかなり減るということがわかったからです。身近にも彼の影響が今でも存在しているすごい人なのです。
 それゆえ、スイング理論にも造詣が深く、レッスンにも熱心でした。そのコットンが、いつも口にしていた言葉がこの誰だってシングルになれる、という但し書き付きの言葉でした。但し書き、というのは、教え魔に会わなければ、というものです。自分より下手だと思うゴルファーを見ると、偉そうにして教える方が結構皆さんの周辺にいると思いますが、その人がシングルになるまで真剣に面倒みるぐらいの教え方、そして理論もしっかりとしている教え方なら許せるのですが、その場しのぎで、自分のゴルフ歴をひけらかすような教え方をしている人を見ると、非常に腹が立った、ということなんですね。どこにでもいますね、こういう人は。そんな人に会わず、教えてもらうのはしっかりとしたプロゴルファーやティーチングプロ、トップアマに習うことが上達の秘訣の第1歩だということを切に訴えているのです、この言葉は。皆さん、胸にじっと手をあてて考えてみてください。思い当たるふしはありませんか?教え魔になったことがあるか、あるいは教え魔に教えてもらったことがあるか…。

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ペブルビーチのグリーンに関する質問がかなり来ました 2010年6月29日火曜日 13:01

 米国を代表するゴルフコースで、なお且つ世界のリゾートコースの中でも、常に1位か2位にランクされるペブルビーチゴルフリンクス。死ぬまでに1度はプレーしてみたい、と誰しもが思う名コースです。不肖ボギー三平も3度行ったことがあります。海辺に広がるホールは何と綺麗なことか、とても人間が造ったとは思えない美しさがありました。そしてこのペブルビーチと隣のサイプレスポイントGC、スパイグラスヒルCCの3コースは、世界で最も優雅なリンクスコースとして評価されているのです。全米オープンが100回目に当たった2000年の記念大会も真っ先にこのペブルビーチが選ばれたほどの評価なのです。
 しかしそんな風光明媚なコースながら、先日開催された全米オープンをご覧になった方は、さぞやびっくりしたことでしょう。グリーンの色の具合が迷彩色のようなまだらになっていて、見た瞬間「エ!」と驚いた方が多かったと思います。世界中の様々なグリーンを見ている三平もさすがにびっくりしました。
 理由は、ポアナと呼ばれる雀のカタビラの一種がグリーン上のかなりのスペースを占めていて、それが変色していたと予想されます。ご存知の方もいるかと思いますが、グリーンの芝の種類は、世界中に2000~3000種類もあります。主に温帯地域(日本など)から北のほうのコースは、ベントグリーンと呼ばれる種類の芝を使っています。パッティングクオリティーも高く、何と言っても綺麗ですよね。また亜熱帯から熱帯地方のコースでは、ティフトンと呼ばれるバリバリでクラブヘッドに巻きつくような芝を短く刈り込んで使用しています。この基準は夏の暑さ、冬の寒さにどれぐらい強いかによって選ばれることになります。
 このペブルビーチは、当然ベント芝を使用していました。ところが世界のどこにでも生えているのが、雀のカタビラと呼ばれる雑草です。さすがに雑草ですから繁殖力が強く、芝の葉自体も非常に強いのが特徴です。
強いゆえにベント芝の間にどんどん入り込んでいくのです。日本のコースでもほとんどのコースで見ることができます。入り込んだ時にすぐ排除しないとドンドン中に繁殖していきます。ペブルビーチの場合、あまりにも繁殖の勢いが強いので、このカタビラを逆にグリーンの芝の一種として共生させようとしているのです。もちろん強い芝ですから、パッティンググリーンとしては、きちんと刈り込めば全く問題ありません。短く刈り込めば速いグリーンになります。
 しかし欠点が色なのです。春先には白い花が咲きますし、芝の形が違うのでまだら模様になってしまうのです。またカタビラは気温が高くなると自然に変色し、消えていきます。今年の全米オープンが開催されるころのペブルビーチは、ちょうど気温が上がりかけたところだったのです。だからまだら模様があれほど目立ってしまったのです。あのまだら模様を極端に毛嫌いする人が多いですよね。マスターズなど見栄えの美しさにこだわるトーナメントでは考えられないグリーンの色です。日本でもこのようなグリーンの印象にしたら、グリーンキーパーは即解雇されてしまうような出来事ですね。スティンプメーターというグリーンスピードも13フィートというマスターズとほとんど同じぐらいのスピードが出ていましたし、コースそのものには誰も文句が言えないほどの名コースですから、そちらは問題ないのですが、あのグリーンだけは惜しかったですね。

