偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナーその14 2010年10月28日木曜日 15:51

『打つ前にミスを考えるとその通りにミスになってしまう』
     ミッキー・ライト(1935~)

 米国の往年のゴルフファンなら偉大なる女子プロ、ミッキー・ライトを知らない人はいないというほどのスーパースターでした。名門スタンフォード大学心理学科を卒業し、ツアーに参戦。全米女子オープン、全米プロを4勝づつ、通算82勝も挙げている名プレーヤーです。4週連続優勝、年間13勝という記録は今だに破られていません。天が二物を与えたこのプロゴルファーだけに、その言葉には大変な重みがあります。
 ゴルフっていうのは本当に不思議だと思いますね。打つ前に、「あの池に入ったらいやだなあ」とか、右のOBが怖いな」、などと思っていると、たいてい池に入ったり、OBになったりするものです。
 不肖三平など、30年以上もゴルフをやっていながら、いまだに同じように池やOBに打ち込みます。行ってはいけないところのイメージをしただけで、その通りになってしまいます。ゴルフの心理なのでしょうか?
ミステリアスな部分です。ですから打つ前は、頭の中を空っぽにしておくことが肝心なのです。このミッキー・ライトの言葉をしっかりと念頭に入れ、空っぽの頭にする練習をしてみましょう。練習場での鍛錬もいいかもしれません。とにかくゴルフは前向きに楽しくプレーすることが肝要です。

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勇太とさくらが秋に勝負とばかりにまず1勝  15:13

 やはりこの二人が出てこないと今の日本のツアーはつまらないですね。しばらく韓国勢に優勝をさらわれていましたから、してやったりです。男子の池田勇太は、最終日、競馬でいう「マクリ」をやりました。最終日62という爆発力で2位以下には付け入るすきを見せずに優勝しました。日本オープンでのキムヒョンテばりのマクリでしたね。ちょっと疲れの出ている石川遼君を尻目に、本来のたくましいショットを取り戻したようです。春先にあれだけ海外のトーナメントに出場し、いわゆる修行に出ていたということになるかと思いますが、それが先週にブリジストントーナメントでやっと成果が出てきたということではないか、と思います。
あの恐ろしいしいほど正確だったアイアンショットを見れば、誰でもそう思うと思います。レポーターをやっていた羽川豊プロもすごいの一言でした。
だからこれからのビッグトーナメントが続く11月は面白い試合が見られるのではないでしょうか?石川遼に池田勇太、兼本、松山など、そして海外からの出稼ぎ組が絡んで、熾烈な戦いが見られるのではないでしょうか?楽しみですね。
 一方横峯さくらもホールインワンのおまけつきで優勝。これまで世界のトップランクの韓国勢が大挙して日本のトーナメントに出場してきているわけですので、日本の選手達も大変だと思います。まさに韓国のプロゴルファーのほうが強いのか、という質問がかなり三平のところにも来るようになりましたが、残念ながら米国のメジャートーナメントでさえ韓国勢に優勝をさらわれている現状では、日本勢は劣勢と言われてもおかしくないところです。しかしそれをはねのけてさくらがものの見事に優勝。2位の馬場ゆかりも最後追い込んだのですが、もう一歩及ばなかったですね。さくらもパットが入るようになれば間違いなく優勝してくると思います。男子、女子とも目を離せないトーナメントが続きます。

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松山英樹が日本オープンでも大活躍 2010年10月18日月曜日 13:34

