パット イズ マネー ! 2012年4月23日月曜日 11:25

 宮里 藍ちゃんが今季初優勝を遂げました。今季は優勝してもおかしくない惜しい試合がいくつもありました。ですから皆さんもいつ優勝するんだろう、と待ちに待った優勝だと思います。
 今回の勝因はやはりパットです、と優勝後のインタビューでもはっきり本人が言ってましたが、米国ツアーで勝つにはパットが最も大事です。ショットは誰にも負けないほどの状態になっていましたし、ドライバーの飛距離も270ヤードと欧米の選手や韓国勢と比べても遜色ありません。問題は、グリーン周りのアプローチとパット。グリーンに近づいたところのショット、パットが良ければいつでも優勝する状態にあったのです。
 日本のコースと違って米国のコースは、グリーン近く、そしてグリーンに乗ってからが難しくなります。日本のコースは、グリーン近くまでボールを運べば一安心というコースが多いのですが、米国のコースは逆です。そこからが勝負なのです。だから青木功プロもいつも言ってましたが、「日本の選手は、メジャーの直前になって、米国に行き、優勝を狙うなんて言ってるけど、それは無理。あのグリーンに慣れるまで1年以上かかるよ。」と口癖のように言ってました。「ジャンボには何度も言ったんだけどね。来なかったなあ。」としみじみ言っていたのを思い出します。
 つまりそれだけアンジュレーションが厳しく、考えさせられるグリーンとグリーン周辺なのです。テレビでマスターズのグリーン上での各選手のパッティングを見れば皆さんお分かりだと思いますが、カップ方向の45度以上右を狙って打つパットがなんと多かったことか。青木さんなどは、「ティーショットの時からピンポジションを意識して打たないと大変なことになるグリーンも結構あるよ。」ということでした。
 ですから藍ちゃんもやっと米国のコースのグリーンをマスターしてきたのでしょうね。今回の優勝がそれを証明して見せたようなものです。藍ちゃんファンの三平としては、うれしくてしょうがない月曜日でした。

偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その43 2012年4月17日火曜日 10:12

『自分自身の心をコントロールすること。それは激情を抑えることではない。激情を自分に起こさせないよう、日頃から心の鍛錬をしておくことだ。』
                              ジャック・ニクラウス(1940~)
 あらゆるスポーツを含め、20世紀最高のアスリートと謳われた帝王・ジャック・ニクラウス。現役時代の集中力はそりゃすごいものがありました。パットラインを読んでる間に帽子が飛んでいったのを、そのプレーが終わったあと気づいたというエピソードもあったほどです。そして自己を客体化し、自己を第三者的にみつめる心が冷静さをつくったのでしょう。ニクラウスの持つメジャー勝利数18に、あと4と迫るタイガーにこの冷静さがあれば、追いつき追い越すことも可能だと思うのは、三平だけではないと思うのですが。

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マスターズに見る人間模様 その2 2012年4月13日金曜日 10:55

マスターズのもう一つの魅力は、過去の優勝者を大事にし、ゴルフ界の繁栄に貢献したプロを何歳になっても招待していることです。いわゆる温故知新です。過去の栄光に限りなく尊敬の意を表し、新たなプレーヤーの活躍を祈る、というゴルフの歴史を大事にする大会ですね。アーノルド・パーマー、ジャック・二クラウス、ゲーリー・プレーヤーが今年のマスターズのスターターを務めていましたが、あれを見たパトロンたちは興奮したでしょう。スタンディングオベーションで迎えられた晴れやかな姿は感動ものです。
 そんな中にあって、まさに大会の中心人物にならないといけないタイガー・ウッズの行動は問題です。パー3でミスショットした瞬間、クラブを放り、しかも足蹴りしていた姿が全世界に放映されてしまいました。三平もタイガーの大ファンです。デビュー当初よくトーナメントに行き、追っかけ取材をしていました。その頃もクラブを投げたり、4レターワードを叫んだりしていましたが、勝負にこだわる姿だからしょうがない、と思って許してはいたのですが、今や30歳を過ぎ、大記録に向かってまい進するゴルフを見せながらも、若手プロのお手本になるような尊敬されるべきゴルファーにならないといけない立場です。皆さん、数年前までのタイガーは、プレー中の素行が悪く、ツアーから年間1億円ほどの罰金を科せられていたなどということはご存じないでしょう。それでも優勝を続けていたし、タイガー目当てのギャラリーが多く集まっていましたので、それほど話題にはなっていなかったと思います。しかし今や立場は危ういものになっています。
以前タイガーのティーチングプロのだったハンク・ヘイニーがタイガーの実態という暴露本を書いたようですが、書いたこと自体あまりほめられたことではありませんが、あの人格者のハンク・ヘイニーが書いたのですから、実際腹にすえたことがたくさんあったのでしょう。このあたりでタイガーもそろそろ大人にならないと誰も見向きをしなくなることだってありえます。
 あのパー3での足蹴りなどマスターズでやるべき行為ではないですね。マスターズそのものをけがす行為です。激励の喝を入れたいですね。

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マスターズに見る人間模様 2012年4月12日木曜日 14:17

ババ・ワトソンの劇的な優勝で幕を閉じたマスターズですが、さすがに世界最大の祭典マスターズだけあって、いろいろな人間模様も垣間見られました。もっともびっくりしたのは、やはりババ・ワトソンの人望の厚さ。過去何年も見てきたマスターズの中で、優勝の瞬間、これほど仲間のプロ達が祝福に駆けつけたシーンはなかったのではないでしょうか?仲がいいプロとは言え、試合になればライバル、勝負が終わった瞬間は皆悔しいはずです。しかし今回何人ものプロ達が祝福の抱擁をしていた姿がみられました。それだけ苦労人なのか、やはり人間味のあるプロなんでしょうね、珍しい光景でした。 またまた楽しみなヒーローが誕生しました。
 また52歳のフレッド・カプルスも頑張っていましたね。オーガスタの隅々まで知り、過去3回も優勝しているので、楽しんでプレーしている雰囲気が感じとられました。一時は優勝の可能性がありましたので、フレディーと大きな声で声援している人も多かったようです。結局12位でしたが、来年もいいプレーが見れると思うと三平の楽しみがまた一つ増えました。 
 日本勢は、松山英樹の活躍がまた最後尻つぼみになってしまいましたね。タイで開催された全英オープン予選会でも圧倒的首位で最終日を迎えながら、急降下で出場権を逃しました。今回も7打差もあった最終日、突然の乱調でローアマのタイトルがするりと逃げてしまいました。精神的な弱さなのか、おっちょこちょいなのか、落ち着きのないゴルフでしたね。精神的な弱さと言えば、石川遼のゴルフに対する姿勢が問われた大会でした。根本的にゴルフの理論やゴルフに対する姿勢をもう一度復習したほうがいいのではないでしょうか?ある種甘やかされた環境では、いい素質も開花せずに終わってしまうのではないでしょうか?親離れが必要な雰囲気もありますね。

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今年もすごい戦いだったマスターズ 2012年4月9日月曜日 13:24

今年のマスターズは、過去75回開催の中で13回しかなかったプレーオフにもつれ込み、米国のババ・ワトソンが2ホール目に、ルイ・ウエストハイゼンを下して初優勝しました。感動の優勝シーンでした。ウエストハイゼンが、2番ホールでダブルイーグルを達成、トップに立ち、最後までミケルソンやマット・クーチャーなどの猛追を受けながらもトップをキープ。しかしババ・ワトソンだけが、こまめにバーディーを積み重ね、いつの間にかウエストハイゼンに並んでいたのです。プレーオフ最後のホールでは、二人ともトラブルショットとなり、リカバリーショット同志となりましたが、数十ヤードも曲がるフックボールで見事2オンしたババ・ワトソンに軍配があがりました。マスターズはいつの大会も手に汗を握るシーンの連続です。神様が付いていた選手が優勝するのか、あるいは、スーパーショットを出した選手が優勝するのか、最後の最後まで目を離せない試合展開となるのがマスターズの魅力です。今年も最後までテレビの前から動けませんでした。それにしてもすごい大会ですね。素晴らしいコースセッティングがそうさせるのか、76年という歴史がそうさせるのか、世界の選ばれた選手の闘いだからなのか、すごい大会でした。この大会の魅力の分析はまた検証して行きましょう。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その42 2012年4月2日月曜日 10:02

『扇風機は心棒が不動やから、いつも同じ首振りができんるんや』
                            戸田藤一郎(1914~198)
 当時、最年長記録の57歳で、レギュラーツアー・公式戦(関西オープン)を制した戸田は鬼才と呼ばれた。その長寿の秘訣は165センチの小兵ながら長打、そして比類なきショットの正確さにあった。そしてゴルフを語るとき、可能な限り英語は使わず、身近にあるもので比喩した。表題の「言葉」もその類で、「スイング軸が不動やからこそいつも同じ振りができ、同じ風がくるんや。ゴルフスイングも同じや」と、そばにあった扇風機を指しながら語ったものだ。今に残るスイングの連続写真は軸である背骨は微動だにず、ダウンで腰のあたりまで、シャフトは鋭角“に溜まって”おりてくる。飛んで曲がらないわけだ。

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