今年の日本オープン開催コースの視察に行ってきました。 2011年6月24日金曜日 13:44

 今年度の日本オープンは、名門、鷹乃台カンツリー倶楽部で開催されます。10月の開催に向け、だいぶ準備ができたので、一度見てください、ということで先日視察してきました。さすがにまだラフは伸びきっていませんが、フェアウエイのラインは完璧にわかります。ファーストカットは3cm~5cmぐらいになるのでしょうか?ヘビーラフは10cmでしょう。フェアウエイの幅は、一番狭いホールで8ヤード、平均10ヤード~15ヤードぐらいにカットしてありました。ラフが伸びている分だけ、フェアウエイとラフの差が激しく、ラフに入ったら上から直接ボールに当てるような打ち方をしないとクラブヘッドが負けてしまいます。アマチュアにはとても厳しいセッティングですね。特にグリーンの近くのラフはかなり難しくなります。芝が何本絡むか、で飛ぶ距離が違ってきます。また斜面になっているラフはさらに厳しく、ヘッドが芝の抵抗で曲がりやすくなり、シャンクになったり、左に大きく曲げたり、と方向が定まらなくなります。
 さらに設計はあの名匠井上誠一さんです。バンカーが深く、ミスしやすい方向に必ず大きく口を広げています。今回の鷹乃台は、ラフの攻略とバンカーの克服がキーポイントになりますね。三平の予測は間違いなく当たります。期待していてください。鷹乃台の準備状況は素晴らしく、好試合が期待されるセッティングになっていると思います。
 ただ日本のナショナルフラッグのトーナメントも、先日の全米オープン・コングレッショナルの18番ホールのように、美しい池が絡み、思わず体がすくんでしまうような難関ハザードが最終ホールにあってもいいように思います。世界では、その難関ホールでさえ、簡単に克服され、10アンダーを大きく超えるようなスコアでラウンドしてしまうのですから。

ラベル:

偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その23  13:35

『ショートホールで、カップ(ピン)は狙わない』

        中部銀次郎(1942~2001年)

 中部銀次郎はアマチュアリズムを生涯貫いた人で、日本アマチュアゴルフ選手権に6度優勝して、若い頃は「アマチュア界の貴公子」と呼ばれました。中部は寡黙な人でラウンド中は、求められれば一言二言助言するのみでした。しかし酒がはいると談論風発、含蓄のある「言葉」を遺しています。
 それはおいおい紹介していくとして、今回はそのアマに徹した「言葉」の一端を。
“技術”を駆使するのはプロの世界。アマは確実な技術を繰り返すのが結局はスコアアップにつながるという考えなのです。
 ショートホールはカップ(ピン)を狙うほど難しくなるものです。狭いところにいいラインがあってそこへいくとバーディもあるが、外れた時には難しいラインが残ってしまいボギーもありうる。ならばグリーンの真ん中を狙っていきます。真ん中ならばどんなピンの位置でも5メートルくらいのものです。アマは確実なパーを重ねることが大事、中部はそんな考えの人でした。
 だから、中部には日本アマ6勝ながら、ホールインワンは1度として達成していません。ここに中部のアマチュアリズム、急がばまわれ、の精神がみられると思います。

ラベル:

異次元のゴルフ・全米オープン ローリー・マキロイのゴルフ 2011年6月21日火曜日 15:01

 全米オープン・ローリーマキロイの優勝は、次元を超えたゴルファーが誕生した、という感じです。タイガー・ウッズのデビューはあまりにも豪快すぎて衝撃的なデビューという感じでしたが、マキロイの場合は、異次元、まるで宇宙から飛び込んできたゴルファーです。ドライバーは真っ直ぐ飛び、しかもフェアウエイ真ん中にしか行かない。4日間でミスショットというミスショットは4,5回しかなかったのではないでしょうか?しかも技も併せ持っています。スライスもフックも自由自在、柔らかい筋肉でしかも強靭。名づけるならサイボーグかな。 またワッグルや素振りなどは一切せず、ショットの打つまでなんと短いことか。パットでさえ、ラインなど考えていないのではないか、というぐらい早く打つ。まるで宇宙人。強いて言うなら、ジャック・二クラウスとアーノルド・パーマー、トム・ワトソン、タイガー・ウッズのいいところをみんな寄せ集めたゴルファーではないでしょうか?だからまるでサイボーグ。
 彼の出身地の北アイルランドは、すごいゴルフ場ばかりあるところです。風も強く、ラフも異常に長いコースばかり。こんなコースで日頃練習していればこんなゴルファーが生まれても当然というコースばかりです。
 今回の全米オープンの開催コースのコングレッショナルは、優勝スコアがイーブンパーになるようにセッティングしたと言われています。2位に8打差をつけ、16アンダーという優勝スコアをどう評価していいか、たぶんUSGA(全米ゴルフ協会)は頭を抱えていることでしょう。タイガーの時と同様、また何試合か見に行きたいゴルファーの出現ですね。

