偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その32 2011年9月30日金曜日 13:05

『あるがまま”とはボールのライのみならず、体調、天候、時間環境などすべて含まれる』
                             ボビー・ロック(1917~)

「Play the ball as it lies」、あるがままのライでボールを打つ、というのは、ゴルフの大原則です。つまり、プレー中、グリーンでボールをマークする以外は原則として触るなということです。ボービー・ロックは南ア生まれで、全英オープンを4回優勝、比類なきパットの名手と謳われました。そんな名手が残した「言葉」です。自分の体調も人間である以上、好不調の波があるのはもちろん、天候など自然はその時々、変幻自在です。スタート時間やラウンドでの組み合わせなども、自分で決められるはずもありません。なので、それらは“あるがまま”として受け入れ、自分のゴルフを表現していきなさいと説いたわけです。ただ、ロックは“あるがまま”を受け入れ吟味しすぎて、超スロープレーヤーといわれたものです。それだけは真似しないようにしてください(笑)。

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震災後、ゴルフ場が考える本物志向 2011年9月21日水曜日 11:14

 震災後、被災地以外のコースはどんな状況なのでしょうか?震災の影響はあまりなかった西日本のコースの様子の声を聞きました。
「やはり震災直後の1,2か月は、東京に本社がある支店レベルのコンペはすべてキャンセルになりました。
また雨が降るとキャンセルが多くなりましたね。でも7月から前年対比
増の傾向が強くなりました。」とはある兵庫県のコースの支配人のコメントです。
 そしてさらに顕著な動きが西日本では出てきていると言います。それはコースを大事にするという傾向です。もちろんこれまでも大事にしなかったわけではありませんが。これまで以上にコースに対し気を使う傾向が出てきた、ということです。
 具体的な例では、関西の名門クラブとしてどの名を轟かせる茨木カンツリー倶楽部が、米国設計界の鬼才と言われるリース・ジョーンズの設計でワングリーンにするなどの大規模の改造することになったのです。この
改造の関西ゴルフ界への影響はかなり大きいようです。リースはご存じのように全米オープンなどの開催コースの改造、トーナメントセッティングを担当しています。トーナメント用にその難易度をセッティングする第一人者と言われています。また彼は父親ロバート・トレント・ジョーンズシニア、兄のジュニアと一家のそろって設計者として有名で、しかもこの一家で世界中で600コース以上ものコースづくりに携わっていると言います。まさに世界のゴルフ設計界の第一人者。そのリースを日本に招聘したと言う意味は非常に大きいですね。
 またその兄RTジョーンズ・ジュニア設計の日本を代表するコース、ゴールデンバレーGCも、「今、徹底
してコースを綺麗にしよう、日本を代表するコンディションのグリーンにしよう、ということでコースの隅
々まで整備しています。」とはオーナーの国府氏のコメント。
 関東でも静かに改造ブームになりつつあるが、こういった傾向は、やはりゴルフコースの本物志向、いいコンディションのコースを提供しようという傾向が出てきたように思います。

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震災以後の被災地のゴルフ場はどうなった?  11:07

 東北大震災から半年経ちました。ある友人は、家から事務所に向かうつもりで車に乗るが、時々いつのまにか海沿いの被害のひどい地域に向かっていることがあるという。「やはり亡くなった友人のことが気になるんだろうね、気が付くと海岸のほうに車が向かっているんだよね」という。心の傷はまだまだ癒えそうにないようです。
 そんなある時、被災地のゴルフ場の様子が気になったので、3コースほどおじゃまして様子を拝見しましたた。仙台の山側のコースですが、崩れたフェアウエイやラフ、グリーンなどの陥没したところを改修し、震災後ずれも1,2カ月で営業再開できたという。海側の数コースは未だ開場できないコースや営業を断念したコースも3コースほどあるようです。
 そして肝心のプレーヤーは?「いやあ、最初の1ヶ月は厳しかったですけど、月ぐらいから戻り始め8月などは、前年対比増になりました。」とはいずれのコースの支配人も同様にコメントしていました。うれしい限りですね。
「やはりゴルフは人間の心を癒すからね。ゴルフの真髄を感じ取っている人は我慢できなくなるんじゃない
ですかね。人間関係もゴルフで再構築したいと自然に思うんじゃないでしょうか。こういうところを見ると
ゴルフの仕事をやっていてよかったと思いますよ。」と老支配人のコメント。
「コースは生き物だからね、多少怪我はしたが、回復しましたよ。」ということになるのでしょうか。
 

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トーナメント開催コースの難易度 2011年9月14日水曜日 16:28

 先日開催された日本女子プロ選手権で、解説の森口裕子プロが、「今回のコースセッテイングは、岡本綾子プロにお願いしました。」と紹介していました。最近の日本のトーナメントの解説でこんなことを紹介するのは珍しいのですが、三平は、やっと日本の開催コースも気が付いてきたかな、とうれしく思っています。
 といいますのも、米国のトーナメントなら、必ずトーナメントのたびに改造をしますし、それを一流の設計者に依頼します。さらにラフの深さや幅などもプロの技量を見極めてセッティングします。マスターズを開催するオーガスタナショナルは、前年のプロのショットの傾向をチャックし、毎年コースをマイナーチェンジするのは有名な話です。また全米オープンでは、RTジョーズjrの弟のリース・ジョーンズが、コース改造とコースセッティングを担当していて、FWの幅やラフだけでなく、各ホール間にある林の木の枝のカットまで指示します。だから欧米のメジャートーナメントが熾烈なデッドヒートを演じるのです。
 今回の日本女子プロ選手権の会場になったキングフィールズは、バブル期接待コースとして有名なコースで、普段は比較的いいスコアが出るコースです。それがFWの幅やライン、深さをこれほどトーナメント仕様にするだけで、こんなにも難しくなるんだ、と感心しきりです。
 さすがに米国で賞金女王になった岡本綾子プロです。こういうコースセッテイングをしていれば、日本の女子プロのレベルも上がっていくと思います。女子プロトーナメントの今後のコースセッティングが楽しみになってきました。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その31番外編 2011年9月9日金曜日 13:47

『ゴルフバナシは、人前、特に列車の中では絶対にしないことを申し合わせている』

                    大岡昇平(1909~1988)

 今回はちょっと毛色の変った話をしましょう。腕前上達のことではなく、ゴルファーとしての“つつしみ”の話です。マナーといってもいいでしょう。マナーは『ルールブック』の冒頭に書かれていて、ゴルファーがいちばん守らなければならないことです。むろん大岡昇平はプロゴルファーではなく、純文学の作家ながらゴルフも大好きで『ゴルフ、酒、旅』などの著書もあるほど。そんな大岡が、自分達の趣味を声高に開陳することで、周りを辟易させる迷惑を自戒した「言葉」です。夏の軽井沢から帰る途中、ある評論家から眉をひそめられたことから気づいたといいます。当人達は愉しみでもゴルフをやらない人には騒音でしかありません。ゴルフをこれからやられる方は心していただきたいですね。

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石川遼、有村智恵のケガに思う青木功の「体・技・心」 2011年9月8日木曜日 13:07

 石川遼が、肩の痛みをうったえ今週のトーナメントを欠場。また有村智恵が、手首のケガで長期離脱を余儀なくされる結果となりました。二人とも賞金王の本命だけにツアーに与える影響はかなり大きなものになりそうです。
 こういう時に思い出されるのが、青木功さんの言葉です。アメリカのチャンピオンズツアーに参戦中に応援に行った際、ぽつりと三平に、「おい、俺思うんだけど、心・技・体という言葉は逆じゃないかな、どう思う?」「え?どういう意味ですか?」と答えると、「やっぱりさ、しっかりとした身体、健康な身体があって、はじめて心が安定するし、技だってしっかり出せるんじゃないかな、心が落ち着いていたって、身体がしっくりこなければ、焦るし、心が不安定になる、そんなときに技だってうまくいかないよ」と言うのです。
 言われてみると確かにその通り、説得力がある言葉なのです。長年トッププレーヤーとして君臨していたからこそ、ふっと自然に出た言葉のような気がします。「俺は身体だけは丈夫に生んでもらったから、あまりけがはなかったけど、シニアになってみると体のケアは大事だよ。だから毎日柔軟体操は欠かさないよ、どんなに飲んで酔っ払っていたってやってよ」と言って屈伸して見せてくれたのです。両足を広げて屈伸すると胸が膝にしっかりと付いていました。
 やはり有村智恵も泣いていました。これでは強行して出場しても不安だらけでいいショットなどできないでしょう。石川遼も思いっきりひっぱたいてドライバーをかっ飛ばすのはいいのですが、いつも身体のケアだけは欠かさないようにお願いしたいものです。あのタイガー・ウッズでさえ、ひざの故障に泣いています。復活するかどうか世界中のメディアが注目している状態です。
 今更ながら青木功さんの実体験からくるコメントが深い意味を持っていたことを認識されます。

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