 本年の日本オープンは、金庚泰の圧倒的な強さと松山英樹の大物ぶりが目立った大会でした。特に松山英樹のプレーぶりを初めてテレビで見ましたが、この強さは本物ですね。15年前に三平は、初めてアーニー・エルスをジャマイカで開催された世界チャンピオンズトーナメントで見ましたが、その時の衝撃と同じようなものを感じました。堂々として、またふてぶてしさといい、スイングのゆったりさ、といい、そっくりです。世界には、こんな選手がいるんだと思いながらいつのまにか、彼のゴルフに魅入られていたのを思いだしました。松山選手を見ていてそんな思いを久々に感じました。パットも堂々と真ん中から入れるタイプだし、日本一の大舞台なのに全く物おじしないプレーぶりには、脱帽です。石川遼君もうかうかしていられないのではないでしょうか?
 石川遼君にはタイガーのような、奇跡のショットがあります。松山君には、堂々とした王道を行くゴルフです。まさにアーニー・エルスそのものです。タイガーとエルスは今でもライバル関係にあり、この二人の切磋琢磨があったからこそ、タイガーも爆発できた、と思います。
 この石川遼、松山英樹の二人は数年後間違いなく、優勝を争う激しいデッドヒートの戦いをする関係になると三平は予想します。いまから楽しみですね。

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18歳のアマチュアが来年のマスターズ出場決定 2010年10月13日水曜日 13:10

 先週アジアアマチュアゴルフ選手権が埼玉県の霞ヶ関GCで開催されました。アジア太平洋地区のアマチュアが、アジアNO1ゴルフファーの座をかけて戦う競技です。今回他の国の強豪を退け、ダントツで優勝したのは、東北福祉大学1年生、18歳の松山英樹選手。初のアジアチャンピオンに輝いたのです。
 この優勝の凄いところは、何と来年のマスターズに出場できる権利を取得したことです。これは凄いことです。マスターズには、プロが1年間頑張ってもなかなか出場できない、出たくてもどうやって出ることができるのかわからないのです。マスターズ委員会から招待状が来て、初めて出場できるシステムになっているのです。賞金王を取ったからと言っても出場できる保証はありません。日本オープンに勝っても出るわけではありません。ちなみに1984年賞金王となった前田新作は、翌年のマスターズに招待されませんでした。
 最近でこそ世界ランキングなるものができて、その50位以内は文句なしに出場できる、となりましたが、その他は、厳正なマスターズ選考会にて選考し、マスターズにふさわしい選手を招待するという基準で決められます。
 そんな厳しい基準の中、アジアのアマチュア選手権に出場権を与えるというのは大変なことなのです。こういう寛大な選考基準を作っていただけたら、アマチュアも頑張るし、ジュニアの一生懸命頑張るのではないでしょうか?非常に前向きのゴルファーに育っていくような気がします。非常にいいことだと思います。だってもしかして、頑張れば、ボギー三平だって出場できる可能性がある、ということになりますよね?
 韓国勢に圧倒されている女子プロ界からはマスターズは無理ですが、男子なら誰でも出ることが可能になります。先週のキャノンオープンでも素晴らしい大会となりましたが、こういう前向きの素晴らしいシステムを作っていただけたら、ゴルファーはさらに増えると思います。ボギー三平も久々にいい話を聞いた、という感じです。

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京都在住身障者ゴルファーの鑑 2010年10月12日火曜日 15:35

 京都に坂本勉さんというゴルファーがいます。ご自身は、株式会社洛北義肢という高収益を上げている企業の社長ですが、一方では大のゴルフ好き。しかも坂本さんは、子供の頃小児マヒを患い、60歳を超えた今でも両足がマヒしたままです。しかし会員となっているコースの月例には毎月欠かさず出場、ハンディキャップ24の腕前です。
 そんな坂本さんとゴルフをしました。ご自身がメンバーとなっている京都府のグランベール京都ゴルフ倶楽部でのお手合わせでした。当日は坂本さんが主宰するRGカップのトーナメントの日。150ヤード前後のドライバーに積極的なアプローチとパットで大胆にピンを狙ってきます。足の不自由さをしっかりとカバーし、実に小気味のいいゴルフをします。坂本さん曰く、「私はギャンブルはやりませんし、遊びはゴルフだけ。会員となっている6コースを順繰りに毎週行っています。でもゴルフは、楽しいし、人生の憩いの場になるし、癒しの空間になっています」というようなことをサラっとおっしゃいます。自分のことしか考えないゴルフファーには、怒りを感じ、ショットの不調にはやや悩み、楽しいゴルフには、笑いが満載といった感じです。いつのまにか引き込まれていきます。ゴルフは彼の人生にとって必要不可欠のもの、ということが実によく理解できます。こんなゴルファーも珍しいです。コースですれ違うスタッフやキャディーさん、レストランのウエイトレスさんの誰からも声をかけられます。実にうらやましい限りです。
 お聞きすると小児マヒになり不自由な足をどうしようか、と悩んでいる時に、自分の足は自分で作ろうと一念発起。義足や不自由な足の補助する器具を製作する会社を立ち上げたのです。今や日本でも有数の会社になりました。これもゴルフの精神を育んだ賜物ではないでしょうか。ゴルフも自分自身が審判で、自分の責任は自分でとらなければいけません。自己責任のスポーツです。決して他人のせいにはしません。いい相乗効果となったようですね。またお手合わせをしてみたい、ボギー三平ご推薦のゴルファーの一人です。
 

