宮里藍帰国会見に感じる『心技体』 2010年12月10日金曜日 13:55

 宮里藍選手が帰国しました。今年は米国ツアーにおいて年間5勝という快挙を成し遂げました。最後の年間最優秀選手賞は逃したものの立派な戦いぶりだったと思います。米国ツアーは何と言っても移動距離が長く、体力勝負のツアーです。北海道から九州までぐらいの距離を毎週移動しながら戦うのです。それだけでも大変な労力を使ってしまいます。この移動だけ考えてもよくやった、と褒めてあげたいと思います。
 こういう話題になると思いだされるのが、青木功選手の『体・技・心』という言葉です。10年以上前のことですが、たまたま米国のチャンピオンズツアーに参戦している青木功選手に同行した時のことです。
「あのさ、心・技・体という言葉があるだろう、でも俺には体・技・心という言い方のほうがピンと来るんだよね」とつぶやいたのです。どういうことですか?と聞くと、「だってさ、身体の健康がしっかりしていて、技も大丈夫、という時じゃないと心のほうは平常心になれないだろう。身体のどこかに不安があったり、技術がこころもとなかったりすると心理状態がよくないよね。だから順番が違っていて、心・技・体じゃなくて体・技・心じゃないのかな、と思うんだよ」ということなのです。
 この言葉が青木功選手よりも、今の宮里藍ちゃんの様子を表現するのにぴったりではないかと思います。技は十分、体力も丈夫ながら、連戦が続くうちに疲れがたまってくる、そしてその疲れが、心理的にも体力に不安が出てくるようになり、平常心を乱してしまう、というものではなかったのでしょうか。だめな時の藍ちゃんはパットが入らない。だからいい時は優勝、しかし何かちぐはぐなプレーをする時は予選落ちをしたりする、ということだったのではないでしょうか?米国人に比べはるかに小さい藍ちゃんの体力は、終盤になるに従って疲れが取れない日々となるのではないでしょうか?今年のオフは、このことに注意しトレーニングを積み、強靭な体力にすれば来年の米国ツアーの天下は藍ちゃんのものでしょう。今年以上に期待できる来年ではないでしょうか?

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