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新しいスター誕生、そしてさすがに第1人者ぶりを見せた藍ちゃん 2010年6月28日月曜日 16:56

 昨日男子ゴルフ界にまた新しいスターが誕生しました。杉並学院で石川遼プロの2年先輩にあたる薗田峻輔プロがミズノオープンよみうりクラシックで優勝したのです。薗田プロは明治大学に在学中の学生です。今年がプロ入り初年度で早くも優勝。口の悪い評論家に言わせれば、石川遼がいなければ薗田は、今や時の人になったのにね、ということになってしまいます。でもそんな蔭口は無視して、どんどん石川遼プロと張り合って、優勝争いをしてほしいと思います。それにしても頑張ってほしいのは、今や若手とは呼ばれなくなった中堅プロ達です。宮里優作プロなど、10年に一人の逸材と言われながらもまだ未勝利。この薗田プロを見習って頑張ってほしいですね。
 純粋に薗田プロの堂々の優勝に感心しながらも、まだまだ未勝利の中堅プロ達のことが気になってしまうボギー三平です。
 それに比べ、妹の藍ちゃんは素晴らしいですね。米国ツアーのメジャー全米女子プロ選手権最終日、何と6アンダーの66と爆発、予選落ちの危機から一躍3位となったのです。もう米国でも第1人者となったことを証明したようなプレーぶりでした。パット、アプローチと絶好調なのでしょう。この勢いはしばらく続きそうです。賞金女王間違いなしでしょう。世界ランキングの1位は、昨日優勝したクリスティー・カーに一時譲ることになりますが、すぐカムバックするでしょう。優作兄貴もこの妹を見習ってほしいですね。最後まで踏ん張り、優勝争いをするこの妹の根性を。

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全米オープンで見た石川遼君の大成長 2010年6月22日火曜日 16:43

 石川遼の全米オープンでのゴルフは、三平も感激するほどいいゴルフをしていました。素晴らしいゴルフでした。最終日のゴルフで、実際に勝つためには何が足りないかが明確にわかったと思います。そういう意味でいいゴルフをしていたと思います。
 ゴルフの技量は、2日目までの同伴者、'82年チャンピオン・トム・ワトソンを凌駕する成績を収め、一躍2位に浮上したことで証明されたと思います。堂々としたドライバーショットに切れのいいアイアンショット、思い切りのいいパッティングは、海外で通用する久々のゴルファーの出現という表現ができると思います。青木功プロ以来と言ってもいいのではないでしょうか?
 それでは’80年全米オープンで準優勝した青木功プロと石川遼は、どこが違うのか検証してみましょう?まずそれはハートです。最終日の遼君は明らかに委縮していました。世界の檜舞台でのプレーですから、プレッシャーが厳しかったのではないでしょうか?しかし優勝するには、これを克服する強いマインドが必要です。マスターズの2日目の時もそうでしたが、こう打ったら失敗するのではないか、というネガティブマインドになっていたように思います。青木功プロは、4日間ジャック・ニクラウスとラウンドし、大勢のジャックファンの中でプレーしていました。しかも復活するジャックには、「ジャック イズ バック!」の大合唱が応援していたのです。しかし青木功プロは、「あれさ、俺には青木頑張れ、青木頑張れ!という声にしか聞こえなかったよ。しかもセカンドショットのクラブを選ぶ時も、自然に手が出てクラブを選んでいたよ、全く悩んでいなかったね」というものでした。これです、遼君に足りないもは。ちょっと青木さんもおかしいかもしれないけど、この強いマインドがあったら、メジャーでも、常に上位でプレーするのではないでしょうか?
 もう一つはやはりコースマネジメントです。日本のコースではティーショットから落とし場所を考えなくてはいけないコースは少ないのですが、欧米の名コースは、ティーショットから常に打つ方向、落とし場所、セカンドショットの狙い方などを考えてショットしない、と絶対に攻略できません。そのためには、コースの隅々まで熟知していることが必要です。風がどんな方向からどういう風に吹くか、芝の特徴、粘り、など、やはりしっかりと学習する必要があるのです。
 青木功プロなど、三平がギャラリーで、付いていたときなど、「このグリーンの芝はどんな癖がある?」と聞いて来ることがありました。最近の新しい芝の勉強をしているのです。でも試合中だとルール違反ですけどね。三平も独り言をいうふりをして話したものです。ひやひやしましたが。
 でも遼君もまだ18歳です。18歳でこの成績ですから、この2点を克服していけば、これからの全英オープンや全米プロなどでの活躍が楽しみですね。今年の全英オープンはセントアンドリュースですから、この2つのポイントをしっかり克服しておかないと簡単に打ちのめされてしまいます。頑張れ18歳。

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忍耐と頭を使ったコースマネジメントが優勝につながった全米オープン 2010年6月21日月曜日 19:09

 今年のペブルビーチでの全米オープンは、イギリスのマクドウェルがこつこつと貯金をするような感じのゴルフで優勝しました。タイガーやミケルソンのような華やかな雰囲気はなく、エルスのような王道を行くようなゴルフでもない、石川遼のように、飛ばして剛で柔を制するようなゴルフでもない。淡々とフェアウエイキープを狙い、グリーンにパーオンさせ、確実に2パットでパーをセーブしていく、というステディーなゴルフのように見えました。失敗に興奮して怒るわけでもなく、バーディーに飛びあがるような喜びも見せない。
実に静かなゴルフを見せてくれました。 
 解説の羽川豊プロが、「まるでカップを狙わないかのようなバーディーパットですよね。バーディーパットは必ずショート目に打ち、パーパットを確実に入れていく、という姿が印象的です。」と解説していました。青木功プロなどは、孫を見るような思いで石川遼のパーティーに付き、1ショットごとにため息ついたり、よし!と言ってみたり、まるで野球のリトルリーグにでている子供の親のような雰囲気の解説でしたから、マクドウェルがトップに出ていたなどと気がつかなったのではないでしょうか。
 でも学ぶところ大です。確率から言って、少しでもリスクのある攻め方は絶対にしていないのです。今年の全米オープンのコースセッティングはこれまで以上に厳しいものがありました。海に落ちていくようなところのラフは、以前までは長く伸ばしてボールが止まるようにしていたのですが、それを刈り込んでいて、タイガーやエルスのボールが海に転がって行きました。グリーンオーバーしたボールもこれまでは、ラフが長く、グリーンわきで止まっていましたが、今回はかなり下まで刈り込んでいて、どんどんグリーン奥に転がりこんでいました。圧巻だったのは14番パー5。石川遼の3打目のアプローチが確実にグリーンをとらえたにも関わらず、下りの斜面からグリーンの手前、数十ヤードのフェアウェイまで転がりこんでしまうのです。そんなコース設定、そして強い海風、これにみんな負けたのです。
 一人マクドウウェルだけは、このコースセッティングに逆らわなかったのです。印象的だったのが、最終18番ホール。みんながフェアウエイウッドやロングアイアンで2オンを狙い、バンカーにボールを落としているのを見て、優勝を確実にするために彼が取ったセカンドショットのクラブは何と9番アイアン。残り100ヤードのフェアウエイに確実に落とし、簡単にグリーンを捉え、2パットのパーで、結局4日間トータルイーブンパーという優勝スコアでした。これは石川遼だけでなく、我々アマチュアゴルファーがまず参考にしないといけないコースマネジメントですね。テレビで見ているこちらまで淡々とゴルフを見ていたように思います。静かな全米オープンでした、テレビ中継の解説以外は。(この解説の件はまた次回に)

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藍ちゃんが米国本土でついに優勝!  18:45


 男子の全米オープンが最終の山場を迎えたころ、突然宮里藍選手が優勝、というビッグニュースが入ってきました。石川遼君の33位が決まり、頼みのタイガーも3打差から詰まらず、ミケルソン、エルスももう1歩及ばない、と諦めていたところに入ったニュースでした。
 以前から何度も言っているように、とにかく米国本土のコースでの優勝じゃない、と絶対に評価されない、とボギー三平が強調していたのを覚えていた方も多いと思います。そして必ず勝つ、とも言っていました。やっとそれが実現したのです。言い続けてかれこれ4年になりますね。その間、業務契約をしていただいている会社との食事会で藍ちゃんの優勝のことが話題になり、「なかなか優勝しませんね、無理なんじゃないですか?」などと言われた時など、お酒を飲んで真っ赤になっているにも関わらず、さらに真っ赤になって「絶対優勝しますよ!」とムキになって答えたいたりしました。ムキになる関係でもないんですけどね。
 でもあの小さな身体で、練習に練習を重ね、ひたむきにゴルフをする姿にいつしか応援をするようになっていました。いつだったか、トーナメントの時のクラブハウスですれ違った時に、頑張ってね、と声をかけた際、「ありがとうございます、よろしくお願いします」と謙虚な姿勢が印象に残っています。あるプロアマ大会で、私の知り合いが彼女と一緒にラウンドした際、「記念にサインください」と言ったら、「とんでもございません、私のサインなどでいいんですか?こちらからサインをもらってください、とお願いしないといけないと思っていました。」と真顔を言われて、感激した、という話もありました。
 そんな彼女が、今年、米国ツアー11戦して何と4勝目を挙げたのです。4勝目が米国本土ニュージャー州ドルチェシービューリゾートで達成したのです。さらにダントツの賞金ランキングトップ。これは見事ですね。ショット、パットとともに絶好調です。さらに快進撃を期待します。いやー今日はいい日になりました。

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過去仕事をしたことのあるプロが活躍するのはうれしいね。 2010年6月17日木曜日 12:58

 このところのトーナメントで、男女とも仕事を一緒にしたことのあるプロ達が活躍。テレビを見ていると自然と応援していました。
 先週の女子プロトーナメントのサントリーレディースでは、飯島茜プロと馬場ゆかりプロが優勝争いを演じました。最後の最後まで接戦となり、見ごたえ十分の戦いでした。飯島選手が最後に振り切り、優勝インタビューの涙が、その激闘を物語っていたと思います。
 この飯島選手、馬場選手の二人とも、2年前に茨城県サミットGCにて開催したテレビマッチの出場者でした。サミットGCの15周年記念大会で、大御所の岡本綾子プロと一緒にボギー三平もプロデュースしたのですが、4人の女子プロによるテレビマッチで、一ホール一ホールに賞金を設定し、それを獲得していく、というホールマッチでした。組み合わせもホールによって変わり、見ているほうは面白いのですが、やるほうは、大変だったと思います。二人ともどんな要望事項にもいやな顔ひとつせず、応じてくれ、いい番組となりました。
 その思い出の二人がこんな優勝争いをするなどとは思ってみなかったので、二人のワンショットワンショットに一喜一憂していました。でもいい戦いでしたね。こんな戦いをしていたら間違いなくファンが増えていくと思いました。
 その前週、男子の日本ゴルフツアー選手権では、以前スコットランドのセントアンドリュースで一緒にプレーした宮本勝昌選手が優勝しました。これもうれしかったですね。彼は昨年までツアー選手会の会長を務め、試合どころではなかった時期もあったようです。ある意味復活の優勝です。セントアンドリュースに行ったのは、1998年ダンヒルカップのプロアマでした。三平がディレクターを務めていたのですが、たまたまプロアマに出場することになり、世界各国の代表選手と一緒にチームを組んで対抗戦となり、三平は宮本勝昌選手のチームに入ったのです。世界のゴルフの発祥の地と言われるオールドコースにお互いに緊張しながら一緒に回り、三平は彼のゆったりとしたスウィングに見惚れながらラウンドしていました。ゴルフのマナーもしっかりしていて、さすがに尊敬されるプロのように思いました。
 結果は11位、あのタイガー・ウッズ選手のチームが2位ですから、なかなかのものだったと思います。その宮本選手が久々に優勝争いをしていたのですから、これは見逃せませんでした。圧勝という感じの優勝でしたので、あまり緊張もせず、優勝を決めたパットの時は思わず拍手していました。
 こんなテレビ観戦もたまにはいいですよね。

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今年の全米オープンは寝不足になっても見る価値がある  11:14

 201年のメジャーは、全英オープンがセントアンドリュースオールドコース、全米オープンはペブルビーチとプロゴルファーなら誰しもが戦ってみたいと思う難関でかつ名コースで開催されます。今週開催されるペブルビーチは、ちょうど10年前の2000年にも開催され、タイガー・ウッズが2位に15打差をつけ、圧倒的な強さで優勝しています。あの時のタイガーは敵なしでした。日の出の勢いという表現は、彼のための言葉と言っても過言ではありませんでした。しかし今回は、本人の女性問題が発端の離婚問題を抱え、妻と争った際の怪我の件もあり、全く万全ではありません。しかしどうもマスターズの時と違い、精神的にも体力的にもかなり復活しているようなのです。記者会見でも「マスターズの時より準備ができている」というコメントをしています。
 こうなると現在体力、精神的にも今が一番充実しているというフィル・ミケルソンとの戦いは、至上最も熾烈な戦いになります。これは見逃せません。ペブルビーチは、そのしっかりとした腰の強いラフの芝との戦い、そして海に面したホールの風との戦いが強いられます。この二人のプロも最高の技術を駆使して攻略してくるでしょう。これが勝負を決める奇跡のショットにつながってきます。
 過去全米オープン史上最もエキサイティングなショットと称される1982年のトム・ワトソンの奇跡のチップインバーディーもこのペブルビーチの17番ホールでした。グリーン横の深いラフに入れたワトソンの渾身のアプローチショットがチップインし、ジャック・ニクラウスを下し、大逆転優勝につながったショットでした。そんな奇跡のショットが出るのも、このペブルビーチが超難関コースだからなのです。
 日本からも大挙して出場しますが、石川遼選手の攻めのゴルフがもしかして奇跡を生むかもしれませんし、池田勇太選手のガッツなゴルフにも期待したいと思います。また今年絶好調の藤田選手のステディーなゴルフが難関ペブルビーチを攻略する可能性もあります。 
 そんなことを考えただけでも今年の全米オープンは、寝不足なんて言っていられませんね。

偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナー その7 2010年6月11日金曜日 14:10


『ゴルフの80%は頭脳でプレーされ、筋肉でプレーするのは残りの20%である。』
                   ジャック・バーグ
 さすがに世界のメジャーを制しているジャック・バーグさんの見識ですね。以前一緒にラウンドしていた某〇〇功プロから、三平がアプローチをざっくりやった時など、「アメリカじゃな、ゴルフは耳と耳の間のゲームっていうんだよ」とよくいじめられたことを思い出します。この元となった言葉がジャック・バーグのこのコメントだったのですね。「つまりゴルフは頭でするんだよ」、と某プロの訛りのある言葉が今でも耳にこびりついています。
 ちなみにラウンド中、フィジカルな動き、身体のを使う動きは、どれぐらいあるのかご存知でしょうか?
通常ショット、パットで身体を動かす時間は、2秒ほどです。もっともゆったりとしたスウィングと言われた岡本綾子プロのスウィングでさえ、3秒までかかりません。
 ですので通常のスウィングで計算すると、スコアが100の人でも18ホール中、身体がスウィングに要する時間は5分以内、ということになります。18ホールを5時間かけてラウンドする人は、残りの時間4時間55分は、歩きながらコースマネジメントを考えるか、グリーンをどう攻めるか、どういうショットをするか、あるいはどうスウィングを修正するかなど考えることになるわけです。この間、きちんとスウィングのことを考えると上級者になれるということかもしれません。ボギー三平などは、風景を見ながらボーっと他のことを考えるか、ラウンド終了後をどこに美味しいものを食べに行こうか、などと不埒なことばかり考えているから全く上達がおぼつかなくなるわけですね。皆さんご注意を!

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やっと現れたゴルフの味方  11:25

 今週福岡県広川町の渡辺町長が、町議会で平日に開催されたゴルフのコンペに参加したことを追及されたそうです。しかも主催者は、町が発注した工事の受注業者。この追及に町長は、「案内があればスケジュールが空いている日に限り、平日でも参加することは問題ないでしょう、さらに町の職員とも有給休暇を取ってゴルフにも行きましたし、今後も慰労を兼ねて行こうと思っています。」と答弁したのです。また「土日はプレー代も高いし、業者と意図的なことがあって行ったわけではないし、商工会や青年部などの関係者もいたし、スケジュールが空いているなら参加は問題ないと思います。一般町民から誘われても行きますよ。」という答弁をしたのです。
 これはボギー三平から見れば、久々の快挙です。日本社会は、ゴルフというとどんな時でも公的な役職の方は、やれ問題だ、遺憾だ、とただゴルフをしただけでも非難轟々となってしまいます。世界で最も歴史の古い球技のスポーツと言われているゴルフの評価が下がりっぱなしなのです。世界各国を見渡せば、大統領主催のトーナメントがあったり、国王が必ず出席する大会もあったりと、公的なイベントとして認知されている敬虔なスポーツなのです。ゴルフ場でプレー後その場で声明を出した大統領もいました。
 日本ではゴルフをしていただけで不謹慎だとか、職務への意識が低いだとか、ひどい扱いです。しかし自分が行く時は嬉々として行く姿も見受けられます。
 この国のゴルフはいったいどういう存在なのでしょうか?人格形成にも貢献でき、人間のコミュニケーションにも役立つ。もちろん健康、親子の会話にもこれほど役立つスポーツはありません。親子3代で一緒にできるスポーツはゴルフ以外にないのです。
 しかしこの渡辺町長がやっと一矢を報いたという答弁をしてくれましたね。
 この答弁を全国の皆さんが理解してくれることを期待したいと思います。

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また新たなスターが誕生した女子プロ界。でも解説をなんとかしてほしい。  10:59

 日本の女子プロゴルフ界は、どんどん新しいスターが登場しますね。先週優勝の甲田良美プロは、昨年プロテスト合格の新人です。それがさわやかにデビューしたかと思うといきなり優勝。また美人でスタイル抜群となると人気上昇は間違いなし。高校時代ソフトボールの選手を経験し、その後ゴルフ場で研修生を経験して4度目のテストで合格。苦労を積んでの合格、そして優勝だから喜びもひとしおでしょう。順調に育ってほしいものです。それにしても女子プロ界は、つぎつぎとスターになる要素を持つプロが登場します。13歳の高橋恵さんも中学生ながら並みいるプロを蹴落とし予選通過。こちらも次代の女子プロ界を背負う人材になりそうな予感がします。横峯さくらプロや古閑美保プロなどもうかうかしていられないほど新人が育ってきますね。ゴルフファンにとってはうれしい話です。
 ただちょっと気になるのは、テレビの解説です。今回これほどの新人が頑張っているのに、きちんと事前に取材などしているのでしょうか?と疑われるような解説でした。プロ経験者ながら、もっと言葉使いなど、きちんと勉強してから解説してほしいです。最終日の終盤の3ホールあたりでのパッティングの場面、残り7.8mのバーディーパットを解説する際、「ここは入れたいのかどうかわかりませんが・・・」などというような意味不明の発言をしていましたが、終盤3ホール残し、接戦で来ているのに、入れようと狙わないプロはいるのでしょうか?この発言を聞いて、何を解説しているのだろうか、と疑問になってしまいました。テレビを見ているファンは、ここは、優勝を意識した場面でのこのパットはどんな心境でいるのだろうか、とかグリーンの状況をもっと観察して説明するとか、はずした場合の心境、試合展開など、知りたいことはいっぱいあります。ボキャブラリーもない、言葉使いの知らない、これでは盛り上がりません。やはりせっかくスター候補が登場しているのですから、期待しているファンをさらに盛り上げるような解説をしてほしいですよね。テレビ局はやはりアナウンサーだけでなく、解説者の研修ももっとやるべきだと思います。

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真のトーナメントコース、ゴールデンバレーゴルフクラブ(兵庫県) 2010年6月6日日曜日 22:47


 先日久しぶりで名匠ロバート・トレント・ジョーンズ・ジュニア設計の名作ゴールデンバレーゴルフクラブに行きました。日本のゴルフ界では誰でもが認める難度の高いチャンピオンコースです。コースレート75.5が示しているように、日本でもベスト3に入る難度を誇ります。1990年三菱ギャラントーナメントを開催しましたが、優勝者青木功選手のスコアが、3オーバーというものでした。その時一敗地にまみれたジャンボ尾崎選手は、こんなコース2度と来ない、とはき捨てるように言って顰蹙を買っています。
 しかしボギー三平は、こんなプロの発言は信じられません。我々ゴルフファンは、プロが日頃切磋琢磨して磨いている腕を試す姿を見たいのは、こんなゴルフコースでのプレーなのです。しかも14本のクラブを駆使して、この難コースをどうやって攻略するのかを見てみたい、と思うのがギャラリーの心理なのです。こんなゴルフファンの期待に応えてくれないとゴルフ界は盛り上がりません。
 はっきり言ってティーショットをドライバーを打って、2打目がピッチングウエッジやサンドウエッジになるようなコースでのトーナメントなど見たくありません。ティーショットからいかに18ホールそれぞれを攻略するか、グリーン上のピンポジョイションまで考えて、ティーショットの落とし場所を考える。セカンドショットでバーディーチャンスに乗せるには、ティーショットをどこに落とせばいいか、を必死で考えショットする、というチャンピオンコースでのプレーを見たいのです。 
 1995年セントアンドリュースで開催された全英オープンで優勝した当時世界一の飛ばし屋ジョン・デイリーは、優勝するならドライバー使ってはいけない、と言い聞かせコースマネジメントを行なった結果、優勝することができたのです。ドライバーを使ったのはたった1ホールだそうです。プロにここまで考えさえるのが真のチャンピオンコースと言えるような気がします。
 日本のコースで問題なのは、チャンピオンコースという意味を理解しないで使っていることです。チャンピオンコースというのは、真のチャンピオンを争うトーナメントを開催したコースに与えられる称号なのです。トーナメントも開催したことがない新設コースがいきなりチャンピオンコースと言っているところもありますが、あきれてものが言えません。
 そういう意味では、このゴールデンバレーは、プロに14本すべてのクラブを駆使させ、攻略させるコースです。18番ホールなどは、右側すべて大きな池がある美しいパー5です。かつてジャンボ尾崎のボールが、この池に打ち込み、いまだにそのボールが眠っているといいます。こんなホールにチャレンジするプロのプレーぶり、ダイナミックにショットするプロのショットの醍醐味を是非見てみたいと思います。
 かくゆうボギー三平もダブルボギーのオンパレードでした。一緒にラウンドしたゴルフダイジェストの記者、シャンク・マサも同じようにダブルボギーを積み上げていました。カメラマンのダッファー・ナオなどはギブアップの連続。でも3人ともすがすがしい気分でプレーを終えました。池にいくつボールを落としたか、3パットを何回やったかなど、もう忘れていました。気分はプロ。最終ホール、カップインしたボールを思わずギャラリーに投げてしまいたい思いにも駆られていました。ゴールデンバレーで我々は夢を見ていたんですね。そんなコースへまた行きたいと心から思います。

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