エルスの大逆転劇に感激 2012年7月24日火曜日 13:57
話は、1998年にさかのぼりますが、三平が、ヨーロピアンツアーのジョニーウォーカークラシックで取材を行っていた時のことです。舞台はタイ・プーケットにある難コース、ブルーキャニオンCC。大きなスズの掘削跡に水を入れ、数ホールにまたがる巨大な池を作ってホール間に配置した難攻不落の名コースです。この大会の最終日、勝負は、アーニー・エルスとタイガー・ウッズの一騎打ちとなったのです。しかし一騎打ちと言ってもスタート時はエルスが、2位のタイガーに7打差を付けていました。誰が考えてもエルスの優勝は間違いないだろうという展開でした。ところがインコースに入ったとたん、タイガーの猛チャージが始まり、なんと最終18番ホールで追いついてしまったのです。そしてプレーオフの末、タイガーがエルスを破り、大逆転劇となってしまったのです。この時、なぜか三平は、タイガーの母親のクルチダさんとズウーッと一緒に歩いていました。私はタイガーを信じるわ、という言葉を言い続けていたのが印象的でした。一方敗れたエルスの悔しがること、半端じゃなかったです。でも彼は泣きませんでした。不屈の闘志がふつふつとわきあがるように不敵な目で
遠くを見つめているような感じでした。
それが、一昨日の全英オープンのエルスの目に似ていたように思います。相手はタイガーではなく、アダム・スコットでしたが、いやタイガーもその一人だったでしょうか、何か後半の10番ホールあたりから、一歩づつ獲物を追いかけるライオンの目のように感じたのです。その目に負けたのか、タイガーも崩れ、アダムも連続ボギーが続き、最終18番でアダムスがボギーを打ったところで、結局先にホールアウトしていたエルスに優勝が転がり込んできたのです。タイでの屈辱の大逆転負けのお返しだとばかりに、メジャーの全英オープンを勝ち取ったのです。タイでの彼の悔しがる姿を思い出しながら、深夜のエルスの大逆転劇に興奮していた三平でした。