ラベル:

偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その22 2011年6月15日水曜日 11:02

みんなストレートボールばかり練習するけど、なぜ曲げる楽しみを練習しないのだろう?
                      岡本綾子(1951~)

 練習とは何だろう?という本質的なことを問う言葉のような気がします。岡本は若い後輩達がナイスショットばかり求めることに、あえて反問したのです。
 練習とは曲がる(曲げる)球、多くのミス球をわざと打つことによって、ナイスショットもみえてくるし、何よりどう打てば曲がる(曲げる)スイングのメカニズムが理解できるのです。スライスはこうバックスイングすれば、曲がりの度合いも違ってくる・・・などの自分のスイングのメカニズムが見えてくるはずなのです。結果、スライスなりフックなりを打つことによって、ストレートな球が打てるようになります。
 ナイスショットはコースで求め、練習では曲げる球を追求する。こんな理解でいいと思います。

ラベル:

石川遼で感じるプロゴルファーのマネジメントについて  10:18

 石川遼の保持している国際免許が日本で運転するにはある一定期間を過ぎないと無免許運転にあたるとの報道が流れました。プロ協会は、これを受けて軽微な不注意で処分にあたらない、と発表したのですが、この事件については何か腑に落ちないものを感じます。別にこんなことでいちいち目くじら立てることもないのですが、どうもこれまでの石川遼側のマネジメントに問題があるように思います。こんな道交法のことなど理解しているのが当たり前、知らないほうがおかしい。ゴルフというスポーツは自分が審判です。自己申告の世界です。それを隠そうとしたり、メデイアに対して隠ぺいをさせようとしたりする行為はいかがなものかと思います。つまりメディアとの付き合い方が、どうもうまくないような噂が絶えないのです。具体的に言えば、父親のマネジメントが高圧的で、不遜な態度をとられてしまう、という苦情が絶えないのです。メディアの記者たちは、インタビューはできなくなっては困るということで平身低頭で指示に従っているという話です。その問題点の中には、18番ホールを終わるとグリーン近くでコメントをもらう取材があります。政治家で言えばぶら下がり、というやつです。この時に父親から「遼は疲れているので椅子を用意してくれ。」と言われ、椅子の担当記者がいるという話です。昔からこのグリーン終了した後のぶら下がり取材は誰だってやっています。あのジャック・二クラウスやアーノルド・パーマー、タイガー・ウッズだってやっています。これを椅子を用意しないとやらない、という指示は前代未聞。世界でも石川遼だけでしょう。
 現在の日本のプロゴルフ界は石川遼がいないと成り立たないというのはわかりますが、こんなこと許されていいのでしょうか?とにかく父親の指示に従わないと取材ができないから従わざるを得ない、という状況なのです。ですので次第に記者たちはフラストレーションがたまり、その結果どういうことになるかというと、何か石川遼のほうに不利な事件がふりかかると、この時ばかりとたたかれてしまうのです。今回の無免許運転ではその一例です。
 米国ではメディアという存在はかなり重要視されていますから、各プロゴルファーはその存在意義を感じ、きちんと対応するのが当たり前です。存在としてはプロゴルファーと対等の立場です。お互い尊厳を感じインタビューに応じるというのが当然のことなのです。以前青木功プロも日本にいたときはメディアに対してはぞんざいな態度をとっていたが、アメリカに行ってメデァアの存在の大切さがわかり、それからはきちんとインタビューに答えることにしているよ、と聞いたことがあります。三平もトッププロのマネジメントとメディアの両方とも経験していますので、両方の言い分、立場が理解できますが、今回の石川遼のメディア対応は、かなり問題のように思います。
 一方石川遼は今週全米オープンに出場します。今週はプレー以外のわずらわしいことには気にせず、しっかりと頑張って、不祥事はプレーで払拭してほしいと思います。しかしもうちょっとメディアの世界などゴルフ界全体を見渡し、どういう人間関係となっているか勉強をしてほしいと思います。

ラベル:

1打差に泣いた有村 2011年6月14日火曜日 11:20

 今年度のサントリーレディースオープンはまたまた最後の1打が勝負の分かれ目となりました。先月、米国のレギュラーツアー、シニアツアーの両方で今田、室田の両プロが1打差で優勝を逃しました。今回の有村も同じように1打に泣いた形となったのです。最終ホールまでタイスコアで来た有村とアン・ソンジュでしたが、最後の土壇場で有村がバンカーに入れ、パーセーブもかなわず敗れました。何とも悔しい結果でした。コースセッティングの厳しいトーナメントコースでは、ラフに入れると1打の計算が1.25ストロークビハインドになると言われます。つまり最終ホール、アンはドライバーをラフに入れたにも関わらず、そのビハインドをはねのけパーの4で上がり、同じく有村は、ラフに入れて、芝の深さに負け4.25ストロークになった、ということでしょうか?0.25ストロークだけアンがパワーアップしていた、ということになります。
 今週の男子は、いよいよ全米オープン。特にラフのセッテイングが世界随一の難しさを誇るトーネメントです。この0.25のストロークの違いがどのような結果をもたらすか興味深くご覧になってください。ラフに4回入れたら間違いなく1打多く打つことになるわけですが、4日間トータルで、1打の違いがこれだけ優勝を左右するストロークになるわけですから、タカが1打、されど1打ですね。

