惜しかったね、あと一歩だった有村智恵。 2011年2月28日月曜日 16:34

 シンガポールのタナメラCCで開催された米国ツアーSMBC女子チャンピオンズで、有村はあと一歩のところで優勝を逃し、準優勝に終わりました。1打差の惜敗とは言え、3日間首位を守っての2位は立派です。最終日にカリー・ウエブに抜かれての2位というのも価値があります。まさに大魚を逃したという感じですね。世界の壁は厚かったという思いで、悔しさ100%でしょう。
 でも三平は褒めてあげたいですね。あの159cmの小さな身体で、あのタナメラの難しいティフトン芝を克服したのですから。タナメラは、三平のヨーロピアンツアーのジョニーウォーカークラシックで、1週間仕事をしていたコースです。空港からすぐ近くの林間コース。林のうしろは海という立地ながら、平らで雄大なコースです。赤道のほぼ近くにあるコースですから、芝はティフトン。ラフに入ってしまうと粘っこい芝にクラブヘッドがからみ、ボールが飛んでくれません。グリーンも腰の強い芝なので、カップ付近で微妙な変化があります。そんな日本人が慣れていない芝ながら、よく3日間も首位をキープしたものです。
 まあ相手が、メジャー優勝者のカリー・ウエブですから、よく戦ったと思います。それにしても惜しかったですけどね。
 日本はオフシーズン中ですから、彼女にとっては今シーズンの初戦。初戦でこれだけの結果を残したということは、このオフシーズンは相当練習を積んだのではないでしょうか?米国ツアーに出場する心構えはしっかりできていたことになります。今年はかなり期待できそうですね。楽しみです。

ラベル:

気になった予選落ちの石川遼のコメント 2011年2月21日月曜日 13:00

 米国PGAツアーのノーザントラストオープンで石川遼は、あえなく予選落ちとなってしまいました。今シーズンの初戦でしたし、会場のロスアンゼルスのリビエラCCは、キクユウグラスのコースで、全く日本にはない芝での試合だけに難しいコンディションだったと思います。
 しかし予選落ちした際のコメントが、「本格的な試合に出る準備がまだまだだった」というものでした。
確認しておきますが、この大会は米国PGAツアーの大会です。3月スタートの日本ツアーの初戦なら、このコメントはしょうがないと思いますが、場所は石川が所属していないの米国PGAツアーです。世界ランキングがいくら50位以内に入っているからといって、米国には石川の参戦で、この大会に出場できなくなった選手がいっぱいいるのです。また主催者に対して、準備不足でした、というコメントをすること自体失礼な話です。出場するなら、万全を期し、出場できなかったプロに対しても、あれじゃ自分が出れなくてもしょうがないです、というコメントになるぐらいの準備が必要でしょう。予選落ちの照れ隠しということなら、三平も大目に見ますが、単純に準備不足ということなら、何たる失礼な話か。勘違いも甚だしいと言いたいです。
 主催者に対して、万全なプレーをし、観客をうならせるプレーをしてくれていたならお金を払って見に来てくれているギャラリーに対しても問題ないでしょうが、準備不足でした、というなら準備ができてからいらっしゃい、ということになります。
 過去見事なコメントで評判のいい記者会見などしていただけに残念です。今回のコメントを聞いて、これまでは誰かうしろでゴーストライターによるコメント作成が行われていたんではないか、と疑ってしまう三平です。
 やはり主催者やギャラリーに対し、しっかりとした気遣いを身につけないと尊敬されるプロゴルファーとは言えません。激励の喝!を入れたいと思います。

ラベル:

