偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その37 2011年12月13日火曜日 10:19

『風はゴルフゲームの最も大事な財産。風が様々に変化することでそのホールはいくつもの顔を持つことになるからだ。』
                       チャールズ・マグドナルド(1855~1939)
 当然ながら、風はみえません。だからこそ草木のなびきなどを見て推理するしかありません。その風も時間、季節によって変化しますから、そのホールも一定の攻めかたでは攻略できないことになります。まさにそのホールはいくつもの顔を持つことになるのです。スコットランドのリンクスはまさにそうで、風のないラウンドはただの散歩だといわれる所以です。マグドナルドは「アメリカンゴルフの始祖」といわれるゴルフ場設計家で、第1回全米アマの勝者、USGA(米国ゴルフ協会)の創始者でもあります。「風を嫌ってはいけない。風が自分のゴルフのスキルを育てる教師と思え」との言葉も遺しています。

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今年のゴルフ界は、まさに体・技・心だった。 2011年12月7日水曜日 10:47

来年のゴルフ界を占う前に、今年のゴルフ界の総括を書こうと思いますが、一言で言って、以前青木功さんが突然叫び始めた「体・技・心」に尽きるような気がします。青木さんは、シニアに入ってから、寄る年の波に勝てず、いろいろとケガなどを経験したのですが、ある時、「やっぱり体が健全でないと不安でしょうがない、技も出なければ、心も不安。こんな状態で勝てるわけがない」と横にいた三平につぶやいたことがありました。まずもって体をしっかり治さないと駄目だ、という結論になったのです。今年も石川遼、池田勇太、女子では有村智恵、大山志保、不動裕理など主だった賞金王を狙う選手たちはどこか体のに不安な部分を持ち、さらに”心のケガ”も持っていたような気がします。もちろん大震災の影響もあったでしょう。
 よくメディアでは韓国勢に男女とも押された、日本勢は大丈夫か?などという声が聞かれます。韓国勢と最も違っていたのは、体のケガであり、心のケガではなかったでしょうか?韓国勢の勝利に向かっての意気込みは他を圧倒するものがあります。その典型が賞金王になった選手達であり、最終戦に勝ったジョンミジョンでしょう。負けた日本勢の典型は、カシオワールドの宮里優作の最終日17番ホールセカンドショットとJTカップでの石川遼の最終日14番ホールセカンドショット。まるで勝ちに行っている選手の集中力ではありません。どう見てもこの瞬間勝てないな、と思わせました。
 来年は松山英樹もマスターズ後にプロ入りしてくるでしょう。また女子も今年優勝した藤本や笠、金田などが虎視眈々と狙ってくるでしょう。韓国勢もさらに立ちはだかります。ますます混戦の様相になると思いますが、この体のケガと心のケガを完璧に治した選手が活躍すると三平は予想します。

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ついに今年のツアーが終わった。 2011年12月5日月曜日 13:24

今年のツアーも男子のJTカップを最後に男女とも終了しました。最後は、藤田が最終戦らしく大逆転劇を演じ優勝、ゴルフファンを沸かせました。石川遼や池田勇太、あるいは女子の有村智恵、横峰さくらなどのファンにとっても、最後までやきもきさせ、最後はため息、という感じだったのではないでしょうか?
 石川はいまいち歯切れが悪い1年ではなかったでしょうか。最終のJTカップでも、さあこれから逆転するぞ、という最後のふんばりどころの14番でボギー。イーグルが必須の17番では、ドライバーが右に大きくそれテレビカメラにあたって30ヤードほど戻るなどのアクシデント。どこかやはりおかしいです。そんな意気消沈する場内を一変させたのが、17番藤田のイーグル。この日の後半のパー5は2ホールともイーグルというタイガーばりの猛追を見せ、プレーオフ。追われる立場だった谷口が18番ホールで1m弱のパーパットを外すという信じられないことから起こった逆転劇ですが、こうなると追うものが強い。谷口は追われる立場のプレッシャーからか、最後はグリーンを大きくはズし、万事窮す。最後の最後までわからないのがゴルフという言葉を実践してみせた、という最終戦でした。
 さてこんな最終戦でしたが、なぜこんな最終戦で今年のツアーが終わったか、この後何回かに分け、今年のゴルフを総括していきたいと思います。それにしても藤田の優勝は見事でした。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その36 2011年12月2日金曜日 14:33

『私がアプローチでいちばん多用したのは6~7番。生涯の平均ストロークは2以下。』
                                ポール・ラニアン(1908~2002)
ラニアンは小柄ながら類まれなる小技の持ち主で、全米プロ選手権を2度も獲っています。そこでついたネックネームがリトル・ポイズン(小さな毒虫)。飛ばし屋たちを小さな毒で葬り去っているのです。アプローチでの十八番(おはこ)が6、7番アイアンでの転がしでした。ボールを上げてキュッとスピンをかけて止めるピッチショットは、バンカー越えなど特殊な状況以外は決して使いませんでした。ピンまで30フィートあるなら3、4番。ランがキャリーの2倍なら8番、4倍なら6、7番というように数値化もしてました。グリップも自ら考案して、両手の平が正面を向くように握り、手首の動きを抑えて振り子のように振っています。ランニング(転がし)がアプローチでの最大の武器ということを、ラニアンは教えてくれたのです。

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