ラベル:

偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その21 2011年6月7日火曜日 12:48

ゴルフで油断が生まれる最も危険な瞬間は、万事が上手くいってるときだ。

ジーン・サラゼン(1902~1999年)

 サラゼン翁には、三平、ほんとにお世話になりました。米国の自宅にもお邪魔して歓待していただきましたし、翁の名前を冠した日本でのジュンクラシックでも宿泊している部屋でお話を伺ったものです。
 この言葉もよくいってました。順調にいってるときこそ増長せず、ナチュラルな気持ちで集中することなどといってましたね。
 日本のことわざでいうなら、好事魔多し、または一寸先は闇。ゴルフではほんとに多い現象?!なんです。バーディを重ねていって、ようし!と意気込んだ矢先、大トラブル、大叩き、などは日常茶飯事なのです。
 このことは逆のケースもいえることです。ツキがなくても、大叩きがあってもくさらず淡々とやっていれば、突然好調の波がくるかも知れないわけです。思いがけないチップインがあったり、超ロングパットが入ったりして、突然暗が明になることだって、これまたゴルフゲームでは日常茶飯事なのです。

ラベル:

石川遼の予選落ちのことはあまり心配していませんが、一つだけ問題 2011年6月6日月曜日 17:16

 石川遼が2週連続して予選落ちをしました。マスコミはこぞって、イップスになったか、とか過密スケジュールがたたっているとか、体調がおかしいぞ、と大騒ぎ。でもゴルフやる人ならわかるでしょう、いつも同じ調子でスコアがいいわけないことを。誰だって好調不調の波はあります。たった2週間で大騒ぎすることはないと思います。これが10週連続して予選落ちとか、ドライバーがOBだらけなど、深刻な状況なら、こりゃ大変だぞ、となりますが、まだまだ2週だけです。ジャンボや青木さんだって予選落ちが続いたことは何べんもあります。もっと大きな心で見守ってあげましょう。神様が少し休みなさい、と言ってくれているのです。逆にいいチャンスになると思います。
 ただ三平は一つだけ問題点があると思っています。それはいつも彼のスイングを見てくれるティーチングプロがいないということです。あのジャック・二クラウスには、ジャック・グラウトがいましたし、トム・ワトソンにはバイロン・ネルソン、はたまたタイガー・ウッズには、以前ブッチ・ハーモン、そしてハンク・ヘイニーという当代の一流プロがついていていました。彼らはトーナメント会場の練習場で教えたり、遠くの場合は、最終日が終わるとそのまま飛行機に乗ってスイングチェックを受けに行ったりしていました。あのジャンボ尾崎選手も、北海道のトーナメント途中でもスイングを見てもらいに東京に戻ってきて、すぐまた戻ったりしていました。やはり人間の生身の体ですから、少しずつ軸がぶれていたり、体の位置が違っていたりするものです。そして第3者の眼でしっかりと修正してあげるのです。遼君の場合いくら父親がいるとは言っても所詮アマチュアです。ここはしっかりとしたティーチングプロに見てもらっていたら、この2週連続予選落ちはなかったでしょうね。でもいい経験ではないでしょうか?次の試合が楽しみです。

ラベル:

ゴルフは何が起こるかわからない  17:00

 ゴルフというのは本当に最後までわからない。リゾートトラストレディース最終日、16番まで3打差、17番終わったところでも2打差。安心はできないとわかっていても、ほとんどの人は、大城さつきのショットを見れば、もう優勝は決まりだろう、と思ったはずです。しかし17番で1mのパットをはずし、18番でピンを狙ってグリーンを外し、寄せもサンドウエッジでトップ気味に入り、グリーンの反対側へ。三平がよくやるパターンですが、彼女も最後の最後で出てしまったミス。聞くところによれば最終ホールだけクラブの選択を自分でやったとか。キャディーは9番アイアンを渡そうとしたようですが、自分は8番アイアンを持ってピンをデッドに狙ったところがポイントでした。でもいい根性していると思いますけどね、最後まで攻めるという精神は。きっと彼女は強くなりますよ。21歳ですからこれからです。
 逆に横峰さくらは、こういう星の元に生まれたのでしょうね。たなぼた優勝ですが、でも彼女も攻めて、スコアも伸ばしていましたから、前向きの姿勢に神様がご褒美をあげたのでしょう。スコア提出所ですれ違ったところでお互い軽く会釈していたようですが、勝ったほうもつらいでしょうね、あの場面は。でも両方とも立派でした。二人をほめてあげたいですね。

ラベル: