大山志保の復活優勝にはもろ手を挙げて祝福したい! 2011年10月24日月曜日 14:35

 ちょうど12年前のことですが、三平が大会プロデュースを務めた日米学生選手権が開催されました。未来のプロゴルファーと嘱望された両国の学生ゴルファー達が激突するという注目の大会でした。この時、日本代表選手として出場していたのが、今回マスターズGCレディースで3年ぶりに優勝を飾った大山志保選手でした。日大ゴルフ部の4年生。当時の日大の監督だった故竹田監督も秘蔵っ子のようにかわいがっていました。大会中彼女の姿をよく見たのはやはり練習場でした。学生のころから練習の虫。日々の努力を怠らないプレーヤーだったという印象でした。
 その大山志保が、ケガから復活して3年ぶりの優勝を達成、これはゴルフ界にとってもうれしい話です。プロスポーツの世界はケガや精神的な障害で崩れる選手が結構多くいます。そのような人たちにとって本当にいい励みにもなったと思います。本人も一生懸命歯を食いしばって練習に励んだのだと思います。プロの世界はちょっとでも成績が悪くなると周辺やマスコミがすぐもうだめだ、と言い始めます。もちろん簡単に復活できるほど甘くはない世界でもあるのですが、しかし米国ツアーにも参戦したほどの実力派ですから、簡単に終わるわけにはいかないでしょう。猛烈な練習の結果だと思いますが、本当にいい復活優勝でした。人間あきらめない姿を徹底して維持していくことは大事なことです。今年は震災など大変な年でした。その被災を受けた人たちに元気を出していただく意味でも、意義のある優勝だったと思います。

ラベル:

偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その33 2011年10月21日金曜日 16:15

『日本人のアイアンが下手な原因は練習マット、高麗芝、そして飛距離重視主義にある。』
                      デビッド・レッドベター(1952~)
 レッドベターといえば、“プロを教えるプロ”として、初めてそのインストラクターを職業にした人です。つまり一流ツアープロを教えて、その対価として契約によりお金をとったわけです。そのレッドベターが日本に来て、ツアープロや一般アマを見ての感想が表題にかかげた「言葉」。練習場のマットはヘッドソールを滑らせてくれますので、たとえダフっても打てますし、高麗芝はボールを浮かせてくれるので、打ちこまずとも楽にボールは上がってくれます。そして飛距離重視のことでは、「日本人はドライバー偏重主義でドライバーばかり練習している。しかしパー5は18ホールで4つしかなく、残りの14ホールはアイアンでグリーンに乗せるのが勝負。遠くに飛ばすより正確なショットを磨くほうが、スコアアップに役立つことは歴然としている」という見解でした。さて、みなさんはどういう練習をしてますか?

ラベル:

日本オープンや日本女子オープンのラフが厳しいわけ 2011年10月14日金曜日 14:38

 先般の和合での日本女子オープンのラフは厳しかったですね。優勝スコアが12オーバーというスコアでも
わかるように、あまりにも過酷な設定でした。米国ツアーで優勝経験のある宮里藍は、アンソンジュでさえ15オーバーにもなるのですから、やはりどこか違うんじゃないの、と言いたくなります。日本オープンしかり、名門鷹ノ台GCのラフもかなり厳しいです。初日が4アンダーでしたら女子オープンほどではないにしてもピンポジションが厳しくなるにつれ、スコアは落ちていくような気がします。これはどういうことか、というと、欧米のコースのほとんどが、FWとラフの芝が同じです。違っていても同じ芝草で生産の年代の違いだけ。しかるに日本のコースは、北海道や寒地のコースは別にして、今回大会が開催されている関東以南は、ほとんどのコースが、FWが高麗、ラフ野芝という組み合わせになっています。それでFWの幅が、大体40ヤード前後で作られています。しかし日本オープンや日本女子オープンは、平均15ヤードの幅にされます。そしてラフは10cmぐらいに伸ばしています。ここでお気づきだと思いますが、我々一般プレーヤーが経験しているラフは、野芝のラフでしかもせいぜい伸びているとしても4~5cm、ところがFWの幅が15ヤードぐらいということは、プロの場合、高麗の芝のラフに落ちる確率が高いということになります。たとえて言うなら、野芝は、猫毛のようなもので、高麗を伸ばすとバリバリの剛毛が伸びている感じなのです。さすがに猫毛の10cmと剛毛の10cmとでは、違いすぎるのです。欧米のラフは、ティフトンという猫毛をくるくると絡まるようにしたものとベントの粘っこい、両方ともクラブヘッドに絡みつく芝です。しかし高麗の剛毛のような強い芝ではありません。こんな芝から打たないといけないので、各選手とも苦労しているのです。剛毛は出すだけで、飛ぶわけがありません。だから苦闘しているのです。一般の皆さんがこのラフから打ったらそれこそ腱鞘炎になってしまいます。日本一を競うトーナメントですから、これぐらい過酷な条件というのはしょうがないのかもしれませんが、いやはやプロは大変ですね。

ラベル:

いろいろ話題に事欠かないゴルフ界 2011年10月6日木曜日 11:27

 最近のゴルフ界は話題に事欠かないですね。有村智恵が手首をけがしたと思ったら、同じ手首のケガで古閑美保がプロ引退宣言。一方松山英樹が日本人選手第1号でマスターズ出場獲得。期待の石川遼は低迷し、賞金王から陥落。海の向こうではタイガーが、世界ランキング50位から脱落。世界ランキング1位のルーク・ドナルドがもしかして欧州、米国両方のツアーの賞金王になるかもしれない、など、日本、欧米とも話題づくめです。
 それにしても松山英樹の活躍は素晴らしいですね。アマチュアながら2年連続マスターズ出場をいとも簡単に決めてしまいました。大試合に物怖じしないそのプレーぶりに将来の日本ツアーを背負う選手になること間違いなしです。
 また有村の頑張りには頭が下がりますね。手首を痛めているにも関わらず、被災地仙台のツアーだから休んでいられない、ラフが厳しくても日本女子オープンには痛みをこらえて出場、とプロ魂を感じます。でも青木功さんではありませんが、体技心、体に自信がないと心に不安を抱え、体もうまく機能しない、という状態でした。でも予選を通り、根性を見せました。こちらも称賛に値するのではないでしょうか?
 タイガーには頑張ってほしい、というしかないですね。新しいキャディーを迎え、心機一転復活してほしいものです。
 一方古閑美保選手の場合はよくわからない引退劇です。どうしてこの時期に?それほどひどいけがなのか?
あれだけ活躍した選手ですから、じっくり治せばまた復活すると思うのですが。プロにはいろいろ考えるところがあるのですね。

ラベル:

またまたコースセッティングが勝負を分けた日本女子オープン 2011年10月3日月曜日 16:18

 今年ほどコースセッティングが厳しかった日本女子オープンもなかったのではないでしょうか?日曜日のサンデーモーニングという番組で小山武明さんが、具体的にコースセッティングを説明していましたが、開催コースの名古屋ゴルフ俱楽部和合コースは、春の男子の中日クラウンズと比べるとはるかに今回の大会のコースセッティングが厳しかったとコメントしていました。また現地で取材していたあるカメラマンのコメントは、横で見ているのもつらかった、と言ってました。確かに馬場ゆかり選手の優勝スコアが12オーバーというのは最近あまり聞いたことがありません。もちろん馬場ゆかり選手の優勝、そして最後まで追いつめて1打差で惜敗した笠りつ子選手の健闘は称賛に値します。
 前回の日本女子プロ選手権では、岡本綾子さんが絶妙のセッティングで選手の実力を計ることができたと思いますが、今回は過酷そのもの。FWは20ヤード前後、ラフは、規定では最長10cmですが、春先と違って芝がしっかりと育っており、ラフに入れたら1打は必ずたたく。まるでスコットランドのリンクスコースのラフのようでした。また3日目の風は厳しかった。風対策には慣れていない日本人のパワーでは大たたきはしょうがない。
 トーナメントのセッティングには、バーディーを取らせて、アンダーの積み上げを楽しむもの、実力を計るようにターゲットラインの中に必ずバーディーラインをセットするもの。それと今回のようにできるだけ難しくし、サディステックなセッティングをするものがあります。見ていてどれが興奮するか、ということを競技委員は必死に考えてセッテイングすると思います。全米オープンに倣えとばかりに日本のオープン競技も同じようにしているようですが、これもいかがかなと思う時があります。きちんとハードなセッティングに立ち向かってバーディーを取るホール、ケアレスミスを誘うようなホール、ベストショットの積み上げでなければいけないホールなど、そのコースの設計に合わせたセッティングが面白いような気がするのですが、いかがでしょうか?

ラベル: