真のトーナメントコース、ゴールデンバレーゴルフクラブ(兵庫県) 2010年6月6日日曜日 22:47


 先日久しぶりで名匠ロバート・トレント・ジョーンズ・ジュニア設計の名作ゴールデンバレーゴルフクラブに行きました。日本のゴルフ界では誰でもが認める難度の高いチャンピオンコースです。コースレート75.5が示しているように、日本でもベスト3に入る難度を誇ります。1990年三菱ギャラントーナメントを開催しましたが、優勝者青木功選手のスコアが、3オーバーというものでした。その時一敗地にまみれたジャンボ尾崎選手は、こんなコース2度と来ない、とはき捨てるように言って顰蹙を買っています。
 しかしボギー三平は、こんなプロの発言は信じられません。我々ゴルフファンは、プロが日頃切磋琢磨して磨いている腕を試す姿を見たいのは、こんなゴルフコースでのプレーなのです。しかも14本のクラブを駆使して、この難コースをどうやって攻略するのかを見てみたい、と思うのがギャラリーの心理なのです。こんなゴルフファンの期待に応えてくれないとゴルフ界は盛り上がりません。
 はっきり言ってティーショットをドライバーを打って、2打目がピッチングウエッジやサンドウエッジになるようなコースでのトーナメントなど見たくありません。ティーショットからいかに18ホールそれぞれを攻略するか、グリーン上のピンポジョイションまで考えて、ティーショットの落とし場所を考える。セカンドショットでバーディーチャンスに乗せるには、ティーショットをどこに落とせばいいか、を必死で考えショットする、というチャンピオンコースでのプレーを見たいのです。 
 1995年セントアンドリュースで開催された全英オープンで優勝した当時世界一の飛ばし屋ジョン・デイリーは、優勝するならドライバー使ってはいけない、と言い聞かせコースマネジメントを行なった結果、優勝することができたのです。ドライバーを使ったのはたった1ホールだそうです。プロにここまで考えさえるのが真のチャンピオンコースと言えるような気がします。
 日本のコースで問題なのは、チャンピオンコースという意味を理解しないで使っていることです。チャンピオンコースというのは、真のチャンピオンを争うトーナメントを開催したコースに与えられる称号なのです。トーナメントも開催したことがない新設コースがいきなりチャンピオンコースと言っているところもありますが、あきれてものが言えません。
 そういう意味では、このゴールデンバレーは、プロに14本すべてのクラブを駆使させ、攻略させるコースです。18番ホールなどは、右側すべて大きな池がある美しいパー5です。かつてジャンボ尾崎のボールが、この池に打ち込み、いまだにそのボールが眠っているといいます。こんなホールにチャレンジするプロのプレーぶり、ダイナミックにショットするプロのショットの醍醐味を是非見てみたいと思います。
 かくゆうボギー三平もダブルボギーのオンパレードでした。一緒にラウンドしたゴルフダイジェストの記者、シャンク・マサも同じようにダブルボギーを積み上げていました。カメラマンのダッファー・ナオなどはギブアップの連続。でも3人ともすがすがしい気分でプレーを終えました。池にいくつボールを落としたか、3パットを何回やったかなど、もう忘れていました。気分はプロ。最終ホール、カップインしたボールを思わずギャラリーに投げてしまいたい思いにも駆られていました。ゴールデンバレーで我々は夢を見ていたんですね。そんなコースへまた行きたいと心から思います。

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