マスターズに見る人間模様 その2 2012年4月13日金曜日 10:55

マスターズのもう一つの魅力は、過去の優勝者を大事にし、ゴルフ界の繁栄に貢献したプロを何歳になっても招待していることです。いわゆる温故知新です。過去の栄光に限りなく尊敬の意を表し、新たなプレーヤーの活躍を祈る、というゴルフの歴史を大事にする大会ですね。アーノルド・パーマー、ジャック・二クラウス、ゲーリー・プレーヤーが今年のマスターズのスターターを務めていましたが、あれを見たパトロンたちは興奮したでしょう。スタンディングオベーションで迎えられた晴れやかな姿は感動ものです。
 そんな中にあって、まさに大会の中心人物にならないといけないタイガー・ウッズの行動は問題です。パー3でミスショットした瞬間、クラブを放り、しかも足蹴りしていた姿が全世界に放映されてしまいました。三平もタイガーの大ファンです。デビュー当初よくトーナメントに行き、追っかけ取材をしていました。その頃もクラブを投げたり、4レターワードを叫んだりしていましたが、勝負にこだわる姿だからしょうがない、と思って許してはいたのですが、今や30歳を過ぎ、大記録に向かってまい進するゴルフを見せながらも、若手プロのお手本になるような尊敬されるべきゴルファーにならないといけない立場です。皆さん、数年前までのタイガーは、プレー中の素行が悪く、ツアーから年間1億円ほどの罰金を科せられていたなどということはご存じないでしょう。それでも優勝を続けていたし、タイガー目当てのギャラリーが多く集まっていましたので、それほど話題にはなっていなかったと思います。しかし今や立場は危ういものになっています。
以前タイガーのティーチングプロのだったハンク・ヘイニーがタイガーの実態という暴露本を書いたようですが、書いたこと自体あまりほめられたことではありませんが、あの人格者のハンク・ヘイニーが書いたのですから、実際腹にすえたことがたくさんあったのでしょう。このあたりでタイガーもそろそろ大人にならないと誰も見向きをしなくなることだってありえます。
 あのパー3での足蹴りなどマスターズでやるべき行為ではないですね。マスターズそのものをけがす行為です。激励の喝を入れたいですね。

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マスターズに見る人間模様 2012年4月12日木曜日 14:17

ババ・ワトソンの劇的な優勝で幕を閉じたマスターズですが、さすがに世界最大の祭典マスターズだけあって、いろいろな人間模様も垣間見られました。もっともびっくりしたのは、やはりババ・ワトソンの人望の厚さ。過去何年も見てきたマスターズの中で、優勝の瞬間、これほど仲間のプロ達が祝福に駆けつけたシーンはなかったのではないでしょうか?仲がいいプロとは言え、試合になればライバル、勝負が終わった瞬間は皆悔しいはずです。しかし今回何人ものプロ達が祝福の抱擁をしていた姿がみられました。それだけ苦労人なのか、やはり人間味のあるプロなんでしょうね、珍しい光景でした。 またまた楽しみなヒーローが誕生しました。
 また52歳のフレッド・カプルスも頑張っていましたね。オーガスタの隅々まで知り、過去3回も優勝しているので、楽しんでプレーしている雰囲気が感じとられました。一時は優勝の可能性がありましたので、フレディーと大きな声で声援している人も多かったようです。結局12位でしたが、来年もいいプレーが見れると思うと三平の楽しみがまた一つ増えました。 
 日本勢は、松山英樹の活躍がまた最後尻つぼみになってしまいましたね。タイで開催された全英オープン予選会でも圧倒的首位で最終日を迎えながら、急降下で出場権を逃しました。今回も7打差もあった最終日、突然の乱調でローアマのタイトルがするりと逃げてしまいました。精神的な弱さなのか、おっちょこちょいなのか、落ち着きのないゴルフでしたね。精神的な弱さと言えば、石川遼のゴルフに対する姿勢が問われた大会でした。根本的にゴルフの理論やゴルフに対する姿勢をもう一度復習したほうがいいのではないでしょうか?ある種甘やかされた環境では、いい素質も開花せずに終わってしまうのではないでしょうか?親離れが必要な雰囲気もありますね。

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今年もすごい戦いだったマスターズ 2012年4月9日月曜日 13:24

今年のマスターズは、過去75回開催の中で13回しかなかったプレーオフにもつれ込み、米国のババ・ワトソンが2ホール目に、ルイ・ウエストハイゼンを下して初優勝しました。感動の優勝シーンでした。ウエストハイゼンが、2番ホールでダブルイーグルを達成、トップに立ち、最後までミケルソンやマット・クーチャーなどの猛追を受けながらもトップをキープ。しかしババ・ワトソンだけが、こまめにバーディーを積み重ね、いつの間にかウエストハイゼンに並んでいたのです。プレーオフ最後のホールでは、二人ともトラブルショットとなり、リカバリーショット同志となりましたが、数十ヤードも曲がるフックボールで見事2オンしたババ・ワトソンに軍配があがりました。マスターズはいつの大会も手に汗を握るシーンの連続です。神様が付いていた選手が優勝するのか、あるいは、スーパーショットを出した選手が優勝するのか、最後の最後まで目を離せない試合展開となるのがマスターズの魅力です。今年も最後までテレビの前から動けませんでした。それにしてもすごい大会ですね。素晴らしいコースセッティングがそうさせるのか、76年という歴史がそうさせるのか、世界の選ばれた選手の闘いだからなのか、すごい大会でした。この大会の魅力の分析はまた検証して行きましょう。

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Tiger is back ! 2012年3月27日火曜日 15:04

ついにタイガーが復活しました。見事な事な勝ちっぷりでした。2位に4打差のぶっちぎりです。まさに「Tiger is back!」 です。この言葉どこかで聞いたことありませんか?
そうです、1980年のバルタスロールで開催された全米オープンでの、ジャック・二クラウスへの応援の言葉です。優勝からしばらく遠ざかっていたジャック・二クラウスが、久々にメジャー最終日に熾烈な優勝争いをしていた時のジャックへの声援だったのです。その時に熾烈な争いを相手を演じていたのが、我が青木功選手でした。4日間同じパーティーでプレーするという珍しい形になり、お互いにバーディー合戦で譲りませんでした。最終18番ホールに1打リードでグリーン上に上がった瞬間、ギャラリーから「Jack is back! Jack is back!」と大コールが始まったのです。青木選手は、「青木がんばれ、青木がんばれとしか聞こえなかったけどね、すごい声援だったよ。」当時を振り返っていましたが、この時と同じコールが、フロリダのベイヒルの18番ホールにも起こったのです。やはり何があってもタイガーはタイガー、タイガーあっての米国ツアーなのですね。 それにしてもすごい声援。
 今年は、どこかできっと優勝すると三平も確信したのは、3月の第1週目、ホンダクラシックの最終日。最終18番ホールパー5で、つま先下がり、左足下がりのセミラフからのセカンドショット。このセカンドショットの地点から、グリーンまで大きな池が横たわるまさにモンスターホールでした。このショットをロングアイアンで思い切り放たれたタイガーのボールは、なんとピンそば3mに2オン。こんなショットは久しぶりでした。対空時間の長いボールで、上から静かにポーン、ポーンと2バウンド、そしてピタッと止まり、もちろんイーグル。この瞬間、タイガーが戻ってきたと思ったのです。もしかしてマスターズにつながるかもしれませんね。いやきっとつながるでしょう。メジャー15勝目、間違いなし。

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2012年のゴルフ界のなりゆき 2012年3月21日水曜日 15:45

今年に入って、米国ツアーでの宮里藍選手の活躍は目覚ましいものがあります。常に優勝争いをしている印象ですし、実際に世界ランク1位のヤニ・ツェンと堂々と勝負しています。精神的にも肉体的にも絶好調の年になる予感がします。試合後のインタビューを聞いていても、まるで米国の選手のような受け答えをしていますので、精神的にも安定期に入っているように思います。今年の彼女の動向には目が離せませんね。あと一歩で優勝を逃していますが、優勝するのに何か足りないものがあるとしたら、やはりパッティングでしょう。米国のコースのグリーンは、将棋の10手先までよむのと同じで、強さ、曲がり具合、上り下り、芝の1本1本の生え具合までチェックが必要です。これは長年米国ツアーで苦しんできた青木功選手も、やはり数年米国に常駐しないと克服できない、と断言します。宮里藍選手は、ちょうどその数年になっていますから、やっと今年グリーンを克服して絶頂期を迎えるような気がします。
 一方石川遼選手は、やっと推薦でマスターズ出場が認められました。その後プエルトリコオープン準優勝で世界ランク47位に上がったものの、次の米国ツアーでは予選落ち。マスターズも推薦出場ということで、実力で勝ち得たものではない、ということで、すっきりしないかもしれませんが、ここは1発、マスターズ本戦で上位を狙ってほしいものです。テレビ解説をしている某プロによれば、やはりスイングの理論をきちんと見つけるようにしてほしいといいます。寮選手のように試行錯誤してスイングを作っている方法もありますが、身体やスイングの基本をまずマスターして闘いに望まないと、予期しない出来事が起こった時にどんなスイングをしていいか、頭が真っ白になってしまうそうです。これはご自分のマスターズでの経験だそうです。その点最近の韓国の選手は、理論武装がしっかりと小さいころから訓練されており、スイングに関しての冷静な判断ができるそうです。最近の韓国選手の躍進はこのあたりにあるそうです。
 いずれにしても何とかトレーニングを積み上げて頑張ってほしいですね。

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米国ツアーの面白さは、デッドヒートの魅力 2012年2月21日火曜日 16:06

スポーツはどんなスポーツでも、デッドーヒートの末、大逆転劇や僅差の勝負になることがファンの魅力をひきつけるものです。手に一杯の汗を握っていたり、テレビの前でいつのまにか奥歯をおもいっきり噛みしめていたりするゲーム展開は、この上ない面白さです。
 米国ツアーの魅力は、そこにあるんですね。古くは1980年の全米オープン。ジャック・二クラウスと青木功プロの死闘は、今でも語り継がれるほどの名勝負でした。青木功プロは、いつのまにか勝手にクラブを選んでショットしていたし、ほとんど試合展開を覚えていない、ギャラリーの声援も何言っているかわからない、後でビデオを見て、「ジャック イズ  バック」と連呼していた声が、自分には青木がんばれ、と聞こえていたよ、とまで言ってました。
 先週の男女のトーナメントも大変な戦いでした。実に面白いデッドヒートでした。男子は、2週連続優勝がかかっていたフィル・ミケルソンが、リードするかと思えば抜かれ、追いつ追われつで最終ホール8mのバーディーを決めてプレーオフ。最後はバンカーに入れ、B.ハースに優勝を譲ったが、いつどういう展開になるかわからない凄い闘いだったと思います。観衆はは興奮のるつぼと化していました。
 一方女子も我が宮里藍プロが世界ランク1位のヤニ・ツェンと死闘を演じました。リードして逆転され、引き離されても追いつき、1打差で最終ホール。最後は二人ともバーディーでヤニが優勝という激しい展開。優勝したヤニが、優勝した瞬間涙を浮かべたというぐらい宮里に追いつめらたということです。
 こんな試合展開なら何度見ても面白い。だから米国ツアーの人気が高いのですね。
 話は変わりますが、石川遼もこんな試合展開をできるようになるには、前年の後半から身体、技、生活パターンを思い切り変えて、備えなくてはだめでしょう。マスターズに出るか出ないかという争いではなく、優勝するかしないか、というレベルまで早く上がってほしい。そのためには、今の日本にいてはできないでしょう。
先週の男女の両試合をよく研究して、米国で活躍するためにはどんなことをしないといけないか、対策を練らないとだめですね。答えは結構周囲の皆さんが知っているかもしれません。

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大逆転劇 2012年2月6日月曜日 16:44

米国ツアーで、2週間続けて大逆転劇が起こりました。しかも大逆転された選手が翌週大逆転の末優勝という離れ技を演じたのです。どういう因果化か、映画を見ているようですね。
 カリフォルニアで開催されたファーマーズ・インシュランスオープンで、7打差の大差をつけてトップを走っていたカイル・スタンリーは、スネデカーに最終日ひっくり返されてしまったのですが、そのお返しとばかり翌週アリゾナのスコッツデールで開催されたウエストマネジメントフェニックスオープンで、なんと8打差をひっくり返し大逆転優勝を遂げたのです。これは気分よかったでしょうね。一度負けたからと言ってしょげてばかりいてはだめなんです。なにくそという根性が大事なんです。
 このなにくそという根性で、その昔大逆転優勝したのが、我らが青木功プロです。今でもくっきり覚えています1983年のハワイアンオープン。1打遅れをとって迎えた18番最終ホール。ティーショットのドライバーをミスしてラフ、さらにセカンドショットも左にひっかてラフ。万事休すと思いつつバーディーで並ぼうと思って打った残り127ヤードのアプローチショットがなんとカップインしてしまったのです。この時実況していたのが日本テレビの吉田眞一郎アナ。解説者がいるのに興奮のあまり数分も一人でしゃべり続けました。それだけすごい大逆転シーンでした。面白いのは、この時に敗れたジャック・レナーは、翌年このハワイアンオープンで雪辱の優勝を遂げているのです。プロゴルファーは負けず嫌いが多いのですね。
 三平も一度大逆転劇を目の当たりにしたことがあります。主役はタイガー・ウッズ。忘れもしない1998年タイのブルーキャニオンCCで開催されたジョニーウォーカークラシックの最終日。7打差で迎えた最終日。リードしていたのは、あのアーニー・エルス。前半終わって差は縮まらず、2位かと誰しもが思った後半、バーディーラッシュが続き、あれよあれよ、という間に大逆転してしまったのです。三平も興奮してしまい、どうやって18番グリーンまで行ったか覚えていない状態でした。ハッと気が付いた時は、タイガーの母親クルチダさんに思わずコングラチュレーションと握手を求めていました。
 いつみても、ゴルフだけじゃなくて、どんなスポーツでも大逆転劇というのは興奮するものです。特にゴルフの逆転劇には難しい分だけ興奮させられますね。
 ここで処世訓。人生最後まであきらめるな!

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今年のタイガー・ウッズと石川遼は活躍するだろうか。 2012年1月26日木曜日 13:41

世界のゴルフツアーは、年明けとともに日本ツアーより一足先に開幕しました。欧米の選手たちは、この開幕に合わせてコンディション作りを行っていますから、年明けから勢いが違います。日本はまだまだ寒い日が続いており、開幕が3月後半から4月ですから、日本の各選手の体の仕上げ方はまだまだ冬季トレーニングの段階です。そんな中の石川遼選手も、いきなりハワイでのソニーオープンに出場してもいい成績が出るわけがありません。逆に日本ツアーに合わせているなら、トレーニングの一環として出ているに過ぎないでしょう。これがアメリカツアーに対し失礼に当たらなければいいのですが、また石川遼選手も、まだまだ日本ツアーは開幕していないので練習です、というならアメリカの選手に対して失礼だろうと思います。
 最近の石川遼選手を見ていると気になることが一つ。これまでは若さゆえの勢いで走っていたかと思います。それでも大変な成績を残していますが、日本のゴルフファンはこの成績に飽き足らず、さらに上のレベルを期待しています。そうなった場合、やはり彼自身どのようにしてレベルアップをするつもりなのでしょうか?ここが今年は気になるポイントです。彼は類まれなるゴルフの才能を持っているとは思いますが、それをさらに開花させる努力が必要ではないかと思うのです。つまりそれは彼のスイングそのものを冷静に見つめ分析し、魅力あふれるプレーができるように導くティーチングプロが必要のように思います。あのジャック・二クラウス、トム・ワトソン、タイガー・ウッズにしても必ず第3者のティーチングプロが付いて、彼らのスイングチェックを絶えず行っていました。石川遼選手にとって今年は、この存在がカギを握りそうな気がします。ゴルフというスポーツは、世界のトップランクを目指すなら、この存在は欠かせないのです。今年の石川遼選手はかなり今年、いいティーチングプロに出会わないとかなり苦戦するような気がします。
 一方タイガー・ウッズはどうでしょうか?この2年間自分のまいた種とはいえ、精神的にかなり弱った状態でのゴルフを強いられていました。それがどこまで克服できたか、今週のアブダビでのヨーロピアンツアーのゴルフを見ないとなんとも判断できませんが、ただこのアブダビでの記者会見で、「今回はアピアランスマネーがあったから出場したのですか?」との質問に、いとも簡単に「YES」と答えたのです。これまでYESと答えた選手はあまりいなかったように思います。記者たちはかなりびっくりしたようですが、逆にタイガーは、ここまで言い切ったということは、もう開き直っているのではないでしょうか。言いたいことがあるならどうにでも言ってくれ、ということのように思います。昨年末ティーチングプロだったハンク・ヘイニーまでもタイガーについての暴露本を書きました。これらの周囲から騒がれることに対し、もうどうでもいい、自分はゴルフで勝負だ、という感じなのではないでしょうか?これが事実なら、今年のタイガーはかなり面白い。つまりかなり活躍するのではないでしょうか?ゴルフはメンタルスポーツです。メンタルの持ち方次第で、ミスショットも生まれ、プレーもぞんざいになっていきます。逆に開き直っていたら、周囲の雑音に関係なく、ゴルフに集中できるように思います。そろそろタイガーもここらでまた爆発しないと並みの選手で終わってしまうような気がします。そういう意味では今年のタイガーには目を離せないのではないでしょうか?

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温故知新 2012年1月10日火曜日 10:40

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
新年最初の記事は、石川遼のマスターズでの予想活躍ぶりを占う、というタイトルで書こうと思っていたのですが、世界ランキング51位のままでなかなか出場権を獲得できないでいますので獲得するまで待つことにしました。今週からの米国ツアーに期待したいと思います。
 そんな中で新年早々我らがお父ちゃん、林由郎プロが、永眠しました。89歳の大往生です。三平は大変お世話になった方です。いろいろなイベントに参加していただき、模範ショットやミラクルショットを披露していただきました。あるとき、「おい、ボールを2つ横に並べてティーアップし、それを連続して打って、ボールが一番高い位置になった時に交差するという技をやってみようか、驚くぞ!」と言われ、やっていただいたところ、見事空中でクロス、参加者からはやんやの喝采でした。ゴルファーが一人でも増えるならいろいろやるよ、と言われ、テレビ番組まで作りました。30分のトークショー番組でしたが、その中に「押しかけレッスン」というコーナーを作ったのです。いきなり街の練習場に行き、白衣を来ていただき、全く知らない人にいきなりレッスンしたのです。相手はびっくり。でもこれがウケましたね。こういういたずらが大好きでした。こんな番組だったのですが、深夜放送にもかかわらず7%の視聴率を取ると、その影響で他局での日本プロの解説を降ろされてしまいました。あわてて林さんのところにお詫びに行くと、「何、いいんだよ、こっちのほうが面白いよ」と言ってくださり、続けていただいたのですが、本当に気遣いをする方でした。しかし私生活では厳しい方でした。「我々プロは5分遅刻したら失格なんだよ、だから私との約束に遅れてきたら失格、出直して来い」と言って断っていた姿をよく目の当たりにしました。でも次は親切の話を聞いていたのです。
 技術的にはバンカーなどが有名ですが、練習を拝見しているとトラブルショットだけ盛んに練習していました。「俺はね、一度木の横に止まったボールを打とうとして空振りしたことがあるんだよ、だからそれ以来トラブルショットだけ練習することにしたんだよ。」その代表があのバンカーの目玉のショット。一度ボールの下にヘッドを入れ、すぐ戻すという神業ショット。三平も教えていただいてトライしてみたのですが見事に出ます。長年の研究の成果なのでしょうね。そのたびに林のお父ちゃんを思い出しますが、三平にとっては本当にいい人を亡くしました。ゴルフ界に残した足跡は小さくはなかったと思います。まさに新年の最初の記事はこの林プロを偲ぶ温故知新の記事です。この思い出は末永く大事にしたいと思います。合掌。

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今年のゴルフ界は、まさに体・技・心だった。 2011年12月7日水曜日 10:47

来年のゴルフ界を占う前に、今年のゴルフ界の総括を書こうと思いますが、一言で言って、以前青木功さんが突然叫び始めた「体・技・心」に尽きるような気がします。青木さんは、シニアに入ってから、寄る年の波に勝てず、いろいろとケガなどを経験したのですが、ある時、「やっぱり体が健全でないと不安でしょうがない、技も出なければ、心も不安。こんな状態で勝てるわけがない」と横にいた三平につぶやいたことがありました。まずもって体をしっかり治さないと駄目だ、という結論になったのです。今年も石川遼、池田勇太、女子では有村智恵、大山志保、不動裕理など主だった賞金王を狙う選手たちはどこか体のに不安な部分を持ち、さらに”心のケガ”も持っていたような気がします。もちろん大震災の影響もあったでしょう。
 よくメディアでは韓国勢に男女とも押された、日本勢は大丈夫か?などという声が聞かれます。韓国勢と最も違っていたのは、体のケガであり、心のケガではなかったでしょうか?韓国勢の勝利に向かっての意気込みは他を圧倒するものがあります。その典型が賞金王になった選手達であり、最終戦に勝ったジョンミジョンでしょう。負けた日本勢の典型は、カシオワールドの宮里優作の最終日17番ホールセカンドショットとJTカップでの石川遼の最終日14番ホールセカンドショット。まるで勝ちに行っている選手の集中力ではありません。どう見てもこの瞬間勝てないな、と思わせました。
 来年は松山英樹もマスターズ後にプロ入りしてくるでしょう。また女子も今年優勝した藤本や笠、金田などが虎視眈々と狙ってくるでしょう。韓国勢もさらに立ちはだかります。ますます混戦の様相になると思いますが、この体のケガと心のケガを完璧に治した選手が活躍すると三平は予想します。

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ついに今年のツアーが終わった。 2011年12月5日月曜日 13:24

今年のツアーも男子のJTカップを最後に男女とも終了しました。最後は、藤田が最終戦らしく大逆転劇を演じ優勝、ゴルフファンを沸かせました。石川遼や池田勇太、あるいは女子の有村智恵、横峰さくらなどのファンにとっても、最後までやきもきさせ、最後はため息、という感じだったのではないでしょうか?
 石川はいまいち歯切れが悪い1年ではなかったでしょうか。最終のJTカップでも、さあこれから逆転するぞ、という最後のふんばりどころの14番でボギー。イーグルが必須の17番では、ドライバーが右に大きくそれテレビカメラにあたって30ヤードほど戻るなどのアクシデント。どこかやはりおかしいです。そんな意気消沈する場内を一変させたのが、17番藤田のイーグル。この日の後半のパー5は2ホールともイーグルというタイガーばりの猛追を見せ、プレーオフ。追われる立場だった谷口が18番ホールで1m弱のパーパットを外すという信じられないことから起こった逆転劇ですが、こうなると追うものが強い。谷口は追われる立場のプレッシャーからか、最後はグリーンを大きくはズし、万事窮す。最後の最後までわからないのがゴルフという言葉を実践してみせた、という最終戦でした。
 さてこんな最終戦でしたが、なぜこんな最終戦で今年のツアーが終わったか、この後何回かに分け、今年のゴルフを総括していきたいと思います。それにしても藤田の優勝は見事でした。

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設計者に敗れた横峰さくら。 2011年11月16日水曜日 15:55

今年の伊藤園レディースの最終日最終ホール、同スコアで迎えた横峰さくらプロと藤本麻子プロでしたが、セカンドショットで明暗を分けてしまいました。実はこのコース、三平も建設時設計監修を手伝っていたコースです。特に18番ホールは、グリーン左に大きな池を造り、その池にグリーンが食い込ませるようにせり出させたのです。しかも最終日のピンポジションを池際にできるだけ近づけるように設定していたのです。つまり最終ホールでドラマが起こるようにセッティングしたというわけです。またセカンド地点は池を見下ろせる高台とし、池全体が目に入るように高さもセットしたのです。まっすぐ打てばなんということもないグリーンなのですが、目には大きく池が見えてしまうようにしたのです。これで恐怖感を感じればびびってしまいミスショットにつながるという、ある意味意地悪の罠なのです。
 今回その罠に横峰さくらプロがまんまとはまってしまったということになります。よく言えば、これを教訓にしてまた一段と強いプロになってほしい、と思いのセッティングです。悪く言えば、ようこそ罠にはまってくれてありがとう、という悪魔の声になりますこれがゴルファーと設計者との闘いになるのです。みなさんもどこのコースに行ってもこのような戦いがあります。ゴルフのもう一つの楽しみ方です。横峰さくらプロには申し訳ないのですが設計者の楽しみの一つでもあります。

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スケールの大きさでは青木功選手に匹敵か!松山選手。 2011年11月15日火曜日 13:58

アマチュアの松山選手は、またまたどでかいことをやってくれました。世界の祭典マスターズのローアマを取った時もすごい選手が現れたと思ったのですが、今回は並み居るプロが相手の太平洋マスターズで優勝してしてしまいました。
 ビッグトーナメントに出場し、しかも2打差リードで迎えた18番ホールも動じることなくイーグルを決め堂々の優勝。18番ホールの第2打は、並みの選手なら池の手前に刻むとか安全なところを狙っていきますが、彼は迷わずピンをデッドに狙っていました。こんなところがどうも青木功選手のゴルフと似ているような気がしてしょうがありません。青木選手が、1980年全米オープンで2位となったとき、相手は帝王ジャック・二クラウス。アウェーイまっただ中の闘いでした。ギャラリーが「ジャックイズバック、ジャックイズバック」と大声援の中、青木選手は、あれは「あれは青木がんばれ、青木がんばれって聞こえていたよ」と感じていたそうです。また青木選手は、あるトーナメントでぶっちぎりのトップで最終ホールを迎えたのですが、ボギーで上がってしまった。しかしその夜、アマチュア界のトップ中部銀次郎さんから、「最終ホールバーディーで上がらないと、次の大会でなめられてしまうよ、ダメだよ最後まで気を抜いちゃ」としかられたそうです。それ以来どんなにリードしても最後まで手を抜かなかったそうです。今回の松山選手は、その中部さんの言葉を聞いていたかのようにピンをデッドに攻め、イーグルを奪ってホールアウトしました。いやはや何とも今後が楽しみな選手が出てきたものです。

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また涙があふれた上田桃子の優勝! 2011年11月7日月曜日 15:55

 今年のツアーの後半入って、うれし涙の優勝が続きます。大山志保、有村智恵のケガからの復活、河野晃一郎の初優勝とうれしい優勝が続きましたが、今回の上田桃子の優勝も本当にうれしかったですね。元々涙腺の弱い三平は、うれしい反面、このうれし涙を人に見られないようにするのも大変なんです。
 それにしても一度ゴルフをあきらめようかと思って、お母さんや谷口プロからの激励で踏ん張り、さらにキャディーの後押しもあって優勝に結びつけたところは、一皮むけた、という優勝なのでしょう。プレー中終始笑顔で楽しんでいたような雰囲気もよかった。最後の優勝を決めたパットを入れた後の宮里藍との抱擁で見せた涙に三平ももらい泣きしてしまいました。
 プレー中にショットを見ていると、これまでどうして優勝ができなかったんだろう、というぐらい完璧なショットだったのではないでしょうか。こんなにいいショットをしていてももがき苦しんでいたのですね。ゴルフはやはり心身ともに元気で前向きでないと勝てない、ということなのでしょう。ちょっとでも身体や精神的に不安があるとショットに影響するのでしょうね。そういう意味でゴルフは人間を前向きにするスポーツなのです。
 上田桃子もこれでまた成長するでしょう。パワーアップして。今後が楽しみな選手がまた増えました。もっと増えてほしいですね。

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うれしい優勝が続いた!河野、有村はすごい! 2011年11月1日火曜日 14:01

 先々週の大山志保の復活優勝は掛け値なしにうれしく思いましたが、先週のマイナビABCチャンピオンシップでの河野晃一郎君のツアー初優勝、そして森永製菓ウイダーレディースでの有村智恵のケガに打ち勝った優勝も本当にうれしかったですね、勇気をもらいました。
 実は河野は、学生時代、三平の事務所で受けていたトーナメント運営の仕事のアルバイトをしていたのです。東洋大学ゴルフ部の学生で、当時からプロ志望でしたが、仕事もきっちりしていましたし、本当に明るい青年でした。卒業間近になって、アメリカに渡って修行したいと相談に来たので、アメリカのあるティーチングプロを紹介しました。それでアメリカでミニツアーに参加していたのです。これが結果的に良かったのでしょう。難しいコースでの試合が多かったですし、相手も強い。武者修行にはもってこいの経験だったと思います。帰国していつ優勝するかと楽しみにしていたのですが、昨日最後のバーディーを決めた時は、三平も思わず飛び上がって喜んでしまいました。しかも相手は賞金王トップのぺ・サンムンですからなおさらですよね。いやあ昨日は興奮しました。
 一方有村は、今年の夏ごろでしたか、手首のケガで、もしかして今年はもう試合に出れないのではないだろうか、と思うような発言だったので心配していました。テレビでのパットのシーンを見ていても、両手にテーピングがぐるぐる巻きになっていました。痛々しい姿でした。本当に頑張り屋さんなのですね。しかも自分が契約するスポンサーの大会での優勝ですから、これまたすごい。しかも今年の日本女子オープンの覇者、馬場ゆかりを逆転しての優勝ですから価値ある勝利でした。
 これからのトーナメントが楽しみになってきました。

