石川遼と藤本佳則 2012年6月5日火曜日 12:01

先週の日本ツアーチャンピオンシップで優勝した藤本選手のプレーは、新人らしからぬ強さを見せました。プロ入り5戦目とはとても思えない力強いスイングに落ち着いたコースマネジメントにはびっくりさせられました。ジュニアのころからその名前は全国に轟いていましたが、こんなに早く活躍するとは思いませんでした。ある意味石川遼選手とかなり違った形のデビューと言えるかもしれません。誰も存在を知らなかった石川遼選手が彗星のごとく出現した姿と、いつかはプロで活躍するだろうな、と小さいころから言われ、東北福祉大学に入学後もアマチュアの世界では一目を置かれていた藤本選手との違いは対称的です。あのマスターズで活躍した松山英樹選手も、目指すのは藤本選手と公言してはばからないといいます。
 その藤本選手と石川遼選手と大きく違う点が一つありました。それは藤本選手は、プロ入りするにあたって、ティーチングプロに依頼し、きちんとグリップからスイングチェックまで、チェックしてから試合に臨んでいるという点です。石川選手には父親のレッスンを受けていたり、たまにジャンボ尾崎選手に見てもらっているという話もありますが、藤本選手は、プロ入りするにあたり、きちんとしたレッスンメソッドを習得しているティーチングプロのチェックを受けているという点では、特筆すべきことで、欧米のプロの心構えを習っていると思われます。
  ジャック・二クラウスのジャック・グラウトやトム・ワトソンのバイロンネルソン、あのタイガーでさえ、ブッチ・ハーモンなど、そうそうたるティーチングプロと契約をしていました。
 先日のメモリアルトーナメントで9位と久々に上位に入った石川選手は、現地の記者の話を聞くと、ラウンドも一人で、スイングも悩んでいます、というコメントだったそうです。彼が、今後大きく伸びるか伸びないかは、このティーチングプロの存在があるかどうか、かかっているような気がします。それを先取りした形の藤本選手の活躍のほうがが案外早いかもしれませんね。