我孫子GC改造に見る2グリーンへの意識 2011年2月1日火曜日 14:48

 千葉県の名門我孫子ゴルフ倶楽部が2グリーンから1グリーンへの改造を行うと発表しました。単純に改造をすると言ってもいろいろなやり方がありますが、今回の改造は、10か月間コースを休場し、本格的に1グリーンの改造を行うものです。
 これには三平もびっくりしました。大英断です。日本のコースの模範となる決断ではないでしょうか?
ご存知の方もいると思いますが、基本的に2グリーンのコースがあるのは日本だけです。韓国に一部あったりしますが、日本人の設計でした。大昔アメリカにも出現したのが最初で、これは異常気象の時に、緊急避難として2グリーンにしたもので、すぐ無くなりました。日本のある商社マンがこの時の2グリーンを見て、気象的にも厳しく、コース管理技術が未熟な日本に合っているのではないか、ということで日本に2グリーンを持ち込んだのが最初という説があります。
 しかしこの2グリーンというのは、ゴルフ本来の姿ではないのです。あくまでもターゲットは一つ、グリーンに近づけば、近づくほどターゲットが狭くなるのが当たり前で、使用するクラブも正確性を求める短いクラブとなっていく、というのが基本です。元はと言えば、ゴルフ発祥の頃は、グリーンからグリーンへ打っていくスポーツだったのです。現存する最古のルールにも、カップのすぐ横から次のグリーンを目指すという記述があります。ですので世界中どこに行っても2グリーン制のコースはありません。1グリーンが基本なのです。
 日本には、1グリーンのコースはバブル期のちょっと前ぐらいからやっと理解され、建設されてきましたが、全国に2400コースあるうちの半分にも満たないのではないでしょうか?そういう意味でも、日本のコースは、やや欧米のコースに比べ、評価が低くなっているのが現状です。
 今回の我孫子GCの改造は、その観点からも非常に評価されることだと思います。どんな改造をされるのか、あるいはどなたを設計者として指名されるのか、非常に興味深いニュースです。また世界でも高い評価をされるコースを目指すという意識は、日本の各コースに必要な精神だと思います。三平も久しぶりに興奮しています。

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