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大山志保の復活優勝にはもろ手を挙げて祝福したい! 2011年10月24日月曜日 14:35

 ちょうど12年前のことですが、三平が大会プロデュースを務めた日米学生選手権が開催されました。未来のプロゴルファーと嘱望された両国の学生ゴルファー達が激突するという注目の大会でした。この時、日本代表選手として出場していたのが、今回マスターズGCレディースで3年ぶりに優勝を飾った大山志保選手でした。日大ゴルフ部の4年生。当時の日大の監督だった故竹田監督も秘蔵っ子のようにかわいがっていました。大会中彼女の姿をよく見たのはやはり練習場でした。学生のころから練習の虫。日々の努力を怠らないプレーヤーだったという印象でした。
 その大山志保が、ケガから復活して3年ぶりの優勝を達成、これはゴルフ界にとってもうれしい話です。プロスポーツの世界はケガや精神的な障害で崩れる選手が結構多くいます。そのような人たちにとって本当にいい励みにもなったと思います。本人も一生懸命歯を食いしばって練習に励んだのだと思います。プロの世界はちょっとでも成績が悪くなると周辺やマスコミがすぐもうだめだ、と言い始めます。もちろん簡単に復活できるほど甘くはない世界でもあるのですが、しかし米国ツアーにも参戦したほどの実力派ですから、簡単に終わるわけにはいかないでしょう。猛烈な練習の結果だと思いますが、本当にいい復活優勝でした。人間あきらめない姿を徹底して維持していくことは大事なことです。今年は震災など大変な年でした。その被災を受けた人たちに元気を出していただく意味でも、意義のある優勝だったと思います。

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日本オープンや日本女子オープンのラフが厳しいわけ 2011年10月14日金曜日 14:38

 先般の和合での日本女子オープンのラフは厳しかったですね。優勝スコアが12オーバーというスコアでも
わかるように、あまりにも過酷な設定でした。米国ツアーで優勝経験のある宮里藍は、アンソンジュでさえ15オーバーにもなるのですから、やはりどこか違うんじゃないの、と言いたくなります。日本オープンしかり、名門鷹ノ台GCのラフもかなり厳しいです。初日が4アンダーでしたら女子オープンほどではないにしてもピンポジションが厳しくなるにつれ、スコアは落ちていくような気がします。これはどういうことか、というと、欧米のコースのほとんどが、FWとラフの芝が同じです。違っていても同じ芝草で生産の年代の違いだけ。しかるに日本のコースは、北海道や寒地のコースは別にして、今回大会が開催されている関東以南は、ほとんどのコースが、FWが高麗、ラフ野芝という組み合わせになっています。それでFWの幅が、大体40ヤード前後で作られています。しかし日本オープンや日本女子オープンは、平均15ヤードの幅にされます。そしてラフは10cmぐらいに伸ばしています。ここでお気づきだと思いますが、我々一般プレーヤーが経験しているラフは、野芝のラフでしかもせいぜい伸びているとしても4~5cm、ところがFWの幅が15ヤードぐらいということは、プロの場合、高麗の芝のラフに落ちる確率が高いということになります。たとえて言うなら、野芝は、猫毛のようなもので、高麗を伸ばすとバリバリの剛毛が伸びている感じなのです。さすがに猫毛の10cmと剛毛の10cmとでは、違いすぎるのです。欧米のラフは、ティフトンという猫毛をくるくると絡まるようにしたものとベントの粘っこい、両方ともクラブヘッドに絡みつく芝です。しかし高麗の剛毛のような強い芝ではありません。こんな芝から打たないといけないので、各選手とも苦労しているのです。剛毛は出すだけで、飛ぶわけがありません。だから苦闘しているのです。一般の皆さんがこのラフから打ったらそれこそ腱鞘炎になってしまいます。日本一を競うトーナメントですから、これぐらい過酷な条件というのはしょうがないのかもしれませんが、いやはやプロは大変ですね。

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いろいろ話題に事欠かないゴルフ界 2011年10月6日木曜日 11:27

 最近のゴルフ界は話題に事欠かないですね。有村智恵が手首をけがしたと思ったら、同じ手首のケガで古閑美保がプロ引退宣言。一方松山英樹が日本人選手第1号でマスターズ出場獲得。期待の石川遼は低迷し、賞金王から陥落。海の向こうではタイガーが、世界ランキング50位から脱落。世界ランキング1位のルーク・ドナルドがもしかして欧州、米国両方のツアーの賞金王になるかもしれない、など、日本、欧米とも話題づくめです。
 それにしても松山英樹の活躍は素晴らしいですね。アマチュアながら2年連続マスターズ出場をいとも簡単に決めてしまいました。大試合に物怖じしないそのプレーぶりに将来の日本ツアーを背負う選手になること間違いなしです。
 また有村の頑張りには頭が下がりますね。手首を痛めているにも関わらず、被災地仙台のツアーだから休んでいられない、ラフが厳しくても日本女子オープンには痛みをこらえて出場、とプロ魂を感じます。でも青木功さんではありませんが、体技心、体に自信がないと心に不安を抱え、体もうまく機能しない、という状態でした。でも予選を通り、根性を見せました。こちらも称賛に値するのではないでしょうか?
 タイガーには頑張ってほしい、というしかないですね。新しいキャディーを迎え、心機一転復活してほしいものです。
 一方古閑美保選手の場合はよくわからない引退劇です。どうしてこの時期に?それほどひどいけがなのか?
あれだけ活躍した選手ですから、じっくり治せばまた復活すると思うのですが。プロにはいろいろ考えるところがあるのですね。

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またまたコースセッティングが勝負を分けた日本女子オープン 2011年10月3日月曜日 16:18

 今年ほどコースセッティングが厳しかった日本女子オープンもなかったのではないでしょうか?日曜日のサンデーモーニングという番組で小山武明さんが、具体的にコースセッティングを説明していましたが、開催コースの名古屋ゴルフ俱楽部和合コースは、春の男子の中日クラウンズと比べるとはるかに今回の大会のコースセッティングが厳しかったとコメントしていました。また現地で取材していたあるカメラマンのコメントは、横で見ているのもつらかった、と言ってました。確かに馬場ゆかり選手の優勝スコアが12オーバーというのは最近あまり聞いたことがありません。もちろん馬場ゆかり選手の優勝、そして最後まで追いつめて1打差で惜敗した笠りつ子選手の健闘は称賛に値します。
 前回の日本女子プロ選手権では、岡本綾子さんが絶妙のセッティングで選手の実力を計ることができたと思いますが、今回は過酷そのもの。FWは20ヤード前後、ラフは、規定では最長10cmですが、春先と違って芝がしっかりと育っており、ラフに入れたら1打は必ずたたく。まるでスコットランドのリンクスコースのラフのようでした。また3日目の風は厳しかった。風対策には慣れていない日本人のパワーでは大たたきはしょうがない。
 トーナメントのセッティングには、バーディーを取らせて、アンダーの積み上げを楽しむもの、実力を計るようにターゲットラインの中に必ずバーディーラインをセットするもの。それと今回のようにできるだけ難しくし、サディステックなセッティングをするものがあります。見ていてどれが興奮するか、ということを競技委員は必死に考えてセッテイングすると思います。全米オープンに倣えとばかりに日本のオープン競技も同じようにしているようですが、これもいかがかなと思う時があります。きちんとハードなセッティングに立ち向かってバーディーを取るホール、ケアレスミスを誘うようなホール、ベストショットの積み上げでなければいけないホールなど、そのコースの設計に合わせたセッティングが面白いような気がするのですが、いかがでしょうか?

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震災後、ゴルフ場が考える本物志向 2011年9月21日水曜日 11:14

 震災後、被災地以外のコースはどんな状況なのでしょうか?震災の影響はあまりなかった西日本のコースの様子の声を聞きました。
「やはり震災直後の1,2か月は、東京に本社がある支店レベルのコンペはすべてキャンセルになりました。
また雨が降るとキャンセルが多くなりましたね。でも7月から前年対比
増の傾向が強くなりました。」とはある兵庫県のコースの支配人のコメントです。
 そしてさらに顕著な動きが西日本では出てきていると言います。それはコースを大事にするという傾向です。もちろんこれまでも大事にしなかったわけではありませんが。これまで以上にコースに対し気を使う傾向が出てきた、ということです。
 具体的な例では、関西の名門クラブとしてどの名を轟かせる茨木カンツリー倶楽部が、米国設計界の鬼才と言われるリース・ジョーンズの設計でワングリーンにするなどの大規模の改造することになったのです。この
改造の関西ゴルフ界への影響はかなり大きいようです。リースはご存じのように全米オープンなどの開催コースの改造、トーナメントセッティングを担当しています。トーナメント用にその難易度をセッティングする第一人者と言われています。また彼は父親ロバート・トレント・ジョーンズシニア、兄のジュニアと一家のそろって設計者として有名で、しかもこの一家で世界中で600コース以上ものコースづくりに携わっていると言います。まさに世界のゴルフ設計界の第一人者。そのリースを日本に招聘したと言う意味は非常に大きいですね。
 またその兄RTジョーンズ・ジュニア設計の日本を代表するコース、ゴールデンバレーGCも、「今、徹底
してコースを綺麗にしよう、日本を代表するコンディションのグリーンにしよう、ということでコースの隅
々まで整備しています。」とはオーナーの国府氏のコメント。
 関東でも静かに改造ブームになりつつあるが、こういった傾向は、やはりゴルフコースの本物志向、いいコンディションのコースを提供しようという傾向が出てきたように思います。

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