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タイガー・ウッズがライダーカップ代表に選ばれました! 2010年10月7日木曜日 15:13

 不振にあえぐ、我らがタイガー・ウッズが、栄光のライダーカップ米国代表に選ばれました。米国チームのキャプテン、コーリー・ペイビンによる推薦枠での選出でした。ライダーカップと言えば、あまり日本ではなじみがないですが、欧米では、オリンピック、サッカーのワールドカップに並ぶ三大スポーツイベントと言われています。ライダーカップの代表選手になるということは欧米の全ゴルファーの憧れの的です。タイガーもプロ宣言した際のインタビューで、「メジャーの優勝とライダーカップの代表選手になることを目指します」と答えていたのを思い出します。ライダーカップは、2年に1回米国とヨーロッパのコースで交互に開催されますが、今年は、英国ウエールズのセルティックマナーというコースで開催されました。ロバート・トレント・ジョーンズjr設計の新しいコースです。三平も過去何度か見に行きましたが、全試合マッチプレーなので、選手とギャラリーが一緒に興奮する盛り上がりのすごい大会です。
 代表選手は、12名ずつ。過去2年間の各ツアーの成績をポイント制にしてランクをつけ、上位8名の選手が自動的に選ばれます。他の4人は、キャプテンの推薦で決まります。今回タイガーはこのペイビンの推薦で辛くも代表に選ばれたのです。ペイビンも悩んだことでしょう。発表した瞬間から非難が出ました。他に優勝したり、ランキングが上の選手がたくさんいたからです。でもペイビンは、タイガーは米国にとって不可欠という信念を貫いたのようです。今回の結果は、1ポイント差でヨーロッパチームが勝ちましたが、タイガーは最終日も勝利し、貢献していました。
 どんな大会でも話題を提供するタイガーですが、こんな記事を書かれないように早く復活してほしいものです。三平の心からの願いです。

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ジャンボ尾崎が世界のゴルフ殿堂入り!?  14:58

 現在もシニアツアーにも行かず、現役で出場続けているジャンボ尾崎が、世界のゴルフ殿堂入りをしました。噂によれば、「誰が俺を選んだんだ、俺にも断りもなしに」というのが第一声だったそうです。既に還暦を超えながら、石川遼などと一緒に戦い、優勝を狙っている姿には、頭が下がる思いもあります。しかしグリーンで他の人のパッティングの最中は椅子に座りながら待つ、という姿には痛々しさを感じざるを得ません。
そんなジャンボの一途さに対しての選考なのか、今回の殿堂入りは、世界の名選手の仲間入りを果たしたことになります。日本でこれまで殿堂入りしたプロは、樋口久子、青木功、岡本綾子の各プロです。この3人は、海外での輝かしい戦歴があり、これを評価されたものです。しかしジャンボは海外へはメジャーを除いてほとんど行かず、国内だけで92勝も上げています。これが逆に評価されたようです。
 オリンピックの正式種目にもなり、ゴルフ熱をさらに盛り上げるため、という理由ではないか、ということも囁かれています。
 でも三平は、このジャンボの生き方も人生だと思います。一途に追い求める姿というのも評価されてしかるべきではないでしょうか?ただ傲慢とも感じる言動が気にはなりますが。
 それにしても日本のゴルフ界にとってはおめでたいことだと思います。純粋に祝福したいと思います。