張本さんのプロ選手の海外遠征に関する発言に思う。その1 2011年2月14日月曜日 10:38

 三平も仕事やゴルフに行かない日曜日は、朝のニュース番組関口宏のサンデーモーニングを必ず見ることにしています。スポーツコーナーの張本勲さんや小山武明さんの辛口評論、鋭い洞察力に敬意を表しながら見ています。
 張本さんの解説には、好き嫌いがあるかもしれませんが、長い経験とスポーツを愛する心がきちんと言葉で表現されています。野球も格闘技だなと思われる駆け引きや打者と投手の戦いの呼吸の違いなど、参考になるような話が聞けます。
 しかしその中で、一つだけ賛同できない意見があります。それは海外への移籍や遠征についてです。張本さんは、なぜ海外に行くのか、行かないで日本で活躍して、日本のファンに素晴らしいプレーを見てもらうほうがいいのではないか、とあらゆるスポーツに対してコメントしています。そのような意見は、彼だけでなく、私の友人で、テレビでスポーツ番組を実況していたアナウンサー氏も言っています。
 私は、ゴルフの場合に限っては、ちょっと違う意見を持っています。ゴルフの場合は、逆にもっと積極的に行かないとだめだろうと思っています。なぜならその理由は戦う場のゴルフ場にあります。欧米のゴルフコース、あるいは日本でも海外の設計者のコース、海外の設計者に指南を受けた日本人設計者ならある程度許せるのですが、欧米のコースにはゴルフの本質の歴史を受け継いだコースがしっかりとあるからです。欧米の一流設計者というのは、ゴルフ発祥の地のセントアンドリュースやミュアフィールドなど、ゴルフの起源を調べ、なぜここまでゴルフが長い間受け継がれているスポーツなのか、という観点からしっかりと勉強しているのです。土木のこと、植物のこと、ゴルフの持つゲームのこと、自然との戦い、あるいはゴルフルールのことをしっかりと勉強しているのです。その上で18ホールの流れやハザード、どんなゴルフの展開をゴルファーに楽しんでもらえるか、ということを真剣に研究を重ねて造り上げているのです。そんな本物のゴルフコースでの戦いを演出する海外でのトーナメントに、日本人ももっと参加すべきだろうと思います。真剣に海外のコースとの戦いに参戦していけば、ゴルファーのマナーも変わりますし、尊敬されるべきプロゴルファーの誕生は間違いないところです。
 だからゴルフだけは、海外にどんどん出ていくべきだと三平は、真剣に思うのです。
このテーマは、何度かに分けて書かないと誤解される部分があるので、さらに次回書かせていただきます。

ラベル:

ゴルフ界の007とは! 2011年2月10日木曜日 12:10

「最近ゴルフ場で007という言葉をよく聞くのですが、諜報部員か誰かが暗躍しているのですか?」という質問を、真顔で聞いてくる人がいました。諜報部員を送るほど機密などゴルフ場にはないと思いますが、と冗談を言いつつ、解説しますと、実は、3,4年前あたりから日本でも普及し始めたのですが、ベントグリーンの新種の芝の名前なのです。これがまたいい芝なのです。
 昨年大変な暑さに見舞われ、あちこちのグリーンが赤焼けしましたが、この007はその暑さにも強く、芝の葉が細い、さらに生育のスピードが非常に早いのです。同じような芝にスーパードミネントという芝やL93などいくつかの新種の芝が登場しています。ほとんどが米国のオレゴン州で生まれた芝です。
 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、世界中のグリーンは、ベント芝かティフトン芝です。ベント芝は、温帯地方から北の地域のゴルフ場で採用しています。ティフトン芝を採用しているのは、亜熱帯地方から熱帯地方のほとんどのゴルフ場で採用されています。
 この中でベント芝は、これまで数千種類にも上るほど開発されています。年間数百種類にもなります。もちろんゴルフ場だけではなく、ガーディ二ングが盛んな欧米各国の町や公園、一般家庭で使われています。一度当たると大変な収益にもなる芝の種の開発なのです。それでネーミングもいろいろあるんですね。開発した人の名前や投資家の名前、地域の名前、番号などいろいろです。その中でこの007やスーパードミネントなどのネーミングというのは面白いですね。一般のゴルファーには何を言っているかな、としか聞こえないでしょう。
 これまで世界のゴルフ場でもっとの多く使われたのはペンクロスという芝です。日本でもほとんどのコースが採用しました。これは3種類の芝の掛け合わせで作られています。しかし007やスーパードミネントは、20種類以上の芝の掛け合わせです。理論的には20種類もの芝の長所を集めた新種、ということになります。だから暑さ、葉の強さ、生育の早さなどが非常にいい芝なのです。
 温暖化が年々広がっていく中、新しい芝で昨今の厳しい気象条件を乗り越えよう、というゴルフ場のささやかな企業努力なのです。
 これらの芝はオーガスタナショナルでも採用され、いい結果を生んでいます。速いグリーンで丈夫なグリーンができていますから、きっとまた楽しいゴルフを味わうことができると思います。期待してください。

ラベル:

