ゴルフ界の007とは! 2011年2月10日木曜日 12:10

「最近ゴルフ場で007という言葉をよく聞くのですが、諜報部員か誰かが暗躍しているのですか?」という質問を、真顔で聞いてくる人がいました。諜報部員を送るほど機密などゴルフ場にはないと思いますが、と冗談を言いつつ、解説しますと、実は、3,4年前あたりから日本でも普及し始めたのですが、ベントグリーンの新種の芝の名前なのです。これがまたいい芝なのです。
 昨年大変な暑さに見舞われ、あちこちのグリーンが赤焼けしましたが、この007はその暑さにも強く、芝の葉が細い、さらに生育のスピードが非常に早いのです。同じような芝にスーパードミネントという芝やL93などいくつかの新種の芝が登場しています。ほとんどが米国のオレゴン州で生まれた芝です。
 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、世界中のグリーンは、ベント芝かティフトン芝です。ベント芝は、温帯地方から北の地域のゴルフ場で採用しています。ティフトン芝を採用しているのは、亜熱帯地方から熱帯地方のほとんどのゴルフ場で採用されています。
 この中でベント芝は、これまで数千種類にも上るほど開発されています。年間数百種類にもなります。もちろんゴルフ場だけではなく、ガーディ二ングが盛んな欧米各国の町や公園、一般家庭で使われています。一度当たると大変な収益にもなる芝の種の開発なのです。それでネーミングもいろいろあるんですね。開発した人の名前や投資家の名前、地域の名前、番号などいろいろです。その中でこの007やスーパードミネントなどのネーミングというのは面白いですね。一般のゴルファーには何を言っているかな、としか聞こえないでしょう。
 これまで世界のゴルフ場でもっとの多く使われたのはペンクロスという芝です。日本でもほとんどのコースが採用しました。これは3種類の芝の掛け合わせで作られています。しかし007やスーパードミネントは、20種類以上の芝の掛け合わせです。理論的には20種類もの芝の長所を集めた新種、ということになります。だから暑さ、葉の強さ、生育の早さなどが非常にいい芝なのです。
 温暖化が年々広がっていく中、新しい芝で昨今の厳しい気象条件を乗り越えよう、というゴルフ場のささやかな企業努力なのです。
 これらの芝はオーガスタナショナルでも採用され、いい結果を生んでいます。速いグリーンで丈夫なグリーンができていますから、きっとまた楽しいゴルフを味わうことができると思います。期待してください。

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