米国ツアーの面白さは、デッドヒートの魅力 2012年2月21日火曜日 16:06

スポーツはどんなスポーツでも、デッドーヒートの末、大逆転劇や僅差の勝負になることがファンの魅力をひきつけるものです。手に一杯の汗を握っていたり、テレビの前でいつのまにか奥歯をおもいっきり噛みしめていたりするゲーム展開は、この上ない面白さです。
 米国ツアーの魅力は、そこにあるんですね。古くは1980年の全米オープン。ジャック・二クラウスと青木功プロの死闘は、今でも語り継がれるほどの名勝負でした。青木功プロは、いつのまにか勝手にクラブを選んでショットしていたし、ほとんど試合展開を覚えていない、ギャラリーの声援も何言っているかわからない、後でビデオを見て、「ジャック イズ  バック」と連呼していた声が、自分には青木がんばれ、と聞こえていたよ、とまで言ってました。
 先週の男女のトーナメントも大変な戦いでした。実に面白いデッドヒートでした。男子は、2週連続優勝がかかっていたフィル・ミケルソンが、リードするかと思えば抜かれ、追いつ追われつで最終ホール8mのバーディーを決めてプレーオフ。最後はバンカーに入れ、B.ハースに優勝を譲ったが、いつどういう展開になるかわからない凄い闘いだったと思います。観衆はは興奮のるつぼと化していました。
 一方女子も我が宮里藍プロが世界ランク1位のヤニ・ツェンと死闘を演じました。リードして逆転され、引き離されても追いつき、1打差で最終ホール。最後は二人ともバーディーでヤニが優勝という激しい展開。優勝したヤニが、優勝した瞬間涙を浮かべたというぐらい宮里に追いつめらたということです。
 こんな試合展開なら何度見ても面白い。だから米国ツアーの人気が高いのですね。
 話は変わりますが、石川遼もこんな試合展開をできるようになるには、前年の後半から身体、技、生活パターンを思い切り変えて、備えなくてはだめでしょう。マスターズに出るか出ないかという争いではなく、優勝するかしないか、というレベルまで早く上がってほしい。そのためには、今の日本にいてはできないでしょう。
先週の男女の両試合をよく研究して、米国で活躍するためにはどんなことをしないといけないか、対策を練らないとだめですね。答えは結構周囲の皆さんが知っているかもしれません。

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偉大なゴルファーの名言レッスンコーナー その39  13:53

『一生懸命にならな損や。あきらめたら自分が損するだけやないか。』
                              杉原輝雄(1973~2011)
昨年12月末、74歳でなくなった「ゴルフ界のドン」、勝負強さのゆえ「マムシ」とも異名のあった杉原輝雄プロ。様々な名言を残していますが、この「言葉」は持論でもありました。「みんな小さい体で、飛ばないゴルフでようがんばるな、というてくれますが、そんなん当たり前や。努力せな自分が損しますがな」と杉原さん。220ヤードしかドライバーで飛ばなかった不利をカバーする努力は決して他人のためでなく、自分のため。たとえ林にはいってもゴルフはそこからです。そこから一生懸命にならなければ自分が損するという考えでした。関西人らしく、テレもあったのでしょうが、“損”という言葉から学べるものはダッファーにもあると思います。

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大逆転劇 2012年2月6日月曜日 16:44

米国ツアーで、2週間続けて大逆転劇が起こりました。しかも大逆転された選手が翌週大逆転の末優勝という離れ技を演じたのです。どういう因果化か、映画を見ているようですね。
 カリフォルニアで開催されたファーマーズ・インシュランスオープンで、7打差の大差をつけてトップを走っていたカイル・スタンリーは、スネデカーに最終日ひっくり返されてしまったのですが、そのお返しとばかり翌週アリゾナのスコッツデールで開催されたウエストマネジメントフェニックスオープンで、なんと8打差をひっくり返し大逆転優勝を遂げたのです。これは気分よかったでしょうね。一度負けたからと言ってしょげてばかりいてはだめなんです。なにくそという根性が大事なんです。
 このなにくそという根性で、その昔大逆転優勝したのが、我らが青木功プロです。今でもくっきり覚えています1983年のハワイアンオープン。1打遅れをとって迎えた18番最終ホール。ティーショットのドライバーをミスしてラフ、さらにセカンドショットも左にひっかてラフ。万事休すと思いつつバーディーで並ぼうと思って打った残り127ヤードのアプローチショットがなんとカップインしてしまったのです。この時実況していたのが日本テレビの吉田眞一郎アナ。解説者がいるのに興奮のあまり数分も一人でしゃべり続けました。それだけすごい大逆転シーンでした。面白いのは、この時に敗れたジャック・レナーは、翌年このハワイアンオープンで雪辱の優勝を遂げているのです。プロゴルファーは負けず嫌いが多いのですね。
 三平も一度大逆転劇を目の当たりにしたことがあります。主役はタイガー・ウッズ。忘れもしない1998年タイのブルーキャニオンCCで開催されたジョニーウォーカークラシックの最終日。7打差で迎えた最終日。リードしていたのは、あのアーニー・エルス。前半終わって差は縮まらず、2位かと誰しもが思った後半、バーディーラッシュが続き、あれよあれよ、という間に大逆転してしまったのです。三平も興奮してしまい、どうやって18番グリーンまで行ったか覚えていない状態でした。ハッと気が付いた時は、タイガーの母親クルチダさんに思わずコングラチュレーションと握手を求めていました。
 いつみても、ゴルフだけじゃなくて、どんなスポーツでも大逆転劇というのは興奮するものです。特にゴルフの逆転劇には難しい分だけ興奮させられますね。
 ここで処世訓。人生最後まであきらめるな!

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