宮里美香プロの所属契約に思うプロゴルファーのスポンサー  11:07

 米国LPGAで活躍する宮里美香選手が、NTTぷららと所属契約を結びました。推定金額が3年で9000万円ということですから、所属契約の部門でも、名実トッププロとなったということですね。
 プロゴルファーというのは経費がかかる仕事なのです。毎週全国あるいは世界中のあちこちを移動し、ホテル代、食事代、身体のケアをするマッサージ代とかトレーナー代など必要経費がかなりかかります。
 しかし昨今の経済状況で、スポンサーがつくプロゴルファーはごくわずか。まずシード選手というのが条件ですし、シード選手の中でも契約できずフリーの選手がかなり存在する時代です。賞金だけで、前述の経費を賄ってしまうと、手元に残る金額は、本当に少ないのが現状なのです。ある選手に聞くと年間500万円ぐらいの経費がかかってしまいます、ということでした。
 プロテストに合格したばかりの新人などは、よほどのことがないとスポンサーはつきません。その昔、三平もよく選手からと企業の双方からスポンサー契約の紹介を依頼されました。契約書もかなりの数の選手の分を作成した経験もあります。バブル期などは、契約したい会社が殺到したこともありました。その時は、三平はよく新人の選手には、最初から高い金額を望んではだめですよ、実力が付いてから除々に上げてもらい、長く付き合ってもらうほうがいいですよ、とよく偉そうに言ったものです。新人の頃でだいたい500万円前後の契約が妥当ではないでしょうか?などとスポンサー企業にもアドバイスしていました。調整が大変だったのは、トッププロの時と海外の名選手との契約の時でしたね。やはり宣伝効果という観点で健闘されますから、どの程度の露出でどの程度の効果があるか、などとよく企業からは聞かれました。
 その昔の契約というのはほとんど相撲のタニマチ的な契約が多かったようです。青木功選手などは、ある大企業のオーナーから白紙小切手を渡され、好きな金額を入れておいていいよ、と渡されたそうです。青木功選手も元来まじめな方ですから、逆にほんの100万円ぐらいしか書けなかったなあ、と言っていました。
 それにしても今回の宮里美香選手の金額が大きいですが、それだけ期待されているということなのでしょう。またCMへの出演料も入っているのでしょうね。主戦場が米国ですから、よほどクリーンなイメージだと思います。この契約をはずみにして今年はドンドン活躍してほしいものです。

ラベル:

我孫子GC改造に見る2グリーンへの意識 2011年2月1日火曜日 14:48

 千葉県の名門我孫子ゴルフ倶楽部が2グリーンから1グリーンへの改造を行うと発表しました。単純に改造をすると言ってもいろいろなやり方がありますが、今回の改造は、10か月間コースを休場し、本格的に1グリーンの改造を行うものです。
 これには三平もびっくりしました。大英断です。日本のコースの模範となる決断ではないでしょうか?
ご存知の方もいると思いますが、基本的に2グリーンのコースがあるのは日本だけです。韓国に一部あったりしますが、日本人の設計でした。大昔アメリカにも出現したのが最初で、これは異常気象の時に、緊急避難として2グリーンにしたもので、すぐ無くなりました。日本のある商社マンがこの時の2グリーンを見て、気象的にも厳しく、コース管理技術が未熟な日本に合っているのではないか、ということで日本に2グリーンを持ち込んだのが最初という説があります。
 しかしこの2グリーンというのは、ゴルフ本来の姿ではないのです。あくまでもターゲットは一つ、グリーンに近づけば、近づくほどターゲットが狭くなるのが当たり前で、使用するクラブも正確性を求める短いクラブとなっていく、というのが基本です。元はと言えば、ゴルフ発祥の頃は、グリーンからグリーンへ打っていくスポーツだったのです。現存する最古のルールにも、カップのすぐ横から次のグリーンを目指すという記述があります。ですので世界中どこに行っても2グリーン制のコースはありません。1グリーンが基本なのです。
 日本には、1グリーンのコースはバブル期のちょっと前ぐらいからやっと理解され、建設されてきましたが、全国に2400コースあるうちの半分にも満たないのではないでしょうか?そういう意味でも、日本のコースは、やや欧米のコースに比べ、評価が低くなっているのが現状です。
 今回の我孫子GCの改造は、その観点からも非常に評価されることだと思います。どんな改造をされるのか、あるいはどなたを設計者として指名されるのか、非常に興味深いニュースです。また世界でも高い評価をされるコースを目指すという意識は、日本の各コースに必要な精神だと思います。三平も久しぶりに興奮しています。

ラベル: