まだまだ早かったメジャー開催コースの攻略 2010年8月17日火曜日 13:24

 世界でも屈指の難コース・ウィスリングストレイツで開催された今年最後のメジャー全米プロでは、石川遼はじめ、期待の日本代表選手達はことごとく予選落ち。世界のゴルフ界の奥の深さを思い切り知らされた格好となりました。1000を超えるバンカーが18ホールに点在し、スコットランドの歴史あるリンクスコースにも負けない、近代の難関リンクスコースを名匠ピート・ダイが造り上げました。日本にはまるで存在しない珠玉の難コースです。こういう難コースでの開催の時は、ゴルファーの真の実力が出るといいます。バンカーだけではなく、グリーン周り、特にグリーンを狙うショットが非常に難しい。距離を正確性を求められ、少しでもはずせば、深いラフやまともにアドレスも取れないようなマウンドやバンカーに捕まる。グリーンをはずしたら必ず1打は多く打ってしまうという典型的な加罰型の意地の悪いグリーン周りです。さらにミシガン湖に面した丘陵地帯ですから風も強い。
 ということは、確実にドライバーをフェアウエイに飛ばし、正確なターゲットにアイアンショット打ち、少なくともパット、2パットで決めるという基本的なゴルフができないとボギーを積み上げてしまうことになります。今回の日本代表は、皆さんボギーを積み上げていたわけです。つまりまだまだコースを攻略する、というところまでの実力には達していなかった、ということになるわけです。石川遼が全英オープンの時のコメントで、トム・ワトソンと一緒に回って、風に対するショットを学んだと言っていましたが、まだまだ自分のものにはなっていなかったということですね。
 いすれにしてもこのような世界レベルの難コースを攻略するには、このようなコースに何度も足を運んで訓練していかないとなかなか上位には来ないと思います。日本ではお目にかかれないコースです。ゴルフに対する意識の違いか、欧米には、なかなか攻略しにくいコースを造りたい、というオーナーが多いのですが、日本では、できるだけいいスコアが出るコースを造りたい、というオーナーが多いのですね。この違いが、日本人が海外で勝てない原因になっているのです。青木功さんが米国ツアーに本格的参戦していたころ、日本人プロに対し、「とにかく腰を米国に落ちつけてプレーしていないとだめだよ、メジャーの2,3試合前に来て、出ましたと言ったっって勝てるわけがない、そんなに海外のコースは甘くないよ」という言葉が今更ながら思い出されます。遼君この言葉をかみしめて来年またがんばろう。

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