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米国が育てた宮里美香がぶっちぎり優勝ー日本女子オープン  14:40

 アマチュア時代は日本でプロになるものと思っていた宮里美香が、いきなり米国でプロを目指したのが、3年ほど前だったでしょうか?思い切りのいいショットと持ち前の強気のゴルフが、必ずやプロの世界でも活躍するだろう、と評論家諸氏からも期待されていました。しかし彼女はいきなり米国に行ってしまったのです。
しかし案の定米国でも大活躍。優勝こそないものの、米国賞金ランキングでも20位に入る大健闘しています。米国のツアーでの優勝も時間の問題でしょう。その宮里美香が、今年の日本女子オープンで2日目から独走体制に入り、そのまま優勝を遂げたのです。実に見ていてテンポのいい、リズム感のある楽しいゴルフを見せてくれました。
今回の開催コースの大利根CCは、名門中の名門コースですが、彼女にしてみれば、米国のコースで育っているだけに、深いラフに捕まらなければ、楽勝だったのではないでしょうか?他のプレーヤーには目もくれず、
黙々と自分のゴルフを展開していました。その象徴が、最終18番ホールのパット。短いパットが残ったのですが、もう一人のパートナーのパットを待たずして、簡単にカップインしてしまったのです。通常は、最後の優勝パットは残すもの、と決まったいるはず。解説の樋口久子プロも思わず、「あれ、入れてしまいましたね」と苦笑している感じでした。宮里美香にしてみれば、いつも通りに淡々とゴルフをしていていつも通りにカップインさせたのでしょう。他のプロは眼中になく、コースに対する印象も、淡々とプレーするだけで、どうとも思っていなかったように思います。
 やはり米国の難度の高いコースでもまれているだけに、このようにまっ平らで、それほどプレッシャーのないコースでは、言葉には出さないと思いますが、楽勝だったのではないでしょうか?宮里藍も同様だったと思います。彼女の場合は、ちょっと体調が悪かったようですね。体調が悪くてもベスト10には入っています。また2位に入った佐伯三貴も最終18番ホールで隣に打ち込むも、そのまま隣のホールをプレーし、グリーンにパーオンのパーでホールアウト。こちらも米国のコースには慣れているプロでした。
うーん、またまた日本のコースのレベルを感じさせる大会でした。

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偉大なプレーヤーの名言レッスンコーナーその13 2010年10月1日金曜日 15:52

 『半端なゴルファーほど自分のスイングについて語りたがるもの』
  戸田藤一郎(1914~1984)
 戸田藤一郎は鬼才と呼ばれ、日本のプロゴルフ勃興期を背負った一人です。キャディーから身を起こし、日本を代表する名門・廣野ゴルフ倶楽部でプロになりました。1935年に渡米し、全米オープンなどに出場し、当時の米国を代表する名選手・ウォルター・へーゲンの回顧録にも、「日本からやってきた6人の中でも最も素質抜群」と書かれたほどです。1939年には、日本オープン、日本プロ、関西オープン、関西プロに優勝し、同年グランドスラマーと騒がれました。57歳で公式戦優勝の最年長優勝記録の持ち主でもあります。
 サングラスをかけ、黒ずくめのファッションに身を包み、練習は深夜、みんなが見ていないところで行ったという異色ぶりは、三平もかすかながら覚えています。鬼才と呼ばれたのもうなずけます。そんな異色の天才がいつも言っていたのが、表題に掲げた言葉です。
 これからゴルフを始める人はもちろん、長くやっている人も、ゴルファーの価値を推し量る指針として、この言葉をかみしめてみることを、三平は提案したいと思う今日この頃です。

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