石川遼、池田勇太のマスターズ 2010年4月14日水曜日 11:14

 昨日ある女子プロゴルファーから、「どうして日本選手のことも書いてくれないの?」というクレームがありました。私もそう思っていたのですが、どうしてもタイガーとミケルソンの強烈なイーグルショットが頭から離れないんですね。失礼しました。
 でも遼君も頑張ったと思います。まだ10代の遼君が世界最高のひのき舞台であれだけ堂々とプレーをしていたのを見て感動もしました。たった1打差で予選落ちですから、評価は逆に上がったと思います。問題は、やはりメンタルですね。18番を終えてすぐのインタビューでは、「アプローチを失敗した時に、これでは予選は通らないな、と思った」とコメントしていましたが、これが予選落ちの原因でしょうね。タイガーもそうでしたが、マイナス思考では、ゴルフはうまく行かないんですね。失敗したら次のホールは頭を切り替えて、新たにこのホールはどういう攻め方をしようか、とプラス思考で行かないとだめなんですね。失敗を引きずったら次も失敗します。ドライバーの飛距離も他の選手とひけを取らないし、アイアンショットも素晴らしい。あとは、ミケルソンが3日目の18番ホールで見せたような天才ロブショットなどのアプローチショットを身につけたら、技術的にはかなり上位に行けると思います。だからこのメンタル面の強化が急がれますね。
 面白い話があるのですが、1980年に青木功さんが、全米オープンで2位になりました。この時青木さんは、復活優勝を狙うジャック・ニクラウスと4日間死闘を演じ、ジャックに一歩も遅れを取らずプレーしていたのです。観衆もこの二人のプレーに興奮し、ついに「ジャックイズバック!ジャックイズバック!」と叫び始めたんですね。つまり青木さんにとってはアウェイでプレーしていたわけです。「この時俺が優勝していたら、殺されたと思うよ」と言っていました。それだけすごい声援だったようです。ところが青木さんは、「途中から、なんかわからないけど、ジャックイズバックが、青木頑張れ、青木頑張れ!と聞こえて来たんだよ、不思議だね?だから後半は面白いようにショットができたんだよ。」と言っていました。これもすごい話ですね。今遼君に必要なのは、このことだと思いますね。青木さんのメンタルがあったら来年は期待できるじゃないでしょうか?
 一方池田勇太は、逆に失敗を引きずらなかったですね、彼は海外でのトーナメントは期待できますね。彼は何とドライバーのフェアウエイキープ率が、出場全選手の中でトップだったんですね。これは大変なことですよ。マスターズ出場全選手の中でドライバーが最も正確な選手ということです。プレー後のインタビューも、「このオーガスタは、一つのホールの中で、いくつもの攻め方があると感じました。来年が、いくつもの攻め方を練習して、いっぱい引き出しがあるようにしたいと思います。」と言っていました。これもすごい発言ですね。ゴルフコースの設計者から見れば、「おお?ちょっと骨のあるやつが来たね。俺が造ったグリーンと勝負するかい?」などという対抗意識を燃やすような発言なのです。
 今年もこの遼君と池田選手が戻ってきた日本のトーナメントは、この二人の切磋琢磨のプレーが見られるので面白い展開になりそうですね。

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